わかってほしいなんて言わない。
だってわかってもらえるはずがない。
あの一瞬が
どれだけ怖くてどれだけ泣きたいか。
どれだけ叫んでいるかなんて。
歌いながら
一点を見つめて
裂ける感触に安堵して眉をしかめて。
一瞬だけ満たされて、空っぽになる。
空っぽになるのを知っていながら
それでもすがってしまう。
これしか知らない。
消毒もせず
大きなガーゼを雑に貼るだけでは
傷は綺麗に塞がらず、
痕になってくっつこうとした肉が盛り上がる
どんどん汚くなる腕
直後はじくじく痛む腕
そしてうずいてかゆい腕。
しねよ、と
心のなかで呟いたとき
いつも一番深い傷になる
しねよ、と思ったぶんだけ
残る傷跡。
こんな、普通じゃないこと
わからなくていい
何もわからなくていいから
笑っててよ。