3連休が終わり、また平日が戻ってきてしまった・・・

今日も21時前まで仕事をして、22時に帰宅というコースでしたが、記事のネタはあるため書くことにします。

 

ネタさえあれば、「執筆は呼吸くらい自然なもの」なので特に苦にはなりません。

文章を書いていると頭を使うし、色々吐き出せるから気分も安らぐので良い趣味なのかなと思います。

 

今日のテーマはタイトル通り、「貨幣ドラフト会議」というものです。

お昼に職場の同僚の方と話していて、「2000円札要らんくね?」という話題が挙がりました。

あれは何のために生まれたのか・・・と思わずにはいられませんが、この時ふと思いました。

 

「今は色々な種類の貨幣があるけど、これが無いと困る!というのはどれだろう?」

 

と。その時、貨幣ドラフト会議の幕が開けることとなったのである・・・

 

1.ルール設定

 

・SUICA等の電子マネーが存在しない世界を想定

→貨幣自体が要らんくね?となるので

・金額の上限は現状同様、1万円札とする

・とある金額を表すのに必要な枚数を極力少なくできる貨幣を高順位とする

→詳細は後程

 

 

2.そもそも明らかに必要な貨幣って?

 

貨幣が全く存在しない状態からスタートした時に、優先順位の高い貨幣を考えると、実は1位と2位はすぐに決まってしまいます。

何だと思いますか?

 

1位:1円玉

 

 

1円玉を日頃から意識して使うことは少ないかと思いますが、1円玉が無いと表現できない金額が存在してしまいます。

別に1万円の買い物であっても、1円玉を1万枚出せば理論上は支払えますが、1万円札だけが存在しても99円を支払うことはできません。

 

 

2位:1万円札

 

 

金額の最小単位を決めた後は、最大単位の貨幣を用意する必要があります。

何故なら、数字には上限が無いためです。

1億円、1兆円といった途轍もない金額を、できるだけ少ない貨幣数で支払うには最大単位の貨幣、つまり1万円札が必要になります。

 

「金額の上限は現状同様、1万円札とする」というルールがあるので、ここでは1万円札で打ち止めにしておきます。

100万円札とかがあった方が、多額の表現には便利かもしれませんが、現実には多額の支払いでは銀行振り込み等を用いられるため、1万円あれば事足りるということですね。

 

 

3.ドラフト会議本番

 
金額の最小単位と最大単位として、1円玉と1万円札が必要なのは自然かと思います。
ここからがドラフト会議の本番で、頭の使いどころになります。
 
これ以降重要となるルールが、「とある金額を表すのに必要な枚数を極力少なくできる貨幣を高順位とする」というもの。
3~5位には10円玉、100円玉、1000円札のいずれかが入るのですが、3位を考える時に、「1円玉、1万円札に加えてもう1つ貨幣を追加できるとすれば、どれを追加すれば金額を表す際の必要枚数が少なく済むか?」という視点で考えていきます。
1万円以上の金額であれば、1万円札単位は1万円札で支払い、9999円以下を他の貨幣で支払うと考えるため、今後は9999円以下を効率よく支払う方法を考えていきます。
 
(例)9999円

10円玉→10円玉999枚+1円玉9枚=1008枚

100円玉→100円玉99枚+1円玉99枚=198枚

1000円札→1000円札9枚+1円玉999枚=1008枚

 

例というか正解に直結してしまうのですが、ドラフトの順位を発表していくと・・・

 

3位:100円玉

 

 

同率4位:10円玉、1000円札

 

 

100円玉が優秀な理由は数学的にも説明できます。

・・・というと難しそうですが、式で簡単に表すと「√10000=100」若しくは「100^2=10000」ということです。

これを言葉で言い換えると、「1円玉を100枚集めれば100円になるから、99円以下の金額は1円玉を最大99枚使って表せる、同様に100円玉を100枚集めれば10000円になるから、9900以下の金額のうち千と百の位は100円玉を最大99枚使って表せる、よって、最大必要な枚数は99+99=198枚で済む」ということです。

 

これが10円玉になると、1円玉は1の位にのみ使えば済むため、1円玉の最大使用枚数は9枚で済みますが、その分10円玉でカバーすべき金額範囲が増えてしまい、最大で9990円を表すために999枚必要になります。

別の表現を用いると、「100は10000の幾何平均」という呼び方もあります。平均値の貨幣を用意するのが効率的というのはイメージ的に納得できませんか?

