今日は春分の日ですが、東京はまさかの雪でしたね。

引きこもり安定と行きたいところでしたが、クリーニングの回収なりなんなりで、外を歩き回って体が冷え冷えです・・・

 

1.人「財」って何?

 

今日は社会人としての愚痴?小言?を書こうと思います。

うちに限らず、多くの会社で用いられている表現として、「人財育成」というものがあります。

あれっ?「人材」の間違いじゃないの?と思われるかもしれませんが、こういう表記が流行っています。

 

会社の言い分としては、人を「材料」ではなく、「財産」として扱っていることを強調したいとのことです。

ちなみに派生した表現として、

 

財産になる人物=人財

材料として使える人物=人材

ただ居るだけの人物=人在

居ると邪魔な人物=人罪

 

と色々あるようです。

 

そのうち、才能に溢れる「人才」とか、用済みの「人済」とか種類が増える気がします・・・

大喜利で回答を募集したら、色々とネタが集まるのではないでしょうかw

 

 

2.「人」を大事にしてあげる?

 

「人財」という表現は、要は人を大事にしてますよというアピールなのでしょうが、僕はこの表現が嫌いです。

営利企業が従業員を大事にするということは、経済合理性の観点から当然のことだからです。

 

もし従業員が辞めてしまうと、代わりの人を雇う必要があります。

その際、採用費、研修費等様々なコストが掛かる上、入りたてでは会社の勝手が分からないため、前任者に比べると暫くの間は戦力ダウンになります。

かといって代替人員を雇わないと、既存の従業員に無理を強いることになり、従業員の不満が高まり、更なる離職者を招いてしまいます。現在の僕がそういう状況なんですけどねw

人の新陳代謝を促すという意味で、リクルートも重要ではありますが、それ以上に既存の従業員の維持が重要ということです。

 

後どうでもいいですが、僕は職業柄、「社員」ではなく「従業員」という表現をよく使います。

「社員」と書くと、法的には法人形態としての会社の構成員、つまり株主を指すからです。

と言っても、一般的によく用いられる表現なので、他の人が使っていても指摘することはありませんが。

いきなり、「社員は株主のことだから間違い」とかドヤ顔で指摘する奴、気持ち悪いでしょ?

 

最新鋭の機械設備を導入した工場で、製造はほぼロボット任せだからはっきり言って人はどうでもいいという場合もあるでしょうが、そういう会社はそもそも「人財」とかいう話をする必要がありません。

わざわざ「人財」という表現を使って、人を大事にしている感じを出すということは、その会社には人が必要ということなのですから、辞められないように大事にするのは当然ということです。

 

まぁ、別に「人財」というアピールじみた表現を使われたところで、本当に財産として扱ってくれるのであれば、「表現はウザいけど、居心地が良い会社だな」程度で終わります。

ただ、当然のことを敢えて大事にしてますとアピールしているということは、実態は大事にできていないことが往々にしてあります。

呼吸ができないと死んでしまいますが、だからといって日常生活で、「空気は大事だ!」とか言わないですよね。言う時は、だいたい大気汚染とかで空気が汚れて、大切さに気付いた時です。

 

それと同じで、「なんか人がよく辞めていくな?何か手を打たないと。」と思った時に、とりあえず大事にしているアピールをするというのが手軽な手段として用いられやすいです。

よくあるパターンとして、「人財育成」とセットで、「研修の充実」とか「希望を叶えた異動によるスキルアップ」とかが謳われることがあります。

ただ、こういう形だけの施策が導入されると、「通常の業務に加えて研修の受講・講師側の研修準備による負担増」、「属人的な部署で、人が離れると現場が回らなくなるから、実際には異動希望が通らない」といった弊害を招くことが多いです。

 

そもそも、「大事にしてあげる」という考え方が間違いで、「従業員が大事にされていると実感できるか」の方が大事です。

人事の施策はトップダウンで上から降ってくることが多いですが、上の意図と従業員の評価が食い違うことはよくあります。

施策の結果、上は「色々やってあげている」と満足し、下は「余計なことを・・・」とより不満を持ち、ますます溝が深まるおそれもあります。

「人財」とかいう流行りの表現で外向けのアピールをしている暇があったら、まずは現場の状況を直視し、給料を増やす、設備を導入して人の負担を減らす、全員一律ではなく希望者に対してのみ特定スキルの習得を補助する等の対応を取った方が良いと思います。

 

こんな個人ブログで書いたところで何が変わるという話ではありませんが、僕の気持ちが少しスッキリしたという効果はありますw

我々従業員の側としては、上が変わるという淡い期待を抱くのではなく、現状の制度の中で、いかに心身の負担を溜めずに日々の業務をこなし、かつ自分にとってプラスとなる経験にしていくかを考えていくしかないのかと思います。休日に身体を休めつつ、不満を書き出して精神的にもスッキリさせるのもその一環ということで。

 

個人の不満ばっかりで不快な気分になってしまった方には申し訳ないですが、この辺りで切り上げます。

では。