日々読書。 -70ページ目

日々読書。

アメコミと、スティーブン・キングの小説や映画など、気になったことを書いています。

ライディング・ザ・ブレット/アーティストハウス


スティーブンキング積み本消化第9弾
ライディング・ザ・ブレット アーティストハウス 約100ページ 評価:C
原書では「なにもかもが究極的」の中の一編ですが、日本語版では
ライディング・ザ・ブレットが先行単独販売され、残りの13の短編は
第四解剖室と幸福の25セント硬貨に分冊され発行されています。
このライディング・ザ・ブレット、もともとは電子書籍として発売されました。
諸般の理由で、電子書籍としては各国への翻訳はされていませんが、日本、ドイツ、オランダ、イタリアでのみ書籍としての出版が認められ、こうして翻訳出版される運びになったそうです。

大学に通うアル・パーカーに母親が脳卒中で倒れたという連絡が入る。
急遽母親が搬送された病院へと向かうアル。
車が故障していたため、ヒッチハイクで向かう事になるが・・・

一応ページ数的には100ページちょいありますが、一ページあたりの文字数が少なく
あっという間に読んでしまいました。
物語としては、ちょっと不思議なホラーといった感じで、暗い森の中を通っている道路でのヒッチハイク、丘の上にある小さな墓地などホラーの雰囲気満点。
なんというか、眠れない夜に聞くちょっとした怖い話といった感じがする作品でした。
このヒッチハイクでの体験から、主人公の考え方が変わりますが、それがクリスマス・キャロルを連想させ、この主人公はキング版スクルージなのかなと思いました。
スティーブン・キングはこの作品を書く前の1999年6月、車にはねられ足を折るなどの重傷を負います。その後、自伝の「小説作法」は別として、このライディング・ザ・ブレッドがリハビリも兼ねた事故後初めての作品だったと聞きます。アル・パーカーを通した作者スティーブン・キングからの一言で終わるなど、だから他の作品に比べて、メッセージ性が強いのかな。きっと、事故後色々と思うことがあったんだろうなぁ。

映画版ライディング・ザ・ブレット


こうして各作品を読んでみると本当に多くのキャラクター、舞台が作品を超えて登場しているんだなぁと実感しています。折角、こうして自分で読んでいるので、他作品のキャラクターが登場もしくは言及された箇所を一つ一つ挙げてみようかなと思います。たぶん、気が付かないでスルーしてしまうことも多いと思いますが・・・(笑
「ニードフル・シングスで登場した○○は、××でも登場」といった感じで作品ごとに少しずつまとめて、紹介していきたいと思います。

ちょっとキャッスルロックから離れて、違う作品でも読んでみようかな。
という事で次は、キングが娘に向けて書いた作品、ドラゴンの眼を読んでみます。
The Walking Dead コミックス版 #005
感想とあらすじ *ネタバレあり!
ウォーキング・デッド/飛鳥新社
¥3,150
RickとShane監修の元、前回集めてきた銃で、男女問わず銃撃練習を行なっています。
周りにゾンビが溢れてしまった世界では、各自が身を守るすべを身につけるのは必須ですよね。

Rickがキャンプにたどり着いてから、数話が経過し、だんだんとメンバー達の関係もわかってきました。
やはり、一枚岩ではないんですね。どうしても、人が集まれば好き嫌いが出るのはしょうがないですが、
一致団結して、一人でも多く生き延びてもらいたいです。
RickとShaneの関係も意見の違い等が原因で徐々に悪化してきています。

その夜、焚き火を囲んで、キャンプメンバーそれぞれのゾンビが蔓延る前は何をしていたのかが語られます。どこに住んでいたのか、仕事や、アトランタに向かう途中何があったのか。

ここで初めて、メンバーの中から犠牲者が出てしまいます。
一人がトイレに立った際、喉を噛まれ即死。
ふと周りを見渡すと、ゾンビの大群。焚き火を囲んで話をしている間に大量のゾンビに囲まれていました。
幸い、銃と練習のお陰で、なんとかゾンビの撃退に成功。
被害は一人だけと思われたものの、もう一人、腕を噛まれてしまった事が発覚。
感染から発症まで、どれくらいかかるかわかりませんが、いずれにしろ時限爆弾を抱えて生きるようなもの。

これで、このキャンプの安穏とした生活は終わりを告げるんじゃないかと思います。
初めてメンバーから死者と、感染者が出てしまった今、彼らはどんな選択をするのでしょう。
次回、楽しみです。

#006へ続く。
ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)/新潮社


スティーブンキング積み本消化第8弾 2/2
新潮文庫 ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編より
ゴールデンボーイ 評価:D
約500ページ、そのうちゴールデン・ボーイは約350ページです。

秘密を抱えた老人と、快活な少年。
二人の人生が交わる時、運命は徐々に狂いだす。

強烈な作品でした。負のパワーに満ち満ちた物語です。
主人公はトッド・ボウデンという少年なんですがこれほど不愉快な気分にさせられたキャラクターは初めてかもしれないです。
この作品では「狂気」がテーマだと思うのですが、あまりにも見事に狂気を描きすぎてて、
全く感情移入ができませんでした。行動理由や考え方が意味不明、さらに非常に攻撃的で、
きっとこれが狂気そのものなんだと思います。
僕は彼らの行動が全然理解できませんでしたが、きっとそれで良かったんだと思っています。
理解できてしまえば、彼らと同じ狂気が僕の内に宿っていると言うことですから。
超自然的なものは一切出てきません。しかし、他の多くの作品でもあるように、人間そのものが一番怖いというのがよくわかる作品でした。
解説を見てみると、衝撃的な内容に出版社が躊躇し、キングにこれだけは外してもらえないか?と持ちかけたそうです。結局、紆余曲折がありこのゴールデンボーイは外される事なく出版されます。
読んでみると出版社が躊躇した、というのはよくわかる気がします。
映画化もされていますが、スタンド・バイ・ミー等と違って見たいなという気にはならない作品でした。

映画版ゴールデンボーイ


スタンド・バイ・ミーで、何とも切なくなる青春物語を、
マンハッタンの奇譚クラブでは、キングらしいちょっと不思議な物語を、
刑務所のリタ・ヘイワースでは、希望と光に満ちた物語を、
そして、ゴールデンボーイでは、人間の狂気を。
よくこれだけ、ジャンルの違う物語を書けるな~と驚いています。
しかも正も負もかなりのインパクトをもって描いているのには、脱帽せざるをえません。

さて、余談になりますが、この作品は、映画化もされているシャイニングを書き終わった後、たった二週間で書き上げたそうです。
シャイニング自体も1000ページ程の長編なのに、そこからさらに十分長編として通用するページ数を一気に書き上げるというそのエネルギーには驚嘆するしかないですよね。
ただ、ゴールデンボーイを書き終えた後は流石に精根尽きたらしく、3ヶ月の間何も書かなかったそうです(笑
そういえば、映画のシャイニングでも主演のジャック・ニコルソンが狂気に取り付かれていった記憶があります。狂気を取り扱った作品を続けて書いたことになりますが、この時期キングの中で何があったんでしょうか?

先ほど、録画してあった黒の家という貴志祐介原作の映画を見たのですが、そちらでも凄まじいまでの人間の狂気が描かれており、この作品と共になんだか強烈なダブルパンチを受けてしまい、今、ちょっとぐったりしてます(笑
以前読んだ貴志さんの作品が面白かったので、前知識無しに見たのがまずかったかな・・・
次は、気分転換に短編を読んでみようかな。
ということで、次はライディング・ザ・ブレット。 これも狂気を扱ってたらどうしよ(笑