どうも、ねへほもんです。
最近涼しくなったのか、「芸術の秋」らしく、イラスト制作に精が出ます。
AIイラストが発展したのはここ1年に過ぎないのに、調べるとまだまだ知らないテクニックが存在していて、どこまでも奥が深いと感じます。
今日扱うのは、
Flat
というLoRAです。
某カードショップ系YouTuberの方とは全く関係ないのであしからず。
1.Flatじゃないから立体的
僕は今までキャラLoRAのみを自作してイラスト生成にしようしてきましたが、LoRAはキャラだけでなく、色々な表現を再現させることができます。
その中の1つがFlatで、使うと平面感を出せますが、本来の使い方はそれではありません。
通常LoRAは強度1で適用させますが、あえて強度をマイナス1にすることで立体感を演出することができます。
平面じゃない、つまり立体的ということです。
絵でどうやって立体感を出すのかというのは説明が難しいですが、色々複雑に描き込んで絵の表現を豊かにしつつ、見た目は立体的に見えるという結果が得られます。
ネガティブプロンプトを指定しまくって絵を綺麗にする技法もそうですが、このAIイラストの世界には逆転の発想というのが随所で見られますね。
よくそんな発想が思いつくなと感心させられます。
今日はそのFlatの活用例をご紹介します。
まずこちらは去年NovelAIで作成した1枚です。
鏡の中から女の子が飛び出してくるという構図で、絵はしょぼいながら発想的には気に入っていました。
立体感を扱うLoRAと聞けば、この1枚をアップグレードしたいなと思ったので、プロンプトはこちらから転用しました。
2.Flat活用例
Flat適用前のベースのイラストで、こちらのシード値を固定して比較します。
あくまで比較用なので、色々ぐちゃぐちゃなのは無視してください。
ここから色々描き込まれ、いかに精緻かつ立体的に見えるかをご覧ください。
とその前に、まずはFlatを1倍で適用した場合をお見せします。
"appearing from mirror"というプロンプトを入れ、画面から出てきてくれ~感を出したので、今までの絵でも若干立体的には見えていましたが、ここまで来ると平面です。
シンプルで可愛く描きたい時はFlat1倍というのもアリかもしれませんね。
で、次が本番、Flatマイナス1倍適用の場合です。
わぁ凄い。
衣装の描き込みが細かく、芸術点では過去最高レベルだと思います。
普段ましろちゃんを中心としたキャラLoRAを扱っていますが、キャラLoRAを使うとキャラの再現に精力を割かれるのと、イラストガチャの厳選でもキャラの再現度という評価項目が重視されるせいで、どうしても芸術性の優先度が落ちてしまいます。
色々学んだ後に本気で芸術的な演出に挑んでみると気づきがあるものですね。
大リーグ養成ギプスを外したような気分ですw
さて、今回はもう1つの要素も試しました。
「After Detailer」という拡張機能で、顔や手の描写を補正できるものです。
今回のように手を差し出す描写があると誤魔化しが効かないので、こういう補正ツールも有用かと思い試してみました。
改めて、こちらが補正前のイラストです。
で、ここにAfter Detailerを適用させるとどうなるかというと・・・
AIイラストを扱う上で、形が崩れて幾度となく泣かされた手ですが、正直思ったほどの効果は得られませんでした。
それどころか、画面右側の建物が歪んでいます。
解説サイトを見ても、After Detailerは手より顔が中心と言われていますし、手は常に補正するというよりは、崩れた時に適用すればワンチャン立て直せるかも位の認識で良いのでしょう。
それよりも大きく変化したのが顔です。
目がぱっちりして、鼻は立体的になり、唇が描かれています。
こちらの変化については・・・
綺麗だけど可愛くない
と感じました。
僕のような2次元の住人にとって、3次元的な表現は違和感しかないです。
実写風のイラストには適するのでしょうが、2次元、特に僕のような評価軸を可愛いに全振りした人間にはあまり合わない機能だなと感じました。
ちなみに、After Detailerは手だけとか顔だけに適用することもできます。
こちらは顔だけに適用したバージョンで、画面右側の背景が歪まずに残っています。
では最後に、僕が最も気に入った1枚をご紹介して締めさせていただきます。
手は指5本で大崩れなく描写でき、背景には魔法的な世界感のある建物が見え、色々ガチャった中では満足の完成度でした。
納得した仕上がりの絵を4枚Pixivにアップしたのですが、これだけはFlatの適用倍率を-1.1に調整しています。
僕のAIイラストの生成手順は、「初期値を設定してGenerate foreverで放置」→「自動生成された数百枚の絵の中から気に入った数枚をチョイス」→「それぞれのパラメータを細かく調整して完成」という手順なのですが、今回は通常のパラメータに加えてFlatの適用倍率までいじる必要がありました。
膨大なパターンを出力させるので大変でした・・・
まぁ、仕上がり良好なら全てヨシということで。
という訳で今回はFlatのご紹介でした。
キャラLoRA以外を扱うのは初めてだったのですが、今まで取り組まなかったのはLoRAは「混ぜるな危険」だからです。
本当は左にキュアスカイ、右にキュアプリズムみたいなイラストを生成したいのですが、過去にRegional prompterという機能を使って領域を区切ってLoRAを適用しようと試みたら失敗したので、以来LoRAは1イラストに1個までと自己規制を敷いていました。
が、時代が進んで情報源が増え、単なる拡張機能の使い方だけでなく、実例やコツまで動画で学べるようになった今、キャラ以外のLoRAにも挑戦しようと思えるようになりました。
まず手始めにキャラLoRA+Flat等の表現系のLoRA、そして最終的にはプリキュア全員集合を目指したいです。
では(^^)/