どうも、ねへほもんです。

基本的に紙かゲームの話ばかりですが、普段と違う話題を。

少し仕事に余裕が出来たので、今日は午後に休暇を取って、

 

裁判傍聴

 

に行ってきました。

 

 

1.きっかけ

 

特に仕事に関係ないし、裁判関係者という訳でもなく、単純に個人的な興味で傍聴してきました。

きっかけは大したことが無いですが、YouTubeの動画を漁っていたら、裁判傍聴に関するスレまとめが流れてきて、「1回くらい行ってみたいなぁ」と思っただけです。

 

後は、昔エンタの神様で「阿曾山大噴火」さんのネタを見て、法廷って堅いイメージだったけど案外見応えがあるんだなぁとか、今年Steamのサマーセールで逆転裁判の4~6のセットを買ってプレイして、1~6まで制覇したので生の現場にうっすら興味あったとか、元々興味があったのも事実です。

 

よく国民は政治に無関心だと言われますが、そうはいってもニュース番組からはどういう政策決定があった、法案が通った、議員不祥事があったかといったニュースは把握できますし、本当に大きなニュースならSNSのトレンドで流れてきます。

それと比べると、同じ三権分立の一角である司法は日頃触れる機会が少ないです。衆議院選挙で最高裁判所の裁判官の国民審査が行われますが、正直名前を見ても誰も分かりません。これは昔社会科の授業か何かで聞いた記憶がある話ですが、名簿欄の端っこをテキトーに×にする人が居るせいで、名簿の端っこに追いやられたくないという逸話があるような無いような。

 

国民が目を光らせて司法の暴走を止めるという趣旨で、日本国憲法で裁判は公開で行うことが定められていることを考えると、単なる興味本位でも傍聴すること自体に意義はあるのかなと思います。

30過ぎると会社の飲み会の話題が家族とかになって、ぼっちオタク勢には居づらい場となるので、こういう知的なネタを持っておくのも悪くないでしょう。

と、お堅い話になってしまいましたが、実際の体験記に移りましょう。

 

 

2.傍聴の手引

 

やっぱり公式サイトを見るのが一番。

 

見学・傍聴案内 傍聴の手引 | 裁判所 (courts.go.jp)

 

裁判公開の原則があるためか、事前に申し込みせずとも、フラっと法廷に入れば傍聴することができます。

有名人が絡む等で注目度の大きい裁判だと傍聴券の抽選がありますが、そんな裁判は稀なので基本入場自由です。

 

自分の氏名を1度くらい書くのかな~と思っていたら、それすらも不要でした。

ただ、司法関係の施設だと、物騒な危険物を持ち込まれる危険があるため、入口で荷物検査と金属探知機による検査が行われました。飛行機への搭乗前のチェックみたいな感じです。

 

僕が行ったのは霞ヶ関の裁判所ですが、そこでは荷物検査が終わって入場した後、1階ロビーにタブレット端末が10個ほど置かれており、その日に行われる裁判の予定を確認できました。

 

・14時開始

・高裁

・民事裁判

 

のような感じで、条件を付けて絞り込めます。

 

なお、霞ヶ関の裁判所は高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所が同じ建物の中に併存しています。

折角だし色々確認したいと思い、高裁の刑事裁判とか、地裁の民事裁判とか、色々なパターンを確認しました。

 

タブレットで傍聴したい裁判を確認した後は、所定時間までにその裁判が行われる法廷へ行き、傍聴席に座って待ちましょう。

数多くの法廷が存在するので、「次は531法廷だ・・・」とか、大学の講義間の教室移動の気分で部屋を移動しまくりました。

 

 

3.傍聴した感想

 

特にランキング形式にする必要は無いですが、個人的な好みで良かった点、がっかりした点のベスト3を発表します。

 

(がっかりした点)

 

第3位「事前にどんな裁判か分からない」

 

タブレットで開かれる裁判を確認できると言っても、刑事民事の区分とか、初回弁論なのか判決を下す回なのかとか、何罪に問われているのかといった基礎的な情報しか把握できません。

↓は傍聴券の交付情報ですが、コレと同程度の情報しか得られず、どんな事件か全く想像が付きません。

 

傍聴券交付情報 | 裁判所 - Courts in Japan

 

僕は今日の午後だけで10件の裁判を傍聴したのですが、件数が多いと思うじゃないですか?

