日本の飲食業。 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

日本の飲食業。

時間に余裕があるので、またブログを更新。

ここ最近は日本の飲食産業にとても興味を持っている。

参入するとかそういった事ではない。

単純に移り変わりの激しい面白い業界だなという考察的見地からである。

この業界は本当にアイデアと創造性の宝庫である、

しかしブラック企業の烙印を押されやすい業界でもある。

市場規模の上昇が見込めないわけであるからして、

新興企業が売上を上げれば、その分割りを食う企業がでるわけである。

この業界の変容が始まったのは、飲食産業の市場規模の下降が原因であることは

間違いない。ブラック的要因を誘発している原因は厳しい競争と、

市場の供給過多で消費者の厳しい選別にさらされているため、

利益を落とさざるをえない傾向にあり、またその他の経費削減効果も限界値に

近づいているため、利益を維持するために必然的に労働時間を超過せねばらないない

現象が起こっている。経営者が従業員の主体性の低さをあげたりするが、

従業員の権利もまたあり、法律で定められた雇用規則もある。

時間あたりの利益の現象は労働時間の長時間化に直結する。

現代の飲食業はこのバランスが崩れつつあるということだろう。

さらに店舗型の業種であるということ、飲食業はその都度

オーダーをうけたり、食器の洗浄、後片付け等単純に商品を販売して終わりという

形態とは全く異なる特殊性を持っていることがあげられる。

ゆえに一旦流行ってしまえば、その利益はかなり高いものとなるが、

開店時間と席数という縛りがあるため、一定以上の利益を超えることはない。

そのため企業としては他店舗展開が必須となる。

また店舗という現場での商行為で完結されることと、基本が対人サービスであるため

人間関係が構築されやすく、そこでの問題も起こりやすくもある。

現場力が有用な業態なので、中高価格帯の業態においては

人的資源の確保もまた最重要である。

料理の業態で言うとほぼすべて出尽くしているため、そこから+αのアイデアが

今では必要になっている。それは価格の優位性なのかサービスの優位性なのか、

味の優位性なのか、立地の優位性なのか、などなど。

その中で消費者に選別されることになる。

価格の優位性であれば、資本主義経済のセオリーに乗っ取って考えると、

スケールメリットということになる。味の優位性は高級店と比例するが、

個人店にも多く見受けられる。サービスの優位性は高級店にほぼ限られるだろう。

立地の優位性は駅の近くや人間の往来の多い地域となる。

食というものにはトレンドがあり、最近は商品の解釈を狭義に絞って

品質を高める傾向にある。例えば食材で見れば「比内地鶏」などの特産品を打ち出したり、

メニューで見れば、メニュー数を絞って、1品1品のクオリティをあげるなど。

しかし飲食業の難しいところは規模と品質が比例しないことである。

飲食業は「完成品」を仕入れることはできない。

「食材を調理した料理」を出すわけであるからして、複数の店舗を展開するほど

品質のブレがでる確立が高くなる。よってそういった部分の管理は最重要である。

ただ「食材を調理した料理」は個性が著しく反映される点は、アイデアと創造性1つで

資本がなくとも、十分にビジネスができる点はメリットであるといえる。

品質の安定という点に関してはセントラルキッチンの設置などにより解決できるが、

そこでは本当に美味しい味はつくれないという矛盾も存在する。

本物の味は素材と手間ひまのかかった仕事であり、効率化のみを目指した

オートメーションでは普遍的な味以上のものはつくれない。

またこれだけの飲食店が点在する状況ができあがり、以前にはなかった「低価格、高品質」

な商品も増えている。こういう状況下では、同じ業態で長期間継続することが

難しくなっている。ラーメンという業種では以前の有名店があっさり潰れたりといった

現象が顕著に見て取れる。

あと料理という商品は視覚に訴える要素が強いため、広告的な営業効果も大きいだろう。

しかし過剰になってしまうと逆効果になりかねない。

形態は異なるがNOVA的な手法は最終的には破滅する。

色々と書いてみたが、結局のところは単純でそれぞれ個人の価値観で

他と比べて何かが秀でていれば客が集まるお店になるんだろうと思う。

今の飲食業の経営者にはその先が見えるか見えないかの感覚の勝負になるんだろう。

それをビジネスとして構築し、レールの上に乗せられる人が勝者になるだろう。

飲食業においては価値と規模は反比例する。規模を拡大する際、それをどう

補うかがポイントとなってくるだろう。

あと自身が料理人でない経営者のお店はそうしても、規模と売上を重視するあまり

短期的な着地点で終わってしまう傾向にある。

企業=商売なのだから、とても重要なことなのであるが、

飲食店は単なる商品以上の価値を時として持ち得ることができるという点で

付加価値性の高い企業である事に気づく経営者は以外と少ない。

単純に数字だけを追うと、失う物は大きくなる。その価値はお金を落とす客によって

つくられていくわけであるから、企業の思惑と客の思いのギャップが大きいほど、

破錠は早まることとなる。

かくいう私はどういう食生活をしているかと言うと、

日本にいる際は基本は自宅で野菜中心の生活である。30までは外食も多かったが、

健康に関して色々とと知識を身につけるうちに、こうなった。

また外食の場合は、すでに食事をする方も決まって来ているせいか、

千葉県民なのに、場所はなぜか赤羽で、数件にしか行かない。

まずは◯◯。ここは制約が多いお店だが、信じられないくらいの価格と味である。

電話もない、予約もできない、店内にエアコンも無い。ルールに従う。

3年前にT社長に教えていただいてい依頼、お供しているお店である。

次は焼鳥のけむり。◯◯で隣にいた人と仲良くなり、その方がけむりの

社長さんということで、たまに顔を出している。石垣島生まれの店長小濱さんと

スキンヘッドの荒井さんの顔を見に行くためでもあるかな。

もう1つは赤バル。手軽にピザを食べるならここ。それくらいかな...

チェーン店にはあまり行かないし、ここ数年は制約はあるが、それを補う

優位性のあるお店にいく傾向があるかも。

全品280円などのチェーン居酒屋が流行っているが、こういったたぐいのは

まずくて食べれない。これだったら自宅で自分でつくったほうがマシ。

最近は低価格を重要視するあまり、本来あるべきそのものの料理をもはや

逸脱しているレベルのものも見受けられる。こいうったことを平気でやる企業は

長期的に生き残ることはできないだろう。

こうやってまあ紹介してみると少ないが、業界が混沌としている反面、

歳を取って健康を考慮すると、それ自体が刹那的に見えてしまうこともある。

去年も伸びた新興飲食企業はいくつかあったが、彼らが3,4年後に成長を継続

できているかは私の興味深い関心事の1つである。