久しぶりの更新となってしまいましたね。(>_<)
ようやくお預かり中のフレーム修正が必要な車両の中で、連休前の最終となる納車の目途が立ちました。
これで連休前にお返しできます。
明日も入庫予定がありますので、軽度な損傷の修理はまだありますが。
私の書くブログはこの仕事について知って欲しいという気持ちから、たま~に過激な事やただの愚痴ともとれる内容も書いております。
言い方帰れば口が悪いと感じられる事もあるでしょう。
しかし、本当の事を知って欲しい、真実を知って欲しいんですよ。
おそらく読者さんやネットを検索されてここへ辿り着いた方は、上辺だけ良くて本当の事は隠されたままよりも、知られていない裏側の事情や見えない部分を知りたいのだと思っているからです。
私ならそこを知りたいと思うから。
でも感情的になりすぎて、1時間位掛けて書いてきたブログを読み返してみて、これはマズイかなって全て削除して書き直すこともあったりします。(゚_゚i)
さすがにここでは言えない事もあるんです。お察しください。
表にあまり出て来なかったから、あまり語られてこなかったから今のこの業界はこうなってしまっているのかもしれません。
そんな事も踏まえてお話しさせて頂きます。
やっと修理が完了となりそうなフレーム修正を行った車両ですが、以前に他の工場さんで修理がされていた形跡がありました。
フロントの事故でしたが、ボンネットを開けたとたんに修復歴有りだと判断できる程わかりやすかったです。
同じところの2回目の修理となると、前に修理を行った際の精度がカギを握ります。
損傷の度合いからしてちゃんと寸法を出して修理されていれば、修正はしますが部品を交換しなくても良いのでは?と考えていたのですが、嫌な予感は的中でした。
まずバンパービームを外してみると、その裏にはこんな物が。
これ、わかりますか?
新品部品に付いてくる納品伝票です。
シールでは無いのでピッと紙を引っ張れば簡単に取れます。
それが付いたまま部品が組付けられていました。(;^_^A
そんな手間も惜しむようなところがちゃんと寸法を計測して修理しているはずがありません。
フロントフェンダーを外すとワッシャー間に入れて高さの調節がされていました。
この時点でやっぱりヤバいかも?って不安になったんですが、それでもラジエターサポートさえちゃんとした位置で取替えられて溶接されていればと思って、まだ部品を注文せずに修正を試みました。
私の方も、出来るだけ安く直して欲しいとの要望がありましたので、なるべく部品交換は避けたかったんです。
その結果ラジエターサポートの上部は寸法通りなんとかなりました。
でも下側がどうにもなりませんでした。(T_T)
フェンダー・ライトを仮付けしてみると、チリ(すき間)が左右で合いません。
そんな時はだいたい高さが狂っているんです。
うちはジグ式の修正機ではありませんので高さの計測が難しいのですが、その時点で初めて高さの違いに気付きました。
測ってみると左右の差が12ミリ程ありました。
今回の事故でサイドメンバーがそんなに上に上がるのか?って考えたら、それ程でも無いのです。
以前に行われた修理でもサイドメンバーの修正をした形跡がありましたので、前からなのか?今回なのか?判断がつかず・・・。
それでも正規の位置に修正すればなんとかなるだろうと諦めてはいなかったのですが、バンパーを仮付けしようとしてみると全然バンパーの取付けが出来ません。
最初の計測の時点でアンダー(車両の下側の寸法)が狂っている事は把握していたのですが、バンパーが取付けられていたのなら元に修正していくうちに戻るだろうと思っていたんですよ。
でもアンダーが絶対的におかしくて、この状態だったとすればバンパーの下側のクリップは留める事が出来なかったはずの所に穴がくるんです。
そう。たぶん前回の修理が終わってから今回の事故までの間は下側のクリップは留まっていなかったんだと思います。
フェンダー、ライトを無理やり取付け、そこにバンパーが乗っかっている状態なだけだったと思います。
とりあえず、部品が付いて見た目上は直っているから「まあ、いいだろう」的な感じで・・・。
そしてこれがわかったとたんに私は部品交換を決断しました。
この状態だと、何が正しいのかわからないのです。
