私は今、バンクーバーに来ている。
そこで、我々の生態を説明する、画期的な理論を編み出した。
その名も・・・
陰キャ理論
だ!
どんな理論か分からないって?
説明しよう!!!
1.陰キャ理論とは?
「人は何故、性格の明るい人と暗い人に分かれるのか?」
「一見根暗な陰キャと思われるオタクが、自分の興味ある話題では活力を発揮するのか?」
「明るいと思われた性格の人が、時として鬱になるのは何故か?」
以上の事象は、現実に発生していることだが、理由を理論立てて説明するのは難しいと思われる。私自身、単なる例外的な事象としか捉えていなかった。
だが、「陰キャ理論」を用いれば、全て説明することができる!
では、本題に入ろう。
「陰キャ理論」とは、
「人は陽気と陰気を併せ持って生まれ、生まれた後の経験によって、陽気・陰気が変動する。そして、陽気>陰気ならば陽キャラ、陽気<陰気ならば陰キャラになる」
というものだ。
理論には専門用語がつきものだ。まずは用語を定義せねばなるまい。
・陽キャラ
「陽」は太陽、すなわち周りに光を放つ存在であることを表す。
陽キャラとは、周囲の人々に対し、明るい態度で接し、積極的に触れ合う者を言う。
また、明るい態度で振る舞い、周囲と積極的に触れ合うことを促進するエネルギーを、陽気と言う。
・陰キャラ
「陰」とは文字通り、陰のように光を閉じ込める存在であることを表す。
陰キャラとは、周囲と積極的に触れ合おうとせず、自分の世界に閉じこもる者を言う。
また、自分の世界に閉じこもろうとするエネルギーを、陰気と言う。
ここで勘違いしてはならないのは、「陰キャラ≠活力を持たない者」ということだ。
陰キャラも「陰気」というエネルギーを有しており、自分の世界の中では活動することができる。
もう1つ、重要な事実が存在し合う。
「陽気と陰気は打ち消し合う」
「陽気同士、陰気同士は引き合う」
例えば、陽キャラと陰キャラが接すると、陽キャラは「こいつノリが悪いな・・・」と感じて活力が低下する一方で、陰キャラは「こいつウザいな・・・」と感じて活力が低下する。
陰キャラも活力ゼロという訳ではありませんが、基本的に持つ活力は、陽キャラ>陰キャラとなる傾向があり、陽キャラと陰キャラが接すると、陰キャラの方が先に活力が尽きてしまうのだ。
2.陰キャが生まれるメカニズム
用語を定義したところで、陰キャが生まれる流れを見ていこう。
幼少期から、人は陽気と陰気を併せ持つ。
陽気を持つのは明らかで、活発に走り回り、好き放題に喋り、時には泣きわめいたりと、積極的に行動を起こす。一方で、新しい物事に出会って夢中になり、自分の世界に閉じこもる瞬間もあり、陰気の要素も持っている。
幼少期では、通常陽気>陰気となる。
成長するにつれ、人は多様な経験をする。
学校の集団行事に参加し、楽しいと思えばもっと積極的に参加したいと思い、陽気が加算される。
いじめられたり、からかわれたりすると、他者を遠ざけたいと感じ、陰気が加算される。
また、勉強は1人で机に向かう行為であるため、勉強を多くする子は、陰気が多く加算される。
学生時代の経験は多彩で、陽気>陰気を維持したまま大人になる人、陰気が多く加算され、陰気が陽気を上回る人など様々だ。陰気が陽気を上回る直前、陰気=陽気となり、活力がゼロになる瞬間が存在する。
この状態が、陰キャ理論における「鬱状態」なのである。
では、ここで冒頭の疑問に答えよう。
「明るいと思われた性格の人が、時として鬱になるのは何故か?」
明るい性格の人は、基本的には陽気>陰気の状態を保っている。この状態では、色々な人と交流し、色々な体験をする。関わる人が多ければ、嬉しい体験をする頻度が多い一方、他者との関係がこじれるなど、辛い体験をする頻度も多い。
非常に辛い体験をすると、陰気が溜まり、陽気=陰気の鬱状態になることもある。
鬱状態になった人のその後の展開は以下の3通りに分かれる。
①時間の経過と共に鬱状態となった要因が解消され、再び陽気が貯まり始め、陽キャラに復帰する
②陽キャラに戻らないといけないと思い、無理やり陽気を出す一方で、無理が祟り、嫌な思いをして陰気も貯まってしまい、陽気=陰気の鬱状態から抜け出せない
③陰キャラになる
「時が解決する」という楽観的な思考ができれば良いが、真面目な性格の人ほど、「あの人との中がこじれたのならば、頑張って修復しなければならない」と思い込む傾向にある。陽気な性格に戻そうとしても、無理が出て上手くいかないことが殆どだ。すると結局陰気に戻ってしまい、鬱状態から抜け出せない。
では、私の場合はどうだったか?
