第3問
 
続いては、ねへほもんが大好きな数列です。
数列のセオリーというほどのものではありませんが、「一般項を早く求める」ことが鍵になります。
後は見直しのテクニックとして、「一般項を求めたら、n=1,2辺りを代入しておかしくないかチェック」も実戦的には重要です。
 
(1)まずはanを求めるところからですが、公差をxと置くと、
(30-3x)+(30-2x)+(30-x)+30+(30+x)+(30+2x)+(30+3x)+(30+4x)=288が成り立ちます。

これより、240+4x=288よって、x=12(公差)となります。
また初項は、30-3*12=-6となります。
 
先に一般項を求めておくと、an=-6+12*(n-1)つまり、an=12n-18となります。
和の公式は、Sn=(初項+第n項)*n/2なので、
Sn=(-6+12n-18)*n/2 すなわち、
Sn=6n^2-12nとなります。
 
折角見直しの話が出たのですから、Snについて数値を代入してチェックしてみましょう。
S1=6*1^2-12*1=6-12=-6(初項と一致)
S2=6*2^2-12*2=24-24=0(a1=-6,a2=6よりa1+a2=0となり一致)
合ってますね!

(2)次にbnです。
一般項を求めるために大人しく方程式を立てても良いですが、「公比はコ」と1桁の自然数(2-9の8通りだけ)であることが確定しているので、代入していく方が早いですw
 
第1項~第3項の和を求めていくと、
公比2→18+36+72=126
公比3→12+36+108=156
はい、終わり。初項は12ですね。
まぁ、数の大きさから何となく見当がついていました。
一般項は、bn=12*3^(n-1)です。

Tn=b1*(r^n-1)/(r-1)にb1=12、r=3を代入して、
Tn=12*(3^n-1)/(3-1) すなわち、
Tn=6*(3^n-1)です。
 
一応値を代入して検算すると、
T1=6*(3^1-1)=12(b1と一致)
T2=6*(3^2-1)=48(b1=12,b2=36より合計48で一致)
と合っています。
 
(3)cnとかdnとか、一見ややこしそうですが、代入して具体例を見れば視界が開けてきます。
d1=c2-c1=(a1-b1)+(a2-b2)
d2=c3-c2=(a1-b1)+(a2-b2)+(a3-b3)
もう、法則は見えましたね。
 
証明(というほどのものは不要ですが)は省略しますが、
dn=(a1-b1)+(a2-b2)+・・・+(an+1-bn+1)
   =(a1+a2+・・・+an+1)-(b1+b2+・・・+bn+1)
   =Sn+1-Tn+1
 ={6(n+1)^2-12(n+1)}-6{3^(n+1)-1}
  =(6n^2-6)-6(3^(n+1)-1)
  =6n^2-2*3^(n+2)
となります。
 
c1=a1-b1=-6-12=-18であるから、cnの一般項は、
cn=c1+(d1+d2+・・・+dn-1)
   =-18+6*(1^2+2^2+・・・+(n-1)^2)-18*(3^1+3^2+・・・+3^(n-1))    1^2+2^2+・・・+n^2=1/6*n(n+1)(2n+1)より、
   =-18+6*1/6*(n-1)*(n-1+1)*(2(n-1)+1)-18*3*(3^(n-1)-1)/(3-1)
   =-18+2n^3-3n^2+n-27*(3^(n-1)-1)
ゆえに、cn=2n^3-3n^2+n+9-3^(n+2)です。
 
 
第4問
 
平面図形が苦手なねへほもんですが、ベクトルはむしろ得意です。
補助線を引くようなセンスある閃きはできませんが、ベクトルのように機械的に解ける問題なら大丈夫です。
図形問題なので、まずは図を載せておきます。
 
※アメブロの表記の問題上、ベクトルを表現するのは難しいので、→を省略します。
(例)ABとあれば、→が無くてもベクトルABを指す
 
 
(1)「A→B」の直行と、「A→F→B」の迂回はベクトル上で変わらないので、
AB=AF+FB
  =-FA+FB
    =q-p
よってアは②です。
 
両辺を2乗すると、|AB|^2=p^2-2pq+q^2です。
 
(2)次にFDです。
内分するベクトルの公式はありますが、知らない方のために公式に頼らず解いてみましょう。
 
「F→D」を「F→A→D」と迂回させて考えると、
FD=FA+AD
  =FA+1/4AB
    =p+1/4*(q-p)
    =3/4p+1/4q
 
これを一般化して、m:nに内分される場合の公式は、
FD=n/(m+n)p+m/(m+n)qとなります。
 
内分比がm:1-mの場合は更にスッキリした形で表せ、
FD=(1-m)p+mqとなります。
 
(3)FD=srと置くと、
3/4p+1/4q=srの両辺を4倍して、
q=-3p+4sr・・・③
となります。
 
次にFEについてですが、先ほどの内分されるベクトルの公式を用いると、
FE=(1-a)q+ar となるため、
tp=(1-a)q+ar 両辺を1-aで割って整理すると、
q=t/(1-a)*p-a/(1-a)*r・・・④
となります。
 
③、④でpの係数を比較すると、
-3=t/(1-a) よって、
t=-3(1-a)
 
rの係数を比較すると、
4s=a/(1-a) よって、
s=-a/4(1-a) となります。
 
◆別解:メネラウスの定理で解く
 
一旦ベクトルの話はお休みして、ここで別解をご紹介します。
平面図形のところで、「メネラウスの定理」という定理を学習された方が居るかもしれません。
上の図を見て、「メネラウスの形やんか!!!」と気付ければそちらでも解けます。
ご存知ない方のためは、wikipediaで定理の形だけでも見てください。
 
まずはsを求めましょう。
C→E→B→A→D→F→Cの順に進めると、
 
CE/EB*BA/AD*DF/FC=1 となります。これより、
 
(1-a)/a*4/1*(-s)/1=1 整理すると、
(-4s)*(1-a)/a=1 よって、
s=-a/4(1-a)
 
次にtを求めましょう。
A→D→B→C→E→F→Aの順に進めると、
 
AD/DB*BC/CE*EF/FA=1 となります。これより、
 
1/3*1/(1-a)*(-t)/1=1 よって、
t=-3/(1-a)
 
色々な解き方があることが平面図形の面白さであり、また難しさでもあります。
センター試験なら誘導に従って解けば良いですが、2次試験だと自分で解き方を選ぶ必要があるので、そこではセンスが問われますね。
 
(4)
|AB|^2=1-2pq+|q|^2・・・⑤
 
BE=aBC
    =a(BF+FC)
    =a(-q+r)  ③にsを代入して整理すると、r=-3(1-a)/a*p-(1-a)/a*q となるから、
  =a{-3(1-a)/a*p-1/a*q}
    =-3(1-a)p-q
 
|BE|^2=9(1-a)^2+6(1-a)pq+|q|^2・・・⑥
 
⑤、⑥が等しいことから、
1-2pq+|q|^2=9(1-a)^2+6(1-a)pq+|q|^2
(6a-8)pq=9(1-a)^2-1
2(3a-4)pq=9a^2-18a+8
             =(3a-2)(3a-4) よって、
pq=(3a-2)/2 となります。