ですので、ラジエターサポートAssyさえ新品で絶対に正しい形であれば、それを基準として考えられる事になり、どこが間違っているのかがわかるようになります。
新品部品が届き、それを合わせてみるとなぜアンダーの寸法が合わないのかがすぐに判明しました。
結果としては、前回交換したラジエターサポートの取付け位置が間違った位置で溶接されていたからなんです。
下に行くほど前側に出るかたちで傾いて溶接されていました。
「これじゃ合わないわなっ」。と納得。
そこからは悩みから解放されました。
新品部品に替えてみて、溶接前に確認の為フェンダー・ライト・バンパーを仮付けしてみると、すんなり取付けられました。
正直、今までムダに使った時間を返して欲しい。
前回正常な位置で溶接さえされていれば、こんな事にはならなかったのに。
そして部品代も抑えられていたはずなのに・・・。
今回は高い修理代となってしまいました。
しかし、前回は安く修理されていたのかもしれません。
保険での修理なら非常に高くついた修理ですが、安く直して欲しいとの希望に合わせた修理の結果がこれだったかもしれませんね。
寸法を計測する手間を省き、溶接前に仮合わせをする手間を省き、バンパービームの納品伝票ささえちぎる手間まで省いた修理。
そしてお客様は、骨格が歪んでいるままバンパーも正常に留まっていまいままの状態を知らずに「安く直してくれてありがとう。」と思っておられたのかもしれません。
安く直れば何でも良いのでしょうか?
良くはないですよね?
でもこんな事が起こっているんです。
工場としても仕事を確保していかなければなりませんので、いくらで請け負うのかは自由だと思いますが、見えなくなる部分だからと手抜きをすることにより安く直したかの様にみせかける修理は止めて欲しいものです。
直っていないので・・・。
安くと言われたからこうなったと言うのであれば、ちゃんと直す為の代金を提示すればいいじゃないですか?
それでは仕事が取れなくなると言うのであれば、金額以外の何か付加価値をみつけて提供したらどうでしょう?
難しいですか?
難しいですよね?私もこんなちっぽけな修理屋ですから、これと言ってどうして良いのかわかりません。
でも、ちゃんと直してお客様にお返ししたいという気持ちは捨てられませんよ。
私は、自分だけじゃなくこの業界全体が良くなれば良いのにと考えています。
マジメに一生懸命やってる人が損をするのは嫌です。
そして「板金塗装屋なんて・・・。」と言われるのが悔しいです。
ちゃんと直してその対価として代金を頂けるようになりませんか?
非常に繊細で高い技術が必要な仕事をしている訳ですから、世間に認められる業界になりましょうよ!
お客様にもご理解を頂きたいと思います。
自動車の修理は、設備投資や運営に関わる経費、材料や部品代も含めて考えるとどうしても費用は掛かってしまいます。
「工賃だけでしょ?安くしてよ。」的な考えは、修理作業者のモチベーションや責任感の低下へと繋がります。
企業努力として低価格で提供できるところもあれば、手間を省くことで低価格としているところもあります。
何でもそうですが、安いにはそれなりに必ず理由があります。
どこへ依頼するかはお客様の判断によるものですのでお任せするしかないですが、値段以外のところも踏まえてお考え頂きたいとお思います。
PS.
あ~、言いたい事書いてたらまた長くなっちゃたな~。
でも、一般ユーザーさんが知りたいところってそういうところなんじゃないのかな?
バカ正直に本音を語りすぎたかな~。
こういうこと書いてる私は悪者?
でも、わかったんですよ。
言わなければいつまで経っても伝わらない、変わらない。
職人は何も語らずひたすら仕事に向かっていれば認めてもらえるなんてのはありえないって事が。
何も語らない方がカッコイイ、紳士的かもしれないけど、カッコ悪くてもいいから何か伝えたい。
そんな感じです。
長野県伊那市西春近6564-1
TEL 0265-98-6628
e-mail needs@air.ocn.ne.jp
営業時間 9:00 ~ 18:30
定休日 日曜 ・祝祭日
(事前にご連絡頂ければ、営業時間外・休日でも出来る限り対応いたします。)
伊那市・駒ヶ根市・箕輪町・南箕輪村・宮田村・飯島町・その他遠方からもお越し頂いています。
当店へのアクセス お問い合せ