終わり。 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

終わり。

私も衣服が好きでアパレル業界にも知人が多い。

そして日本に戻った時に彼らと会うと、皆一様に業界の不況をなげいている。

これだけ経済が成熟してさらに成熟後の衰退に向かう中、

業界の構造の変化が起こっているように感じる。

昔はいくつかの流行があった(もちろん今もある)。

そしてその流行の中にはデザイナーのマスターベーションのみによる

商品が作られ、メディアの洗脳によって消費者は半ば盲目的に商品を購入していた。

彼らはそのブランドのロゴが入っていればいいと、

そのブランドの服を着ていることで自己表現できると、

そう思い込んでいたに違いない。

そしてその中にはかなり高額な商品もあった。

その商品は高額なだけでなく、粗利が9割近い商品もある。

私にもそのような友人がいたりして、傍観していたものだが、

このような経済状況になってくると、そのビジネスモデルも破錠することになる。

未だにデザイナーがこだわって作成した服を売ってはいるが、

本物でないと受け入れられないだろう。

私もCASEY VIDALENCだったりPAUL HARNDENだったりの服を大事に

着ているが、現代服飾に関してはほぼ歴史がないと言っていい日本では、

やはり厳しいのではと思う。

物事を想像することは素晴らしいことだとは思うが、

時々出会う人に、自分が個性を想像していることに自己満足することで

現実逃避している、ような方も見かける。

ビジネスであれば極端な話、商売なわけでクライアントは常に客観である。

彼の想像は主体の押し売りに他ならないわけで...

私もデザインという仕事に関わっているわけで、この部分は本当に難しい問題。

ただね、バランス感覚は必要です、絶対に。

30%の自己主張、70%の普遍性。

こんなところかな...