最近の話題。 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

最近の話題。

最近、会食の席での話題はもっぱら今後の

上海における市場考察と未来展望の話。

世界的な不況の流れは多かれ少なかれどの国も

受けており、外需に頼ってきた側面の強い中国も

その1つ。日系企業における日本と中国の関係においても、

中国現地法人の規模縮小や撤退の流れが大きく始まっている。

もちろん、その理由も千差万別。

売上の減少や、工場の規模縮小、それらの撤退などといった理由から、

中国特有のトラブル(いわゆるチャイナリスク)で仕方なく

撤退するなど。

ただ意見が一致するのは、国が内需拡大ならびに刺激策に舵取りを

する方向に入りつつあるなか、それに合わせた展開を考えていかないと

いけないということ。

大手企業はその規模とスタンスから、その方向性が決められてしまい

うまくいかないのかも知れませんが、私たちのような小規模な組織の

場合、柔軟な発想を持たないと立ち回れない。

そもそも私には、いくら上海には日本人が多いとはいえ、なぜみんな

13億人もいる中国人をビジネスのターゲットにしないのかと思っていた。

もちろん、給与格差は文化の相違はあるのだが、始めて3年前に上海に

来たとき、こういった類の話をして周りとの思考の相違に違和感を

覚えたのは記憶に新しい。もちろん、まわりすべてではなく私と同じ意見を

ずっと言い続けている方もいました。そのへんは誤解のないように。

ただ、それから数年が経過し大都市における日本人と中国人の思考に

あまり差が見られなくなったこと、富裕層において給与の格差が

なくなりつつあること(一部の富裕層は今の日本人富裕層を

はるかに上回る資産を持ってます)、

外来文化物質(車、衣服、食事、生活用品など)の流入を享受し、その知識を

獲得し個人のライフスタイルを確立しつつあること、これらの要因から

日本人に向けてのみのビジネスに必然性が無くなってきたことも事実であり、

上記の原因から上海から減りつつある日本人、要は縮小するマーケット

だけを相手にしてビジネスをするのも、もはや得策とは言えません。

とはいえ、一概に内需拡大とはいっても、企業対企業という形はなかなか

難しいのも事実。お互いの取引形態や支払いの問題など、日本では問題に

ならないような事が問題になったりするのです。

となると、やはり近道は対消費者(エンドユーザー)

ということになるのでしょう。

例えば飲食店や物販店舗、各種サロンなど。

構えた空間(商行為を行う店舗)において商品(食事、衣服、各種サービス行為)

との交換を行い金銭を得ること。

もちろん、中国人スタッフの管理や教育の問題もありますし、飲食なら食材の

問題等、色々とでてきます。

しかし商行為を行う空間において商品と金銭を交換し、そこで完結するという

ビジネススタイルは少なくとも売掛金を回収するというリスクを回避

できるだけでも、こちらではかなりのリスクヘッジになります。

中国では売掛金回収の部署を置いてる企業もあるくらいですから。

ただ、もちろんこれは比較論であって、一番重要なのは市場を良く見極め

ビジネススキームを構築し、チャイナリスクを良く認識したうえで、

過剰な投資をせず少しずつ規模を拡大していくのがベストかと。

もちろん簡単な事ではないのですが。

ですので、事業に失敗した方が原因を中国特有の事情、もしくは中国人

のせいにするのは言語道断です。中国でビジネスするわけですから。

インテリアデザイナーである私がなぜ、こんなことを考えているのかと言うと

小規模、もしくは個人で何かの技術を持って収入を得ていたとしても、

これからの時代は少なからず営業としての側面も持っていないと厳しい

と思ってます。要するに単なる技術とお金の交換でなはく、

そのクライアントに対し、その技術の市場での有効性をアピールする

必要があるのです。

例えばデザイナーなら、大衆性のある業態なら市場に適したデザインを構築

できるか、趣向品を取り扱う業態であれば、消費者の思考の上をいく

デザインをし、パッケージとして消費者を啓蒙し市場を開拓できるか、です。

簡単な説明ですが。

さらに、今はそこに+αがないといけません。

技術職でありながら、経営者であれということですね。

となると市場の考察や異業種の方との情報交換が重要になってくるわけです。

彼らからは私の仕事にもつながる大きなヒントがたまにでてきます。

生活におけるさまざまな局面で思うちょっとした事が重要だったりします。

常に感受性を高めること、とても大切です。