「1と10000の平均は5000」(正確には5000.5)というのが通常の発想かと思いますが、こちらは「算術平均」と呼びます。

どちらも「平均」という呼び方ですが、金額を効率的に表すには?というケースでは幾何平均の方が重要となります。

 

 

さて、次に同率4位の話ですが、「50円よりも10円の方が優れているのは何故か?」が気になるところです。

・・・が、既に「幾何平均」の考え方を解説したので、ここは簡単に説明することができます。

 

√100=10

 

だから。終わり。

後、10円と1000円が同率の理由については、10の位までの話で「Q.1~99円を1円ともう1つ貨幣を使って効率的に表すなら?→A.10円」が成り立つのと同様に、それらの金額を全て100倍するだけで、1000の位までの話で「Q.100~9900円を100円ともう1つ貨幣を使って効率的に表すなら?→A.1000円」が成り立つことが明らかだからです。

後は、10の位と1000の位のどちらを優先的に表したいか?によってどちらの貨幣を製造するかを決めてくださいという話で、数学的な効率性の話というよりは、日常的によく使われる金額はどっち?という問題になるのでここでは割愛します。

 

ここまでで1,10,100,1000,10000の5つが埋まった訳なのですが、「10円と1000円が同順位」であるのと同じ理由で、「5円、50円、500円、5000円」が同順位になるのもご納得いただけるかと思います。

「1の位を効率的に表すなら5円、10の位を効率的に表すなら50円、以下同様」というだけの話で、数学的な効率性という観点だけでは優劣は付けられません。

 

という訳で、ここで問題にするのは、1000の位に注目し、「2000円札VS5000円札」の一騎打ちです。

ここで2000円札の下克上は見られるのでしょうか・・・?

 

これに関しては微妙な差ですので、実際に金額を表す中で判断することにしましょう。

 

ⅰ1000円札と2000円札を使って表現

1000円→1000円札×1、2000円札×0(計1枚)

2000円→1000円札×0、2000円札×1(計1枚)

3000円→1000円札×1、2000円札×1(計2枚)

4000円→1000円札×0、2000円札×2(計2枚)

5000円→1000円札×1、2000円札×2(計3枚)

6000円→1000円札×0、2000円札×3(計3枚)

7000円→1000円札×1、2000円札×3(計4枚)

8000円→1000円札×0、2000円札×4(計4枚)

9000円→1000円札×1、2000円札×4(計5枚)

 

ⅰ1000円札と5000円札を使って表現

1000円→1000円札×1、5000円札×0(計1枚)

2000円→1000円札×2、5000円札×0(計2枚)

3000円→1000円札×3、5000円札×0(計3枚)

4000円→1000円札×4、5000円札×0(計4枚)

5000円→1000円札×0、5000円札×1(計1枚)

6000円→1000円札×1、5000円札×1(計2枚)

7000円→1000円札×2、5000円札×1(計3枚)

8000円→1000円札×3、5000円札×1(計4枚)

9000円→1000円札×4、5000円札×1(計5枚)

 

どちらも、計1枚のパターンが2つ、計2枚のパターンが2つ、計3枚のパターンが2つ、計4枚のパターンが2つ、計5枚のパターンが1で、9パターン合わせると、1*2+2*2+3*2+4*2+5=25で一致します。

 

つまり、「2000円札と5000円札は同順位」という結論になります。

2000円札も馬鹿にはできないということですね。

まぁ、「5000円未満の部分は1000円札で支払い、5000円を超えたら5000円札を出せばOK」という方が考えやすいので、現実的には5000円札が優先されるのでしょうが・・・

 

結論としては、「5円玉、50円玉、500円玉、2000円札、5000円札は同率6位」・・・になると思いますよね???

 

 

4.5000円札よりも3000円札を刷ろう

 

話はまだ終わりません。

もう1回ちゃんとルールを読みましょう。

 

・金額の上限は現状同様、1万円札とする

 

わざわざこんなルールを付けたのには裏の理由があります。

このルールを読みかえると、

 

・1万円未満の金額単位であれば、自由に貨幣を創造しても良い

 

ということです。

ここでもう1度「幾何平均」の考え方を思い出しましょう。

 

次は10の幾何平均ですが、√10=3.1622・・・と割り切れません。

・・・が、ここである可能性に気付きます。

「殆ど3ということは・・・3円玉とか3000円札を創造した方が効率的なのでは?

 

「2000円札VS5000円札」の争いに3000円札という名の第3極が名乗りを挙げました。

果たして期待の新鋭3000円札の実力や如何に・・・?

 

ⅲ1000円札と3000円札を使って表現

1000円→1000円札×1、3000円札×0(計1枚)

2000円→1000円札×2、3000円札×0(計2枚)

3000円→1000円札×0、3000円札×1(計1枚)

4000円→1000円札×1、3000円札×1(計2枚)

5000円→1000円札×2、3000円札×1(計3枚)

6000円→1000円札×0、3000円札×2(計2枚)

7000円→1000円札×1、3000円札×2(計3枚)

8000円→1000円札×2、3000円札×2(計4枚)

9000円→1000円札×0、3000円札×3(計3枚)

 

結果、計1枚のパターンが2つ、計2枚のパターンが3つ、計3枚のパターンが3つ、計4枚のパターンが1つで、9パターン合わせると、1*2+2*3+3*3+4*1=21となり、2000円札&5000円札が残した25という記録を更新しました!

 

結論「5000円札よりも3000円札を刷ろう」

 

いかがでしょうか?

日頃当たり前のように使っている貨幣について、「効率性」という観点から考え直してみたところ、「3000円札」という新しい紙幣の可能性が生まれました。

まぁ、実際に刷られたら使うのかと言われると怪しいですが・・・

 

新しい紙幣の可能性を見出すことができ、個人的には書いていて非常に楽しめた良い記事でした。

なかなかこういうネタが生まれることは少ないでしょうが、次回作にもご期待ください(>_<)