公開から結構時間が経ってますが運良く
映画館で見ることができました。
百日紅～MissHokusai～
を見てきました。
「カッパのクゥと夏休み」や「Coloful」、そして
なんといっても「クレヨンしんちゃんモーレツオトナ帝国の逆襲」の
原恵一監督が再びアニメ映画界に戻ってきての最新作！
これまでの作品が作品なだけにすごく期待していきました。
見てきた感想を、ざっくり言わせてもらえば・・・
うん・・・
まぁ・・・これはこれで・・・
（小並感）
という、なんとも言い難い映画でした。
悪く言いたくはないんですが、良く言い切れない気持ち。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
●ゆっくり穏やかに進み・・・イラだつ私
原作は短編をうまく組み合わせた＋オリジナルの部分を加えて
一つの物語にした映画なのだそうです（未読）。
軸としてお猶との物語はあるものの
映画も原作の短編をオムニバス形式で見せられているようで
物語の推進力がびっくりするぐらいに弱い！
結構中盤で私はダレてきてしまいました。
一体この物語はどこに向かっているんだろう・・・
っていう余計な勘ぐりをしちゃいました。
途中から映画がすごーくゆっくりゆっくり
進んでいくように感じられてしまいました。
個々のエピソードはおもしろかったので、
こういう作品こそ深夜アニメとかで毎週ちょっとずつ
見て行きたい按配でした。
ただ、原監督は今までのインタビューなどから感じる人間性からいくと、
狙ってこのスピード感を出してると思うので、
決してこれが間違いってわけではなかったのでしょう。
むしろ「東京物語」における忙しない若い世代の人たちに向けて
「どうなんだ！」と疑問をなげかける作品だったのかもな？
とも思っております。
（そういう狙いもあっての最後の“あれ”かな？）
「東京物語」は好きです。
●見れないものを見れる魅力がつまってる
ワタクシが理屈屋なのでどうしても、
この映画は何だったのかってのを考えてしまうわけですが
個々のエピソードは、よくよく考えると
共通項がないわけではないですよね。
いずれも“見えないものを見る”“見ようとする”
そんなエピソードばかりでした。
主人公のお栄は、架空の物を描こうとしたり（見える形にする）、
不思議な体験を目の当たりにしたり、
知らないからこそうまく描けないことに四苦八苦したり、
結局は見たくなかった真実を垣間見てしまったり・・・
絵を描く人のドラマがこんなに魅せるものなのか！
と感心させられました。
「絵を描くってすごいな！おもしろいな！」
って思えただけでも本作を見て良かったと思いました。
元々私も大学で平面デザイン学科を出ているので
割と絵を描くことが多かった身。
先ほど微妙な感想をざっくりと言ってしまいましたが、
感銘みたいなものは間違いなくありました。
●アニメーションの道を振り返ってみて、と。
で、実はそんな江戸時代のエピソードを
遥か時が離れた現代人にアニメとして描いて見せてくれる
って意味でも・・・この映画自体がメタ的な構造になってますよね。
江戸時代の北斎やお栄の絵の延長線上に、
現代の漫画やアニメーションがあるのは間違いありません。
その江戸時代をわざわざ、アニメとして描くということは
まさに『過去をしっかり振り返ろう！』といわんばかりの
意味にはなってくる気がします。
それを強く叩きつけるのではなく
本当になんともないエピソードとして披露するところに、
原監督自身が過去の遺産を現代に馴染ませようとする
気遣い、心遣いが現れてるのかな？とも思いました。
その「なんともなさ」が強すぎるのも
私の今回の小並感につながってるとも思うので
非常に惜しいとも思わされたのですが・・・。
ストレートに「おもしれぇ！」と言える作品じゃなく
ちょっとこねくり回して「いい映画だな」って思わせる
人を選ぶ按配の映画だとは思います。
ダメ！とは言えないし、良い！とも言えないこの感じ・・・
オススメしにくいんですよね。
せめて、今回の感想で腑に落ちない人が
無理にでも腑に落ちてくれれば、と思います。
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