ALIEN Tracking Device Alien Motion Tracker エイリアン | よいこのおどうぐばこ

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20年以上前からあるワンネスのダヴ(シャイニ・グッドウィン)が広めたNESARA(GESARA)詐欺やイラクRV詐欺、存在しないホワイトハットを未だに信じている人を憐れんで、たまにボランティアで「それはデマです」と優しく啓蒙しています。


リドリー・スコット監督による1979年に公開されたSF映画「エイリアン」

その中で、ノストロモ号船内にて逃走したチェストバスター(エイリアン)を捜索する為にAshが設計・製作した動体探知機。(Tracking Device,Portable Tracker,Motion Tracker等、いろんな呼び方があるらしい)

エイリアン好き、SF好き、メカ好きな私は、このエイリアン動体探知機、欲しい~!と、思いましたが、フィギュアならまだしも、こんなもの絶対に発売されることはないとだろうなと、自分で作ることにしました。

 

 

 

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The Tracking Device
これは13年前の2005年に制作したものです。

 

 

 

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劇中での破壊されたアンドロイド・AshとTracking Device

まず制作するにあたって動体探知機の資料が必要なのですが、劇中では全体のデザインや細部が確認出来ないので悩んでおりましたが、ボブ・バーンズ氏という方が、このプロップを所持しており、ビデオで詳しく説明しているものを見つけたので、それを参考にして制作することにしました。

 

 

 

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ボブ・バーンズ氏のコレクションのプロップ(実際に映画で使用されたもの)

 

印刷して使いましたが、非常に参考になりました。

 

 

 

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プロップのベースになっているのが、既製品のポータブルTV。
はじめに、これと同じ機種を探して入手しました。

 

 

 

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次にプロップに使われている同じインジケーターランプ等を探しました。
本当にいろんなお店で探しましたが、どこにも売ってねーー!!
しかし、奇跡的に同じものを新品で入手出来ました!UK製でした。

 

 

 

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制作開始!
ポータブルTVを分解して、ブラウン管や基盤など中身を全て完全に取り除き、スイッチレバーの穴等をプラ板で塞ぎます。そして、ランプやスイッチが付く場所にドリルで穴を開けます。
センサー部分の土台はブリキ板を半田付けして加工。

 

 

 

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センサーの筒もブリキ板にて制作。
最終的にはオリーブドラブに塗装してしまいましたが、そのままの方がプロップの雰囲気が出ていたかも・・・。

 

 

 

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動体探知機の右側に付いている円形状のもの。プロップはいろんな既製品のパーツを貼りつけて製作されているのですが、当時は何の部品かもわからず(今は判明しています)、また入手も困難だと判断して、これは自作することにしました。
円形に切ったプラ板に曲げたプラ板を貼りつけて制作。このままの状態だと手作り感がハンパないW

 

 

 

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ということで、接合部分や歪んだ部分をパテにて綺麗に整形します。

 

 

 

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原型をそのまま使うと経年でパテが収縮したりして不安なので、面倒ですが出来上がったパーツをシリコンで型取りして、レジンキャストで複製することにしました。

 

 

 

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シリコン型にレジンを流し込んで、出来上がったパーツ。(右)
裏に接着するプラ板にて作ったパーツ(左)

 

 

 

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円形パーツの土台の原型

 

 

 

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これもシリコン型を作って、レジンキャスト製にしました。

 

 

 

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このパーツは本来、スピーカーグリルを切断したものらしいのですが、そんなもの日本では入手出来ないわ!ってことで、こちらも自作!
情景模型などに使われる、プラ材を利用して作りました。切っては接着してを繰り返して作ったので、結構大変でした。笑

 

 

 

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こちらも原型をレジンにて必要な個数を複製しました。

 

 

 

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ボタン状の部品や訳のわからないパーツも原型を作り、それぞれレジンにて複製しました。

 

 

 

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動体探知機の前面に付いているパーツ。(制作途中)
似たようなブザーを発見したので、これを利用して造形。(大きさ的にもプロップもこれかもしれない)

 

 

 

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ディスプレイ部分もプラ板にて制作して、レジンで抜きました。

 

 

 

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そして今回もっとも苦労した所。

プロップは左側に氷トレイを逆さまに貼りつけてあるのですが、このアイスキューブトレイが入手出来ない・・・。
古い金物屋さんなどを何件も回ったのですが、似たようなものはあっても、完全に同じものがない・・・。

こうなりゃ、これも作るしかねー!!と原型制作開始!笑

まずは資料を確認しながら、一個のキューブを作ります。
それを12個レジンで複製して並べて、アイスキューブの原型を作ります。

 

 

 

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じゃん!完成した原型がこちら。
 

並べたキューブにプラ板を切ったものを接着して作りました。

人生の中で、まさかアイスキューブトレイを作る日がくるとは・・・。

 

 

 

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これもシリコン型を作って、レジンで抜きました。
ここまでで、予想してたよりも、かなり時間がかかってしまった・・・。
動体探知機、完全になめてた WWW

 

 

 

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ここから、やっと本体の制作にはいります。

まずは複製したパーツをポータブルTVのケースに接着していきます。
ボタン状のパーツですが、接着だけだとすぐに取れそうなので、最終的には本体にドリルで穴をあけ、裏から全部のパーツをビスでとめています。W

