中国の経済状況。 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

中国の経済状況。

今年に入ってから、中国の各機関で報道されている見通しはほぼ正確でない。

例えば今年の経済成長は7%前後となっているが、

実際のところは5%すら厳しい状況だと感じる。

この報道にしても、

問題なのはメンツがあるためわざと許容範囲の発表をしているのか、

実際に7%を達成すると思っているのかが判断できないところだ。

官僚は本音と建前を知っていて、報道官は知らないで文書を読まされるだけ

という状況もありえる。

私が思うに、まずハードランディングというのはありえない。

共産主義特有の組織の構築ならびに国民の統率状況の特性と、軍の存在、

そして外貨準備の潤沢さなどがあり、欧米等の需要減から来る製造業の

減退といっても、それはゆるやかに減退していくわけで。

ただ私が現在付き合いをしている工場の回りを車で走っていても、

廃墟になった工場をかなり見ることができる。

切迫している状況ではないが、深刻な状況。これが正確な表現であろう。

1つの大きな問題は「4兆元投資」である。

これだけ莫大な投資をして市場の活性化を計ったが、

富の分配が一般国民になされることは残念ながらあまり無かった。

当時、年の半分は中国にいたが、その投資によって大規模なインフラ開発が

行われ、その大部分は失策となり、地方政府の投資ビジネスや

今流行のシャドーバンキングへとつながっていく。

役人はそれを懐に入れ、インフラ開発は食いものにされてしまった。

そしてこれを投資商品化し、それを買った人間が馬鹿を見ている。

ここでも中華思想特有の「官僚思想」がいかんなく発揮される。

下まで行く時には何も与える物は残らない。

そしてその投資もインフラにか目がいかない所も中国の問題である。

将来的に有望な技術、ソフトがほとんど存在しない中国の産業自体にも

大きな原因がある。

中国は結局、中華思想特有の「持つべき物の占有、横暴」によって

いつまでたっても構造自体の健全化がなされない。

銀行は融資はするが、さらに手形融資を強要し、

それができない人間は破錠する可能性の高いノンバンクで借りるしかない。

また「公共」という意識の薄い中国人は、政府を信用しておらず、

政府と国民に距離がありすぎる。

だから自分さえ良ければいい、という極解をしてしまい、

公共の場所でゴミを平気ですてる、排泄物を平気でする、

喧嘩、暴れるのは当たり前。そんな状況になってしまった。

そもそも政治家が選挙で選ばれたわけでもなく、ずっと特権階級の中で

生活してきた人間が多く存在するわけだから、庶民の気持ちなど

理解しなくてもいいと思うのは当然だろう。

だから鳩山由紀夫みたいな、何をしでかすか分からない、そして

首相経験者でありながら、許可すら取らず、単なる個人の意見を相手の国まで

行って意思表示をする非常識者が中国には多い。

まあ中国は軍が強すぎて、彼らはさすがに機嫌を伺って行動するわけだが。

これからの中国経済は付加価値の高い分野、成長性の望める分野などなど、

質を求めていかないといけないわけだが、いかんせんそんな分野は少なく、

マンパワーで成長してきた背景からの転換も簡単には行かない状況である。

だから安直にインフラ投資して失敗してしまう。

で、なぜインフラ投資ばかりする結果になるかというと、

それが汚職をしやすい、そして大きな金銭を抜きやすいからである。

最近地方のそこそこの大物が汚職で捕まっているが、

中央の常務委員はアンタッチャブルな存在である。

彼らが自分達で利権をむさぼりながら、それが許される状況を見ながら、

地方の官僚は、であれば私もそうしようと思ってしまう。

共産党内でも負の連鎖がある。

そして詰め腹を切らされるのは、いつの地方以下の官僚である。

習近平も「虎を打つ」といっているが、それがパフォーマンスの可能性もある。

国民のガス抜きをするために、北京の大物が生け贄にされる可能性もあるが、

それもまたパフォーマンスなのだろう。

国民が習近平という「虎を打つ」可能性だってわずかだがある。

大きく分かりやすく言うと、

「内部がひずんだまま、経済が健全に成長するわけがない」ということ。

「持てる者」は甘い汁を酸い続けることをやめない。

そして自由経済を形式だけ取り入れながら、

国民を搾取しているのが今の中国である。

私の仕事上の友人でも政府系企業の人間がいるが、

10万ほどの月給でマンションを複数所有し、いい車に乗っている人間は多い。

結局そういうこと。

かくして中国経済はゆるやかに減退する。

ミャンマーやベトナムやらと言われているが、すぐには移行できない。

工場を移転するのは簡単だが、材料や物流、そういった周辺部分まで構築されないと

なかなか完全には製造業は移転できない。もちろんそういう傾向にはなっていくの

だろうが、だからすぐに中国から製造業が衰退していくとは考えにくいのである。

個人的に言わせてもらうと、時期トップの年代あたりで、共産党は破錠すると思う。

習近平の時代では、国民はまだ我慢をするだろう。

江沢民もあと数年で死ぬだろうし、そうなれば北京の権力争いも熾烈を極めるだろう。

まあ社会主義統制国家、人権無き国家は永続しないということである。

中国の肥大化した「ひずみ」は経済が成熟した段階に置いて、

修正できないまま破滅の道を歩んでいるのである。