ゴールデンボーイ | 日々読書。

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ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)/新潮社


スティーブンキング積み本消化第8弾 2/2
新潮文庫 ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編より
ゴールデンボーイ 評価:D
約500ページ、そのうちゴールデン・ボーイは約350ページです。

秘密を抱えた老人と、快活な少年。
二人の人生が交わる時、運命は徐々に狂いだす。

強烈な作品でした。負のパワーに満ち満ちた物語です。
主人公はトッド・ボウデンという少年なんですがこれほど不愉快な気分にさせられたキャラクターは初めてかもしれないです。
この作品では「狂気」がテーマだと思うのですが、あまりにも見事に狂気を描きすぎてて、
全く感情移入ができませんでした。行動理由や考え方が意味不明、さらに非常に攻撃的で、
きっとこれが狂気そのものなんだと思います。
僕は彼らの行動が全然理解できませんでしたが、きっとそれで良かったんだと思っています。
理解できてしまえば、彼らと同じ狂気が僕の内に宿っていると言うことですから。
超自然的なものは一切出てきません。しかし、他の多くの作品でもあるように、人間そのものが一番怖いというのがよくわかる作品でした。
解説を見てみると、衝撃的な内容に出版社が躊躇し、キングにこれだけは外してもらえないか?と持ちかけたそうです。結局、紆余曲折がありこのゴールデンボーイは外される事なく出版されます。
読んでみると出版社が躊躇した、というのはよくわかる気がします。
映画化もされていますが、スタンド・バイ・ミー等と違って見たいなという気にはならない作品でした。

映画版ゴールデンボーイ


スタンド・バイ・ミーで、何とも切なくなる青春物語を、
マンハッタンの奇譚クラブでは、キングらしいちょっと不思議な物語を、
刑務所のリタ・ヘイワースでは、希望と光に満ちた物語を、
そして、ゴールデンボーイでは、人間の狂気を。
よくこれだけ、ジャンルの違う物語を書けるな~と驚いています。
しかも正も負もかなりのインパクトをもって描いているのには、脱帽せざるをえません。

さて、余談になりますが、この作品は、映画化もされているシャイニングを書き終わった後、たった二週間で書き上げたそうです。
シャイニング自体も1000ページ程の長編なのに、そこからさらに十分長編として通用するページ数を一気に書き上げるというそのエネルギーには驚嘆するしかないですよね。
ただ、ゴールデンボーイを書き終えた後は流石に精根尽きたらしく、3ヶ月の間何も書かなかったそうです(笑
そういえば、映画のシャイニングでも主演のジャック・ニコルソンが狂気に取り付かれていった記憶があります。狂気を取り扱った作品を続けて書いたことになりますが、この時期キングの中で何があったんでしょうか?

先ほど、録画してあった黒の家という貴志祐介原作の映画を見たのですが、そちらでも凄まじいまでの人間の狂気が描かれており、この作品と共になんだか強烈なダブルパンチを受けてしまい、今、ちょっとぐったりしてます(笑
以前読んだ貴志さんの作品が面白かったので、前知識無しに見たのがまずかったかな・・・
次は、気分転換に短編を読んでみようかな。
ということで、次はライディング・ザ・ブレット。 これも狂気を扱ってたらどうしよ(笑