今週は、英国のコメディアン、ローワン・アトキンソン主演の映画、
ジョニー・イングリッシュ気休めの報酬のご紹介です。
ローワン・アトキソンといえば、Mr・ビーンで有名ですね。
このMrビーンは、どちらかと言えば古典的なギャグが多かったんですが、とにかく面白くて日本でも大ヒットしました。
ただし、テレビ放送された時には、日本の道徳感にそぐわない部分を、かなりカットされたようです。日本のマスコミ、お得意の自主検閲というやつですね。
さて、映画ですが、タイトルからも推測できますように「007慰めの報酬」をパロったような作品。
ローワン・アトキンソンが敏腕スパイに扮し、英中首脳会談の危機を救うというものです。
とはいえ、主演がローワン・アトキンソンでまともなスパイ映画であるはずがありません。(^^;)
予告編のキャッチフレーズ「どんな作戦もすべて不可能にする男」とありますように、目を覆いたくなるような大失敗の連続です。
これでもかというようなバカバカしさの連続ですが、いつのまにか釣られて場内は大爆笑。途中、会議の場面などは私も笑いが止まらなくなって困りました。
何者をも恐れず笑いの種にするという、こういった強力なコメディは、チャップリン、モティバイソン、そしてこのローワン・アトキンソンと続く、英国コメディの伝統なのかもしれません。
なお、このジョニーイングリッシュはシリーズとなっていて今作が第二弾。しかし、前作を観ていようが、観ていまいがそんなことはまったく関係がありません。
Mr・ビーンが好きだった人もそうでなかった人も、とにかく笑えます。
抱腹絶倒のスパイアクション・コメディ、 「ジョニーイングリッシュ・気休めの報酬」は只今全国でロードショー公開中です。
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めっちゃ君一家の避難訓練
先日、めっちゃ君ファミリーで、地震の避難訓練が行われました。
めっちゃ(中段)「とにかく揺れが収まるまでは安全な場所に隠れるように」
ウー(上段)「なるほど。しばらくは動かないことでしゅね」
もん(床)「とにかく慌てないことね」
めっちゃ「そして揺れが収まった後に避難! 脱出場所はここ」
ウー「なるほど。トイレの窓でしゅか」
めっちゃ「自分で確かめておくように」
ウー「分かりましたでしゅ!」
めっちゃ「みなさんも、それぞれ避難経路を確認しておいてね」
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一方、避難訓練なんてする必要もないクロちゃん。
私がコンピューターに向かおうとすると、エアコンから飛び降り、
さっそく邪魔しにやってきました。
チャン、チャン♪♪
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というわけで、このあたりでまたコマーシャル。
今週も記事とは関係のない小説で、
タイトルは【 花瓶の精霊 】と言って、3分程の小説です。
少しお時間のある方、ぜひ読んで言って下さいね。(^▽^)/
【 花瓶の精霊 】
「たまには、ガレージの整理でもしてちょうだい!」
せっかくの休みにレンタル・映画を観ていた俺に、台所から顔を出した妻が怒鳴った。
現在車がないので、ガレージは数年前から物置きになっている。
ついつい、家の中のいらないものを放り込む為、大変な状態になっていた。
とはいえ、俺の会社は休みが少なく、給料は安い。
上司がうるさく、仕事はクレーム処理係。
ストレスがたまるのだ。
たまの休みだから、働きたくない! と、強く拒否したかったが出来なかった。
俺はいわゆるマスオさんで、妻の命令には絶対服従だったからだ。
ブツブツ言いながらガレージに入ると、あるわあるわ・・・。
いつ買ったのか分からないグッズとか……(ちっともグッズじゃなかった)
まったく使わなかった贈答品の群れ。
粗大ゴミの回収が有料になって以来、捨てられなくなった古い電化製品や家具。