過払い金請求っぽい案件で弁護士と裁判官が軽く喋って済ませ、「次何月何日にしましょう?」って日程調整がメインとしか思えない形式的な裁判が多く、数分で退出して他の法廷にハシゴした裁判が多かったせいです。

 

慣れないうちは、原告と被告、後は弁護士が向かい合って座って、奥には裁判官が居て、時々証言台で人が証言して・・・という

普通にイメージするような法廷にすら辿りつけないです。

事件が興味を持てる内容かどうか以前です。「異議あり!」なんて叫ぶ訳ないのは知っていますが、原告と被告、検事と弁護士がそれぞれの見解を議論し合うような場ではあってほしいですよね。

 

 

第2位「裁判がすぐ終わる」

 

形式的に数分で退出する裁判はともかくとして、弁護側が主張を持つような裁判でも、「あれっ、もう終わり?」となることが多かったです。

検事が冒頭弁論で事件の概要を説明して、被告人に起訴の内容を認めるかを質問して、反論があれば弁護側が争点にしたいポイントを挙げて、ようやく議論が始まりそうってなったところで、

 

「検察側・弁護側からこんな証拠を提出します。見ておいてくださいね~。じゃ、終わり!」

 

って傍聴人からはよく分からない「続きはCMのあと」みたいな締め方をされることがしばしば。

判決まで複数回に分けて裁判が開かれ、何か月も要するのは慎重な議論のためには仕方がないのでしょうが、1回の傍聴で事件の概要、裁判の議論の過程、判決まで全て把握できないのはもどかしく感じました。

 

 

第1位「木槌が無い」

 

逆転裁判で「静粛に静粛に!!!」ってカンカン叩かれていた木槌の音を1回も聞けませんでした。

楽しみにしてたのになぁ・・・

 

 

(良かった点)

 

第3位 「慣れるとコツを掴んだ気分になれる」

 

最初は数分で閉廷して困惑するばかりでしたが、タブレットの公判情報だけでもある程度見応えのある裁判の傾向が掴めてきて、徐々に本格的な雰囲気を感じられるようになりました。

個人的なポイントとしては、

 

・地方裁判所

・第1回公判

・広い法廷

・長時間

 

の4点が重要かと思います。

地方裁判所という点については、高等裁判所だと1審を終えて控訴された後なので、どうしても1審の内容を前提として、そこから控訴に至った経緯や、1審とは違う新事実が議論の中心となりがちで、初見では理解しづらいです。

誰の体験談とは言いませんが、初めて遊んだ軌跡シリーズが閃の軌跡Ⅳだと登場人物が多すぎて分からなくなるようなものです。

 

第1回公判というのも同様で、やはり冒頭で事件の概要の説明があり、弁護側が争点としたいポイント(事実自体を否定するのか、事実は認めるが執行猶予等の量刑を争うのか)が分かった方が、議論の内容が頭に入ってきやすいです。

後は、広い法廷で十分な時間が確保されている裁判だと、実質的な議論がありそうだなというヒントになります。

 

 

第2位「起立と礼がある」

 

木槌が聞けないのは残念でしたが、代わりに起立と礼があるのは驚きでした。

刑事裁判なら、最初に弁護人・警察に連れられた被告人・検察が入室し、開廷時間になると裁判官が入室するのですが、その瞬間に傍聴人を含めた全員が起立・礼をしてから裁判が始まります。

 

なんか傍聴人も含め、一体となって裁判に参加できた気分になれて良かったです。

高校の授業以来かな・・・?

 

 

第1位「裁判の雰囲気が感じられる」

 

やはりコレが一番でしょう。

消化不良で終わる裁判もありましたが、時折事前のイメージと合致するシーンがあると、おおっ!って気分になりました。

 

・裁判所のレイアウト:傍聴席、被告席、弁護席、証言台、裁判官という、逆転裁判で見る感じの並び

・黙秘権の説明:裁判官から被告人に、黙秘権がありますという説明から始まる

・偽証罪の説明:証人が証言台に立つときに、嘘をつくと偽証罪になるという説明がある

・判決の読み上げ:「主文:控訴を棄却する」「判決理由:〇〇」の順序で、判決文ってこう読み上げるイメージだよな~という流れで進んだ時

 

あとは、バチバチの法廷バトルではないにしても、時々厳しい質問や主張が入ると背筋がピンと伸びました。

検察側から、「〇月〇日は何をしましたか?現場には行きましたか?」というアリバイ確認のような質問があったり、別の事件の弁護側から、「同意があったものと主張します」と、起訴事由である「不同意性交」に真っ向から挑戦状を叩き付けた時は裁判の意義を感じました。

 

阿曾山大噴火さんみたいにネタに仕上げるには、深い議論が行われそうな裁判を見極め、第1回公判から判決まで何度も足しげく通う必要があって大変そうだとは思いますが、一度軽く傍聴するだけでも法廷の雰囲気が分かって良いのではと思います。

初回だと不慣れで満足に傍聴しきれなかったので、また平日休みが取れる機会があれば傍聴してみたいです。

 

ちょっと非日常的な体験をしたい、変わった飲み会の話題を仕入れたいという方は行ってみてはいかがでしょうか?

では(^^)/