家族という不幸 | 今日も花曇り

今日も花曇り

読んだ本や考えたこと、仕事について。

家族からは、とても多くの幸せと、不幸せが生まれます。仕事で毎日たくさんの家族の姿を観察していて思います。

家族がいた方がいいというのは、一般的にはそう言えるのかもしれませんが、いない方がいい場合も少なからずあります。

分かりやすいのは離婚です。離婚はすなわち、相手とはもう家族でいたくないとの意思表示です。

家族から生まれる苦しみは、容易に逃れることができないので、時にその人の人生を圧倒してしまうほどです。

私は映画が比較的好きなのですが、考えてみると、名作にも家族を描いたものが本当に多い。デ・シーカの「自転車泥棒」、ピエトロ・ジェルミの「鉄道員」、タルコフスキーの「鏡」、小津安二郎の「東京物語」や「麦秋」、新しいところでは是枝裕和の「歩いても歩いても」、「そして父になる」など・・。

家族は、恋愛や戦闘(なぜか映画の主人公は「闘う」ことが大好きです)、人の生死と同じくらい、取り扱われることが多い主題といえそうです。それだけ、人間にとって家族が重大な問題なのだと思います。


家族から生まれる苦しみについては、学校ではほとんど教えられません。少なくとも私は教えられませんでした。大人になってからも、結婚情報誌はありますが離婚情報誌はありません。


幸せでない家族は欠陥があるかのような、そんな空気が世間にあるとしたら、とても残酷なことだと思います。人生のネガティブな面に目を向けたがらないのは人の性としても、家族とは一筋縄ではいかないということについて、社会の中でもう少し認識があってもいいと思います。