中国の影 | とあるインテリア・家具デザイナーのブログ

中国の影

私は今肩と首のコリがひどくマッサージによく行く。

いつも行くのは家の近くで、足1時間60元、

全身1時間70元だから、しめて計2時間で130元。

1元15円計算で1950円。

日本の標準価格からすると安いですよね。

物価格差を考慮しても安いのかなと。

しかし、いつもマッサージに行って思うことがある。

マッサージ師は半分以上が女性、残りが男性。

年齢は20代前半がほとんどで

上海以外の人、いわゆる外地人がほとんどを占めます。

私が思うのは彼らの生活。

お店が借りたマンションで1つの部屋に4人くらいが寝ていて

1戸のマンションで15人くらい暮らしていたりする。

中には30歳の女性で子供が2人いて、旦那と子供を田舎に

のこして出稼ぎにでている女性もいる。

中国一物価の高い上海にでてくると、田舎にいるよりは

お金をかせげるけど、上海人ほどの福利厚生がなかったりする。

会話していて冗談を言って笑っていても、どこか影のある子もいる。

おそらく上海でもぎりぎりの生活をして、実家の親や親戚に

残りのお金を送っているのだろう。

田舎の子には本当に純粋で気の良い子がいっぱいいる。

何かを与えるとお金が無くても気持ちで返してくれる。

逆に上海人は現実的。お金しか見ていない人間は多い。

13億人の人口をかかえる中国では、管轄する市や省ごとに規制を

かけないといけないのは分かるが、それがさらに貧富の差を

生んでいる気がする。

高度成長経済の途中ではあると思うのだが、

富める者がさらに富む、貧しい者がさらに貧しくなる。

この現象は否定できない。

もちろん世界的に例を見ない特殊な統治体系も原因。

権力と汚職がそれに拍車をかける。

この前のマッサージ師。30歳で子供が3人の女性、子供と夫は

田舎で仕送りを待っている。顔に覇気が無い。

この子を見て、お店を出てから泣きそうになった。

農家や出稼ぎ労働者など、中国の経済成長の恩恵を受けず、

逆に安価な労働者として利用された人達。

今、私ができるのは彼ら、彼女らの話を聞くくらい。

底辺の人達の生活の向上、切に願ってます、本当に。