つくばでも東京の影響を受けてか、コロナ感染者が増加しています。
用心をとって、今月も映画館にはいきませんでした。
ネットで画家、小説家、音楽家等、芸術家の生涯を描いた映画が意外に多いのを見つけて過ごしました。
「ゴーギャン、タヒチ 楽園への旅」
パリで行き場を失っていたゴーギャンは妻子を残し一人タヒチに向かう。 しかしタヒチでの収入はなく、パリからの仕送りも途絶えた中で村の人と知り合い少女を妻とし、つかの間の平和の中で絵を描けるようになる。 しかし心臓の病気になり生活もうまくいかなくなりパリへ強制送還されることに・・・。
ゴーギャンの1回目のタヒチ行きを描いた映画でした。 同じ時代を生きたゴッホと同じく世間に評価されない中で絵を描き続ける苦悩が痛々しく伝わってきます。
「セザンヌと過ごした時間」
エミール・ゾラの伝記風映画でした。 南仏で幼馴染であったエミール・ゾラとポール・セザンヌの二人はパリに出ていきます。ゾラは小説家として成功しますがセザンヌは芽が出ない生活が続き生まれ故郷のプロヴァンスに戻ります。 離れた二人ですがゾラの目からのセザンヌへの愛情と葛藤が描かれています。
同時代を生きたマネとの関わりもあり面白く観ました。
「ゴッホ 真実の手紙」
ゴッホを描いた映画は何本も観ましたが、これはゴッホの生涯をドキュメンタリー調に描いた映画でした。
ゴッホが弟テオに宛てた900通余りの手紙をもとにゴッホの人生をたどっています。 ベネディクト・カンバーバッチのゴッホはあまり合っていません。
「ミステリアス・ピカソ・天才の秘密」
ピカソが生前カメラの前でスケッチから水彩、油彩 さらには実験的な大作を画く様子をドキュメンタリで撮った映画です。 黙々と描き続けるピカソの筆遣いは、最初は何の絵か全くわかりませんが、一筆一筆。書き加えるごとに見事に最終のイメージ向かって収れんしていきます。
ピカソの絵の秘密の一端をみたように感じられます。
「赤い風車」
ロートレックの生涯を描いた映画です。
ツールーズの伯爵家に生まれたが両親が近親結婚だった影響と小さい時の骨折で成長が止まってしまい、劣等感に苛まれる子供時代を過ごします。 パリに出て画塾に通い画家を志しそれなりの成功を収めるが、体へのコンプレックスは消えず、毎夜キャバレーに通い、踊り子や娼婦と付き合う生活で身を崩してしまう。 ついにはアルコール中毒で36歳の若さで亡くなるというやるせない生涯が描かれていました。 救いはゴッホやセザンヌと違って生前に画家としてある程度評価されたことであろう。
「アルベール・カミュ」
カミュの後半生を描いた映画です。
作家として成功し、若くしてノーベル賞に輝くなど充実している中、自分が演出する劇の女優と浮気を繰り返し妻を精神病に追い込んでしまいます。 またソ連の全体主義やアルジェリアのテロ闘争を批判したことで、同じ左翼でありながら、サルトルと批判論争になるなど苦悩するカミュが描かれています。
「愛の調べ」
シューマンと妻クララの伝記映画です。 恩師の反対を押し切って、恩師の娘クララと結婚したシューマンは順調な作曲家生活を送ります。しかしシューマンの弟子となったブラームスとクララの不倫を疑ったシューマンは神経症に悩まされたまま46歳で亡くなってしまう。
シューマンの死後ブラームスから求婚されるもクララはシューマンを偲ぶ演奏会を続けて未亡人として生きていく。
クララをキャサリン・ヘップバーンが演じています。