お久しぶりすぎるブログ更新。
このブログ自体はねごと時代から書いているものですが、
ソロになったので、この度ブログのデザインやアー写なども新しくアップデートされました!
ヘッダーはホームページと似たような雰囲気ですが、より蒼山がぐんと近く居座っております。
いかがでしょ〜。
ツイッターやインスタなどは、度々更新しているものの、
たまにつらつらと思っていることを言葉に残したい日もあり、
かといってあまり文が長くなってしまってもなあ、、
ということがあったので、これからはブログもちょこちょこと更新していきたいなと思っています。
さて、蒼山幸子としての初音源e.p「まぼろし」が通販開始&全曲配信が決定いたしました。
最初は、ソロとしてのはじめの一歩を見届けて下さる皆さんにいち早くお届けしたい、という気持ちで
11月のワンマンでの会場限定で販売をしたものでしたが、
今回東京と大阪の二箇所のみのライブだったこともあり、
会場に来ることが出来なかった方々からも、音源が欲しい!という声をたくさん頂きました。
とてもありがたいことですし、
わたし自身ワンマンを終えてみて、もっともっと広くこの作品を届けていきたいな、という思いも強くなり、全国どこにいてもCDが届く&全曲が聞けるようにしようと思いました。
今回はショップに流通する形ではなく通販ですが、細部までこだわって作ったCDなので、
お手紙を送るような気持ちで、地道に一つ一つお届けしていきたいなと思います。
もちろん小さくまとまるなんてことではなく、全てを込めて作った作品だからこそ過程として何かを飛ばしたりせず、手渡しのように温度を伝えながらちゃんと届けていきたい、と思いましたし、その方が始まり方として自分には合ってるな、と思ったのです。
写真のセレクトから、手書きの歌詞から、ブックレットの仕様含めて蒼山がずっとしたかったこと、や、今見せたかったことが隅々に行き渡ったCDになっているので、
手に入れて頂けたら嬉しいです〜。
そしてひとつ、お伝えをしますと今回はもともと会場に来てくださった方へ向けて限定で作っていたCDだったので、無限に作るわけではなく、用意されている枚数に限りがあります。その枚数分が売り切れ次第終了になりますが、ご了承をお願いします。
全曲配信は始まっていますが、通販とグッズの販売開始は明日のお昼からになります。
なにより禿げそうになりながら作った渾身の6曲が!ありますので!
よろしくお願いします。泣
すでに聞いてくれてる皆さんから日々送られてくるメッセージやコメント、
そしてライブで頂いたお手紙など、お返事は返せなくても一つずつ全部目を通しています。
まぼろしが、生活の中にちゃんと寄り添ってくれているのだな、
と思うとそれだけで胸が暖かくなるし、糧になります。
いつも応援してくださるみなさんにはありがとうの気持ち。
同時に9日から「バニラ」のMVも公開されました。
監督は、ねごとの時からもうずっと、素晴らしい作品を一緒に作ってきてくださった志賀匠さん。
志賀さんはいつも未知の扉を開いてくれる人で、今回もやったことのなかった全編ピクセルアニメーションという新たな試みを提案してくれ、本当に期待以上の作品を作ってくれました。
バニラの、あのぎりぎり前を向いてる感じとか、切なさがちゃんとエッジの効いた可愛さのピクセルアニメの中に生きていて、とても感動しました。
隅々までちゃんと凝って作り込んでくれているところがたくさんあるので、ひとつひとつの背景の中に見所がたくさんあり。
何度見ても飽きない。おっきな動物ちゃんたちが死ぬほどかわゆい。
ちゃんと蒼山にアー写の衣装と連動したようなお洋服を着せてくれてるのも、ラブ志賀さん、となりました。ぜひ何回も見て欲しいMVであります。
さて、ここから今回のブログの本題に入ろうと思うのですが、読みたいと言ってくださる方も多かったので、e.pまぼろし6曲のライナーノーツを書くことにしました。
今日からの全曲配信で6曲全部が聞けるようになったので、
興味がある方は読んでもらえると、曲の成り立ちなんかが見えて面白いかなと。
前置きをするととても長いし、あえて読まずに聞くのも、ひとつの聞き方なので、
この部分はそっと過ぎるのもよし。
それぞれで選んで楽しんで頂けたら嬉しいです。
1曲ずつ紐解きながら、書いてみますね。
M1.まぼろし
