参院選と『バカの壁』(養老孟司著) | 今日も花曇り

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読んだ本や考えたこと、仕事について。

大変有名な、2003年出版の大ベストセラーです。

2021年時点で450万部を超えるとのこと。

 

 

読んだことがなかったのですが、今回読んでみようと思ったきっかけは、参院選での参政党です。

なぜ多くの人が、でたらめな主張を掲げる政党に投票してしまうのか。根拠がある批判にも耳を貸さなくなってしまうのか。

私はひとつのことを割と長く考える性格のため、選挙後もずっと考えてしまいます。

 

そういえば有名な『バカの壁』という本は、そうして人が分かり合えない問題を書いた本と聞いたことがある、何かヒントがあるかも、と思ったのです。

 

でも読んでみると・・・。

 

今度はこの本自体に腹が立ってしまいました。

書いてあることは章ごとにバラバラで散漫だし、議論も雑で、若者、ホームレス、主婦といった人たちを小馬鹿にするような鈍感さも鼻につきます。

細かいところでは「なるほど」と思う記述もあるのですが・・・。

 

私は本を紹介するときはなるべく本文を引用するようにしています。

でもこの本はまとまりがなさすぎて、部分で引用してくなる美しい文章があるわけでもないので、引用したいところがありません。

 

なぜこんな本がそんなに売れたのだろう?

そんなに大衆受けする内容とも思えないし、実用もない。

考えてもよくわかりません。

タイトルは確かにインパクトがありますが・・・。

 

でも考えてみたら、これがブームというものの本質なのだろうと思いました。

どんなブームでもきっかけはあるのでしょうが、その後の盛り上がりは最早そのものの魅力というより、関心が関心を呼ぶ結果としか言えない気がします。

 

でも、ベストセラーに中身がなくても自分が損するだけですが、中身のない政党がブームで議席を獲得することは、国の将来に影響します。

ブームに乗って投票して、後は知らないではすまされません。

 

本の中身というより、そんなことを感じてしまいました。