押し込まれたバックパネルの引出し作業。
バンパーは衝撃を受けても柔軟性がる為にある程度は元の形に戻ってしまいます。
その他の部分は元には戻らないので凹んでいるのですが、バンパーを外さないと見た目上わかり難い所です。(;^_^A
この車両の場合はテールゲートも損傷を受け変形しているのですが、お客様目線では内部の状態がわからない為にテールゲートとバンパーを修理すれば良いだろうと思われていたと思います。
ですが、やはりこの部分も押し込まれている限り修理しない事には正常に部品が取付けられないのです。
引き出して修正した量と言うか寸法は5、6ミリです。
普段の生活の中では5ミリ位ってほとんど感じない数字だと思いますが、自動車修理において5ミリの狂いは大きいですよ。
フェンダーとドア、フロントドアとリヤドアなどにあるすき間は、だいたい5ミリ前後です。
5ミリ無いのが多いかもしれません。
そのすき間が全く無くなってパネルとパネルがくっ付いていたら、明らかにおかしいと思いますよね?
意外と5ミリの誤差って大きいんですよ。
1ミリ違うだけでも差が大きいと感じるところもあります。
この車両においては5、6ミリ押し込まれた事によって、テールゲートを新品に取替えたり又は板金して元の形に修理した際に水の侵入を防ぐ為のウェザーストリップがパネルに密着しなくなり雨漏りしてしまう可能性があったり、テールランプやバンパーの取付け状態が奥に入っていて、さらに内側に寄ってしまっています。
引き出して正常な位置に戻すと、ウェザーストリップはしっかりパネルに密着するようになり、テールランプやバンパーは高さが左右でほぼ同じになりますし、外側に向かって開いてきますのですき間もほぼ同じになります。
この変化を写真に撮っておけば良かったな~と、今ブログを書きながら反省。
言葉だけでなく、見ないとわかりませんもんね。(T_T)
作業に夢中になっていると写真撮り忘れたりします・・・。
修理を依頼される方の気持ちとしては見えない所は直さなくてもいいから見える所だけを直して安くやって欲しいという気持ちもあるでしょうし、その気持ちもわかりますが、見えなくなってしまう所を正常に戻さないと見える所も直らないのです。
バックパネルを直さず安く上げる事も可能と言えば可能のですが、そうするとテールランプとバンパーは反対側に比べて奥に入ってますし、内側に寄っているのですき間も狭い状態。
そしてバンパーを固定するボルトは1本付けられないので外したままで、雨漏りしても我慢して下さいとなってしまうので、それで良いかと言えば良くないはずです。
見た目ではたいしたことないと感じていても、自動車修理は予想以上に費用が掛かってしまう事もございます。(>_<)
いつものようについつい話は長くなってしまいましたが、
パネルの合わせ目のシーリングも割れてしまっていたので、シールし直して
クランプ跡も出来るだけ残らないよう処理して、塗装まで完了です。
残すはテールデートとバンパーですが、修理完了までもう少しお待ち下さい。