妻が女子会の旅行で、酔っぱらって買ったとみられる、土産のヘンテコ人形(多数)。
息子が組み立てられず、放置したプラモ。
ありとあらゆるガラクタが所狭しと並んでいた。
「これをどう整理しろって言うんだ?」
俺はフ~とため息をつきながらも、いちおう作業に取り掛かった。
適当に分類し、棚に並べるという単純作業だが骨が折れる。
しばらく続けていると、すっかり嫌になり、俺はその場で寝転がった。
と、ガラクタの山の中に光る物がある。
それは錫(スズ)でできた一輪ざしで、アラブの市場にでも売っていそうな代物だった。
「こんなもの、あったっけ?」
記憶をたどっても由来が分からなかった。
ともあれ、この花瓶なら骨董品屋に売ると酒代になりそうだ。
気分をよくした俺は、側にあった贈答品のタオルで、丹念に磨く事にした。
ところが・・・、あまりにも力が入りすぎたようだ。
摩擦で熱を帯びたのか、発煙筒を焚いたような煙が、花瓶からわき上がって来るではないか。
俺はびっくりしてそれをガレージの隅に放り投げてしまった。
すると・・・、
「痛い!」
ガレージの天井付近で、巨人特有の野太い声がした。
驚いて見上げると、そこに立っていたのは、まるで童話に出てくるランプの精霊だった。
「あ、あなたはどなたです?」
俺は何故日本語が通用するのかと、つまらない疑問を感じながら、精霊に尋ねてみた。
「私の名はイル・シャハーン。花瓶の精霊だ」
妙に納得のいく答えだった。
そればかりか、この精霊は俺が期待した通りの事を言ってくれたのだ。
「おまえの望みは何だ?」
それは、こういったシチュエーションではお約束の言葉だった。
「ええ~っと、粗大ゴミを無料で引き取ってもらいたい」
言ってから、しまったと思った。
よりによって千載一遇のチャンスに、こんなつまらない事を言ってしまうなんて。
俺は悔やんだが、精霊の表情は変わらなかった。
「それから?」
精霊は次の望みを待っていた。
そうかやっぱり、三つ叶えてくれるんだ。
俺は今度は慎重に言葉を選んだ。
「よ、嫁さんにもっとやさしくしてもらいたい」
言ってから俺はがっくりと首をうなだれた。
慎重に選んだつもりが、またこんなくだらない事を言ってしまったのだ。
自分に情けなさを感じながら、最後の一つはありきたりの事を言った。
「巨万の富が欲しい」
だが、精霊の表情はやっぱり変わらなかった。
「それから?」
どういうことだろう? 叶えてくれる望みは三つだけじゃないというのか。
ならば、ここは試しだ。いくつも言ってやろう。
「今の会社のトップになりたい。と、いうかもっと大きな会社の社長がいい」
「ベストセラー小説が書きたい」
「映画に主役で出てみたい。び、美人女優と共演で・・・」
それでも精霊の表情は変わらなかった。
「それから?」
こうなったら、もう遠慮はしないぞ。
「F1ドライバーになりたい」
「宇宙飛行士にもなりたい」
「エーイ、アメリカの大統領になりたい」
「世界の人々を飢えから救いたい。難病に苦しむ人の良い治療法を、この手で完成させたい。ついでに世界中の不幸なノラ猫やノラ犬を救いたい」
「誰もが幸せになれる新しい文明を築きたい。それから、それから・・・」
一時間もかけて、俺は思いつく限りの全てを言った。
「これで、全部です」
俺は息を切らせながら言葉を切った。
どうだ? このうちの一つでも(と、言っても最初の二つは別として)叶えてみろ。
俺は精霊をじっと見つめた。
「あい、わかった。おまえの望みは全て書きとめた!」
精霊は部屋を揺るがす大声でそう答えると、空気が抜けたように小さくなっていき、
人間位のサイズになって姿勢を正した。
「人は何を望むかという、アンケートにお答頂き、ありがとうございました」
精霊はペコリとお辞儀して、花瓶と共に消えて行った。
俺はポカーンとして、その場に立ちつくすのみだった。
その後、ガレージが片付いていない事を知った妻から、怒られた事は言うまでもない。
( おしまい )
どのような感想でも頂けると幸いです。