e.pのタイトルにもなっているこの曲は、まさにソロの一発目としてどんなことを歌いたいだろうと思ったときに出来た曲。
これはライブのMCやツイッターなんかでも伝えていたことですが、ねごとの解散が決まったとき、ひとりになったとしても音楽を続けよう、ということだけは決めていたのですが、まだまだ曲を作っていきたい、どんなものを作ろう、と生き生きとしている自分がいるのと同時に、人生の中で大きな時間を過ごしてきた一つの時代が終わってしまったことに、いまだにぽかんとしている自分もいました。
その曖昧な全てを、結局歌にしていくしかないなあ、と思った時に、出だしのピアノのフレーズから、
雨の音で目覚めたらという歌詞が浮かんできて、あとは転がるように言葉が出てきて出来た曲です。
同じように、景色だけがさっと過ぎ去ってしまって、なんだか覚めない夢の中にいるような、そんな言いようのない寂しさに今出くわしている人にも、寄り添う曲になれたらいいな、と思いました。
始まりの1曲めですが、バンドサウンドではなく弾き語りで、できるだけ素の雰囲気で録りたかったので、録り方もすぐそこで弾きながら歌っているような感じを封じ込められるよう、今回のアレンジ作業で協力をしてくれたシナリオアートのこうすけくん、そしてエンジニアさんと相談しながら、レコーディングしていきました。
最後のピアノの音が切れたあと、ちゃんとペダルを離す音まで入っていたりするので、聞ききやすい環境で聞いてもらえると、きっとより暖かみが感じられるはず。
これからも大事に歌っていきたい曲です。
M2.バニラ
まぼろしとは打って変わって、ぐっと加速してくれるような勢いのあるバニラ。
この曲は実は、だいぶ前に原型ができていた曲だったのですが、他の曲が出来上がって並べて聞いたときに、なんとなくe.pの中にドラム始まりのイントロの曲が欲しいなあ、と思ったのです。
改めてちゃんと形にしたいと思い、ワンコーラスしかなかったものをフルコーラスにして、歌詞もアップデートしながら、作り進めていきました。
最初自分でデモを作った時はもう少し打ち込みっぽいドラムの音色だったり、シンセベースを使っていた曲だったんだけど、リズム隊のお二人が決まったところから、生のバンド感をぐっと出していく方向になっていきました。
ドラムが難しい曲なのですが、今回のドラムの夏樹くんがバシバシと叩いてくれていて、ばらすーし。(訳:すばらしい)
でもあんなに叩けるのにレコーディング当日、叩いてないと途端にずっと緊張します、、、と小声で連呼していて、結果的にみんなが和んでいて、
これまたばらすーしでした。
全体のアレンジもさることながら、こうすくんのギターアレンジがとても素晴らしく、泣きながら歩いてるような感じのギターというか、哀愁を爆発させてくれていて、泣けます。
特に2番のAメロ裏。
あまり言葉の譜割(リズム)を詰め込みすぎない曲にしたかったので、Aメロは歌詞から作り出した記憶があります。
出だしの歌詞ってとても大切で、そこが決まれば勝手に展開していくことがほとんど。
あとはアクセントになるキーワードが軸になることが多いですが、この曲はそれがバニラという言葉でした。
恋愛だけに留まらず、消えたくなるような夜に聞いて欲しい曲。
M3.ミューズ
地に足をつけて働く女子の曲を、書いてみたいと思い作った一曲。
たとえば、同世代の音楽ではない仕事の友達と話していると、いろいろ感じることもあって、どんな仕事であってもみんな世知辛さや、噂話や、小さな悔しさと戦いながら、日々働いているなあと。
同時にそんな女の子って、愛おしいなと。
わざわざ誰かに話すことでもないけど、実は傷ついていたりすること。
そしてめらめらと、明日は頑張ろうと思い直していること。
そしてそんなやり場のない全ての気持ちに自分なりに折り合いをつけながら暮らしていること。
誰しもあると思うのですが、そんな日常生活のシーンを書いてみたいと思いました。
考えてみるとねごとの頃は、あまり現実が舞台の歌詞はなかったし、
女子に特化したテーマの曲も作ったことがなったので、新鮮かも。
歌詞が1番と3番のヒールに合わせて2番だけ意味の違うヒール(悪役)になっているのがお気に入り。
この曲はドラムは打ち込みで、ベースはもともとシンセベースで作っていたのですが、キー坊さんのあまりの生ベースの素晴らしさに、最終的にシンベも生べも重ねる仕上がりになりました!
