出て来ないチビポン
いつものように事務作業をしているとチビポンが机の上に乗って来ました。
キーボードが打てないので、少し左側に移動してもらうことに・・・、
このまま、そこでじっとしてくれればいいのですが・・・、
やっぱり移動してきて・・・、
ごろっと寝転がりました。
パソコンが使いづらいのでお尻をポンポンと叩くと・・・、
こんなふうによけいに潜り込んでしまいました。
おそらく、引っ張るとますます潜り込むでしょうから、あきらめて様子を見ることに・・・。
しばらく机を離れていると・・・、
ご飯を食べに降りていました。
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なぜか扇風機が大好き
なぜかこのところ、ハッチ君は扇風機の横で寝ていることが多くなりました。
力強く風を送る扇風機に頼もしさを感じているのでしょうか?
でもこの場所だと風が来ませんよね・・・。
猫の考えは分りませんが、
ハッチ君は、とにかく扇風機が大好きなようです。
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ラノベ「抗いし者」第11話
捧げもの
聖都を出て二日目、遠征軍は中央平原の町ピエストルに到着した。
ここでも御多分に漏れず通りで出迎える住民は少なかった。
ガルビエスは町で一番の「紅玉ホテル」に宿泊し、その最上階、特別室で防具を取り外した。
重厚な扉が閉まった瞬間、部屋の中は往来の喧騒から完全に切り離され、暖炉の火がパチパチと音を立て、室内を快適な空間にしていた。
室内には香料がたかれ、甘ったるい匂いが充満していた。
ガルビエスは軍服姿のまま、ゆったりとソファに腰を下ろすと、おもむろに部下に対し「町長を呼び出せ」と命じた。
半刻ほど後、急ぎ駆け付けて来た町長は、五十過ぎの小太りの男で、ガルビエスの前に立つと――、
「ようこそピエストルにおいで下さいました」
と深々と頭を下げた。
「執務が忙しかったようだな」
ガルビエスが皮肉を言うと、町長は震え上がり、
「急ぎ参ろうとしていたところで……」
と汗を拭きながら言い訳をした。
「まあいい。それよりもピエストルの住民は、我が行軍を住民たちは快く思っていないようだな」
「いえ、けっしてそのようなことは……」
声を震わせながらそう答えるのが精いっぱいだった。
「ところで、予め伝令を使わしておいたはずだが、約束の品は届いているか?」
「は、はい、閣下のご希望通りに。タウリンで捕らえた、なかなかの上物でございます。ただその……少々、気性が荒く……」
「それはかまわぬ。むしろ荒いほど美味い」
ガルビエスは口角を上げ、ニタリと笑った。
町長が合図を送ると、部下二人が重そうに荷物を運び入れて来た。
それは時折、奇妙な動きをする黒いオークの衣だった。
「中で縛り上げておりますもので、ハハッ」
「うむ。オークの衣を脱がせよ」
すると、中から二十歳前後と思われる女が姿を現した。
縄で縛りあげられた、つややかな黒髪の美女だ。
ただ従順というには程遠く、全身から敵意をみなぎらせている。
褐色がかった肌に引き締まった筋肉、そしてその瞳は猛々しい炎を宿していた。
猿ぐつわを外されると、彼女はすぐに吐き捨てるように叫んだ。
「ダルーガのクソ教徒どもめ! 私を誰だと思っているんだい!
タウリンの黒狐一族の娘。疾風のベティカだよ! てめえら全員の喉を掻き切って地獄に落としてやるから覚悟しな」
「いやはや、本当にこのような女がご所望でございますか? これはタウリンでさらって来たシーフの娘でして、人一倍気性が荒く、とても閣下に捧げられる女とは……」
だがガルビエスは興味深げに目を細めた。
「ふむ、良い声をしている。縛られていながら立場もわきまえず抵抗する瞳も美しい」
彼はゆっくりと立ち上がり、女の顎を指で掴んだ。
女は激しく顔を振り払おうとしたが、
ガルビエスの握力は強くその指を引きはがせられない。
「町長、気に入ったぞ。むしろこのくらい元気でないとな」
「は、はい。それはもう、閣下のお役に立てるなら……」
「結構」
ガルビエスは女の正面に立った。その距離は吐息が届くほど近い。
女がなおも睨みつけるが、ガルビエスは優しく、まるで恋人に語りかけるように囁いた。
「ベティカとやら、怖がらずとも良い。楽にしておれ。ただ、少しだけ、お前をいただくだけだ」
次の瞬間—— ガルビエスの口が大きく開いた。
人間のものとは思えないほど不自然に裂け、口内は虚空の穴のように暗い。
やがて女の体から、淡い金色の光が渦を巻いて溢れ出した。
それは彼女の生気、活力、記憶、感情の輝きそのものだった。
光は糸のように引き伸ばされ、ガルビエスの口へと吸い込まれていく。
「ウ、ウアアアアッ……!?」
女は目を見開き、喉を震わせ、声にならない悲鳴を上げる。
ガルビエスは目を閉じ、恍惚とした表情でそれを飲み干した。
青白かった頰に、みるみる血色が戻っていく。
落ちくぼんでいた目元が生き生きとし、唇に艶がよみがえった。
「んむ。なかなか濃厚だった。タウリンの夜を駆けていた記憶、父の顔、初めて盗んだ銀貨の感触、恋人の……ほう、恋人がいたか」
女の抵抗が徐々に弱まっていく。
瞳から光が失われ、荒々しかった息が浅く、途切れ途切れになる。
最後に、幼い頃の記憶だけが残ったような、虚ろな目になった。
ガルビエスは満足げに息を吐いた。口の端から、かすかに金色の光の残滓が零れた。
「縄を解いてやれ。この女はもう逃げん」
部下が縄を解くと、女はフラフラと立ち上がり、ガルビエスの胸に凭れかかった。
「町長、褒美を取らす。明日の朝までこの女を私の部屋に置け」
「は、ははっ……かしこまりました」
「ふふふ、『恥乱の魔女』よ、お前はどれほど楽しませてくれるだろうかな」
(おそらくあの魔女の生気は、この娘の比ではないだろう。抵抗すればするほど、情念が深ければ深いほど、私の悦びは増す……)
暖炉の火が、青白い男の笑みを赤く染め上げた。
つづく