お分かりだろうが、③の陰キャラになったのだ。
では、最後に私の体験談をお話ししよう。
3.筆者の体験談
私は元々テレビゲームや将棋が好きな子供で、陰気が強い傾向があった。大学受験を終えた時、既に陰気が上回っていたと言えよう。大学へ入学した時、内気な自分を自覚していたから、いわゆる「大学デビュー」をしようと、最初の1ヶ月は色々なサークルを回ったり、友達を求めて積極的に話しかけたりした。
だが、できなかった。
性格的に無理があった上に、金が無かった。周りは裕福な家庭が多い一方で、自分は日々の生活費を自分で稼ぐ必要があった。「こんなつまらん飲み会のために、自分の生活費が消えていくのか?」と思うと、ストレスが溜まるようになっていった。
一瞬陽気>陰気となったように思われたが、鬱状態に陥った。
鬱状態と言っても、気分が塞ぐ程度のことで、家から出られないとか、そこまで深刻な状態ではなかったが。
ふとある時、古本屋で遊戯王のカードセットが中古販売されているのを見かけた。見かけたカード自体に意味は無かったが、遊戯王というゲームが、中学の時から大きく変わり、シンクロ・エクシーズと新たな召喚形態が追加されたことを知った。すぐに夢中になり、カードショップへ通うようになった。後にCSへ出るようになり、少し結果が残せた辺りでウィクロスが発売された。後はカードゲームにのめり込む一方。また、アニメ視聴の方面でも、少し観る程度だったのが、「天使の3P!」を機に観る本数が増えていった。
今では大量の陰気を溜め込み、陰気を活力に生活する、一人前の陰キャとなった。
思い返すと、大学1年や、就職活動、新社会人の頃が最も気分が塞いでいたように思う。
陽キャラとして振る舞うことが求められ、無理をした代償として、心を病んでいたのだろう。
働きだすと仕事の疲れが加わった。ウィクロスに勝てる時期は、勝利の喜びが心を癒やしてくれたが、負けが込むと気分が塞ぐ一方であった。
だが、3P!との出会いが世界を変えた。
癒やしだけが存在する世界。
全てを忘れて自分をリセットできる。
周りから気味悪がられようと構わない、自分だけの理想郷がそこにはあった。
間違いなく言えることは、陰キャ度が増す程に、人生の幸福度も増した。
陰気も活力だ。多い方が活発になれる。
陰キャは加速する一方だった。
今年はわたてんに癒やしを求める日々。
おいおいおいwwwwww
陰キャ街道まっしぐらで走り続けてきた自分が、遠い異郷の地で、パリピな日本人を凌駕する陽キャと出会い、改めて陰キャであることを自覚したことで、この理論に行き着いたのだろう。
わたてんという心の支えを失ったことは痛手だが、日本に帰るその日まで、陰キャとしての本分を見失わず、異郷の地でも自分らしく生きていけることを証明したい。