間奏に鳴っているサックスを吹いてるのは、実は蒼山妹であります。
この渋めな間奏も聴きどころ。
(よく聞くと3サビ前の間奏、呪い師のような声が入ってるのも肝で、これは作ってくれたこうすけくんいわく、ミューズになれない呪い、らしいです。)
ライブでは横揺れしてもらえるような心地よいグルーブの曲になったんじゃないかな、と思ってるので、次のバンドのライブのときにはぜひみなさんに揺れながら聞いてほしいなーと。
もっと横揺れの曲が増えたら、ライブ全体の中でそんな踊れるゾーンを作りたいな、というのもいま考えていること。
M4.鳥と糸
これはe.pまぼろしの中では一番最後にできた曲であり、今回のアルバムの中で個人的に一番好きな曲。
取っ掛かりとしては、ミドルテンポで、がらっと景色を変えて空間をトリップさせてくれるような曲にしたくて、イントロからトラックを作ってあとからメロディを乗せる、という作業だったのですが、
作っていくうちに、この曲はわかりやすく整理するよりも、とにかく湧き出てくるものをそのまま形にしていくのが似合う曲だなと思い、歌詞もあえて抽象的に書いていきました。
この曲と、M6.セブンスヘブンはギターで高田歩くん(高高-takataka-)が参加して演奏してくれたのですが、最後の一押しで入れてれた歩くんのアコギが、この曲の全体の切な度をぐっと上げてくれたなと思います。
アコギが入った日のデモは、感動して何度も聞きました。突然景色が何倍にも広がって。
今回のレコーディングは他の曲も含め、そんな風に飛び込んでくる音にいちいち感動しながら作ることができて、やっぱり音楽楽しいな、しあわせだな、と思いました。
自分の力だけじゃ作り上げられなかった世界が見える瞬間は素晴らしいもの。
参加してくれたみなさんには本当に感謝してます。
我ながら暗い曲だな〜と思いつつも、暗い曲に救われてきた人生なので、一言ずつ大事に作りました。
自分自身の曲を普段の生活で聞くってあまりないんだけど、なぜか鳥と糸は出来上がってからずっと聞いていたくらい、気に入っていたので、先行配信曲に入れました。
聴きどころは大サビ前の間奏のアコギの畳み掛け、そして全体のキー坊ベースのじわじわグルーブ。
M5.silence of light
この曲はソロとしての楽曲アレンジを始める時に最初に手をつけた曲で、原型はかなり前からあった曲でした。
切なくて、でも踊れて、タクシーの中から夜の光が滲んでいる窓の外の景色を見ているような。
そんな冷たい空気感がデモの時から漂っていた曲だったのですが、そこからまた深度の深いギターやシンセの音色アプローチや、ポストロック的な雰囲気のリズムの要素も入れ現在の仕上がりに。
コーラスワークで浮遊感を出したかったので、サビ裏をはじめ、ところどころに吐息のようなコーラスが入っていたり。
2番の落ちサビも歌も今までだったら地声で歌いきっていたところを、あえてファルセットで重ねるアプローチにしてみました。
わりと歌詞の長い曲で、ブックレットの手書きの歌詞を書いている時、ずっと集中するのが大変だった、、そしてまた、悲しい曲だな〜としみじみ思ってしまいました。
余談ですが、Aメロの羽の折れた天使という歌詞、出てきた時、翼の折れたエンジェルとかぶるのでは・・?と内心ひとりで緊張し、ざわざわしました。
結局気に入ったので残したのですが。
聴きどころはBメロの静けさと、全体のグルービーなリズム感。
それこそ夜にドライブとかしながら聞くのが似合う曲だなーと思ってます。
失恋した時に聞いたら、どん底に落ちそうな曲だけど、同時にどこまでも寄り添ってくれる曲なはず。