 

 

 

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今回、動体探知機を制作するにあたって、ただ形だけ似せて作るのは面白くないので、実際に動体探知出来るものを作りました。(Ashもビックリ)

マイクロ波ドップラーセンサーモジュールと集電型赤外線センサーを内蔵する設計にし、実際に動体探知が可能です。

映画で使われたプロップは、グリップの下にある押ボタンスイッチを押すと、ライトが点灯してビープ音が鳴るギミックでしたが(劇中でダラスが探知機をテストする場面で、スイッチを押しているのが確認出来ます)、それも搭載しています。

本体上部に接着してあるダミーボタンの中に2つだけ本物の押しボタンスイッチがあり、それを押すことにより、映画同様のギミックモード、ドップラーセンサーモード、赤外線センサーモードに切り替えることが出来る仕様にしました。

 

 

 

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本体は分解する時に前後に分かれるので、前後を結ぶ配線にはコネクターが付いています。

当時は基盤への半田付けや配線、また各モードへの切り替えのためのリレーなどは壊れた家電製品から外して利用したりして全部自作しましたが、今じゃ、自分でもどういう設計・仕組みになっているのかわからないです。笑

 

 

 

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だんだんとそれらしい形になってきました。

 

 

 

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電気回路のテスト。
奥のインジケーターランプは透明ですが、青く光ります。

 

 

 

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バッテリーは電池が入っていた部分にスライド式で収納しています。

 

 

 

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オリジナルプロップには無いのですが、デザイン的に中に冷却ファンを取りつけました。
実際に冷却ファンとして稼動します。

 

 

 

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冷却ファンは本体後ろ下部の押しボタンスイッチにて、オン・オフの操作可能。

 

 

 

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アンテナが付いていた部分、ここにヒューズボックスを収納しています。

 

 

 

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ヒューズを収めた状態。
デザイン的にも違和感はなく、ヒューズボックスとして機能もしているので、これはいいアイデアでした。
 
 
 
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バイクのメーターみたいな所にはELイルミネーションを搭載しています。
これはインバーターモジュールにて9Vを100Vに変換して使用するのですが、作業中に100Vに感電して、かなりビビりました。笑

 

 

 

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奥にあるプッシュスイッチを押すと、ランプが点灯してビープ音がなります。

 

ポテンショメータはプロップと同じものを使用。こちらもただ飾りにするのは面白くないので、実際に回すことにより、ビープ音を変えることが出来ます。
 
 
 
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この2つのスイッチにて、ギミックモード、ドップラーセンサーモード、赤外線センサーモードを選択出来ます。
スイッチのとなりにある赤色LEDが点灯している位置により、今、どのモードなのか分かる仕様です。

 

 

 

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やっとエイリアン動体探知機が完成しました!
センサーの筒部分に、プロップは ELECTRO MAGFIELD TRACE と文字が入っているのですが、それは省略しました。

 

 

 

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エイリアン2に出てくるモーショントラッカーのようにスタイリッシュではないですが、私はこのデザイン好きです。

 

 

 

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筒の先端、白い部分が赤外線センサーになります。

 

 

 

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正面右側、下から2番目の丸い部分にドップラーセンサーモジュールが仕込んであります。
ここからマイクロ波が発射され、人にあたった時に生じる周波数のズレを検出して発報します。

 

 

 

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自作したアイスキューブトレイは、このようにプロップに取りつけられていました。

言われなければ製氷皿だとは誰も思いませんが、それを聞いちゃうと、もう製氷皿にしか見えないです。不思議ですね。W

 

 

 

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後の中央付近に貼りつけているパーツはプロップだと、スピーカーグリルの切った端部分を使用していて、いかにも、ただ切ったやつ貼りつけました感が強いので、あえてデザインを変えました。

左上の四角いパーツも一つ無いですが、これも本来は付いていたと思います。ボブ・バーンズ氏のものは無いので、付けませんでした。

 

 

 

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キースイッチを回して電源を入れると、2つのインジケーターランプが点灯します。(白色と青色)

 

 

 

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ディスプレイ部分も劇中同様に画面が映ります。

 

 

 

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動体をキャッチして発報すると、こんな感じで赤色インジケーターランプとELが点灯してビープ音が鳴ります。発報すると、ディスプレイ画面上に白い点が出現するように作ってみました。

緑色に光っている所が、例の感電しながら制作したELです。当時は今と違って最先端の技術でした。

 

 

 

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動体探知機、電源オン。

 

 

 

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動体キャッチ!センサー反応!ディスプレイに白い点が出現!

 

 

 

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音と光で知らせます。

 

 

 

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13年前に制作した作品ではありますが、今、振り返ると自分でもよく作ったなぁ~と思います。笑

当時は世界でこれを製作した人は誰もいなかったですが、先日、ネットでAlien Tracking Device Alien Motion Tracker と検索してみたら、海外のエイリアン・マニアの方が同じものを製作しているのを見つけました。なんか海外にも同じ事を考えている方がいて、嬉しく思いました!

 
ただ実際に動体探知出来るギミックを組み込んで作ったのは日本人だけだと思う b
 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!