「RIRYC」その後。 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

「RIRYC」その後。

こういった無垢材フレームを生かした商品をデザイン中。

下はボツにしたデザインのCGイメージ。

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NATURAL, SIMPLE, MODERNなどをコンセプトとしているので、

細かいディティールにデザインの面白さを施したデザイン。

もちろん現段階ではそこまで教えられないが。

奇抜で斬新なデザインはいくらでもできるが、それだと売れる商品にならない。

デザイナーのマスターベーションで終わってしまうだけである。

私自身も今まで、それで痛い思いをさんざんしてきて学んだことである。

だから、デザインは一定の普遍性を残しディティールにこだわりや面白さを

仕込んでいくのが私のやり方である。

最近そこそこ有名なインテリアデザイナーの方が我々に家具の営業をしてきたが

お断りさせていただいた。インテリアデザイナーが手掛ける家具は

基本的に売れない。それは繊細なデザインのみが優先され、

最低限の機能を満たさないからである。さらに繊細なデザインを優先するといっても、

そのデザインはソファの基本的構造を逸脱した物になることが多い。

それが上代で100万のソファならいいのだが、10万以下の上代のソファ開発

なのにコスト意識を逸脱して自己主張されても困るわけである。

彼らは例えば座面にどのくらいの厚みがあればいいのか?

そしてフレームにどのくらいの太さがあれば、最低限の強度が保てるのかすら

理解していない方が多い。だから打合せが建設的にならない事も多々ある。

別にウレタンの比重や各種材木の強度を勉強しろと言うわけではない。

私はインテリアのデザインもたまにやるが、経験を積んで行くとある程度

分かるだろうに... 最近は知識不足のデザイナーが多すぎるように思う。

そうなった時に「だからそれを考えるのは君たちの仕事でしょ?」

という方の仕事はお断りしている。やったとしても、継続的にうまくいかないのは

明らかだから。そしてソファを購入する顧客はそのほとんどが機能を優先する。

それは座り心地であったり、自分の生活スタイルに合う機能を持ったものだったり。

ひとまず「RIRYC」では3週間で15点のソファをデザイン。

その中から経営陣の意見と商社様の意見も聞きながら、

まずは5点に絞りたいと思う。

6月の立ち上げが楽しみです。