M6.セブンヘブン
e.p最後の曲。
一年前からずっと弾き語りで歌っていた曲だったので、やっと今回音源化できた曲でした。
ちなみにセブンヘブンというのはカクテルの名前。
飲みやすくて美味しいし見た目もかわいいです。
単純にセブンスヘブンという語感がとてもすきで、作り始めた曲だったのですが、景色が見える曲でありながら、結果的にとてもシンプルなことを歌えた曲になったなと思います。
伝えたいこととかメッセージみたいなことって、入れようと思って書いたことなんてほとんどなくて、
出来上がってからこういうことだったんだなあと、他人事みたいに、あとからわかるのが常なんですが、セブンスヘブンはそういう意味で自分すらもおっきく抱きしめてくれるような暖かさがある曲で、
これは大事に歌っていかなくちゃな、と思ったのを覚えています。
アレンジも極力シンプルに、を心がけて、丁寧に音を重ねていく作り方で仕上げていて、
鳥と糸と同様、高田歩くんがギターを入れてくれています。
ずっと優しい曲なのに、途中で泣きそうな間奏があったり、ちゃんとバンドサウンドとしてエモい曲にしたいなと思いました。
コードの流れ一つで、暖かさと切なさの塩梅が変わってくるので、どれくらいのバランスにするか、はとても考えながら作った記憶があります。
最後のサビから入ってくる切なさ満開のギターと、メロウトロンがお気に入り。
光が差してくるような、最後の最後のコードの展開も大好きなところ。
まだまだ道は長いし、かといって笑ってばかりでもいられないけど、
できるだけ、小さなことで花を咲かせて、生きていけたらそれでいいよね。
綺麗事じゃなくそう思うので、そんなことを歌ってるこの曲を締めくくりの曲にしたいと思いました。
だっていつも世界は厳しいから。そしてそれぞれの道はずっと続くから。
すこしでも心あったまる曲であって欲しいです。
さて、ということで以上e.pまぼろし全6曲のライナーノーツでした。
いろいろ書いてしまったけど、飛び立っていった以上、もうこの曲たちは聞いてくださるみなさんのものなので、好きに解釈していいし、好きな時に聞いて欲しいなって、思っています。
出会ってくれただけでも、本当にありがとうって、素直に思います。
そして、肝心なことはまだまだ始まったばかりだし、まだまだ作っていくということ。
これからも、いろんな曲を書いていくと思いますが、そのそれぞれをその都度みなさんには楽しんでもらえたら嬉しいです。
ワンマンライブをやってみて、わたしはやっぱりバンドが好きだなあと改めて思ったし、
欲張りだけど弾き語りもバンドも、どっちも本気で楽しくやっていきたいなと思ってます。
そうそう、発表されました来年2月にアコースティクワンマンも2本決定いたしました。
2月22日 京都 紫明会館
2月29日 東京 晴れたら空に豆まいて
どちらも初めての箱ですが、とても雰囲気のある空間を作れる場所だと思います。
そして初の試みのアコースティックセットのワンマンになるので、一人でやる弾き語りよりも、より幅のあるセットリストにできそうで今から楽しみ。ぜひぜひ遊びにきてくださいな。
モバイルサイト会員のみなさまが買えるチケット先行予約は始まっております。
一般発売は1月18日から。
怒涛の情報解禁をしましたが、ひとつずつ楽しんで、そして楽しみに待っていてください。
これを書いてる今も、新しい曲作りの日でスタジオにいます。
2020年は、閃いたものを形にして、歌って、止まることなく表現をしていきたいな。
長々と書いてしまいましたが、これからも蒼山をよろしくです。