由依side


私はこの学校の生徒会長をしている。毎日昼と放課後に校内を見回る。
しかし一人問題児がいる。

制服を着崩し、先生には舐めた態度を取っていて、挙げ句の果てには色んな女の子を口説いている。確かに背が高くて、顔もかっこいいと思うけど、でも生徒あるまじき姿ではない。だから私はいつも注意してるのだけれどビクともしてくれない。


由依「だからちゃんと制服着てって」

理佐「着てるじゃん」

由依「もう私が直してあげる」

私は理佐のネクタイに手を掛けた。しかし手首を掴まれてしまった。

由依「何よ」

理佐「そんなことどうでもいいからさ遊ぼうよ」

何言ってるのこの人。本当馬鹿で呆れるわ。

由依「チャラい人嫌い」
「後あなたに構ってる時間は無い」

理佐「釣れないなつまんな」
「じゃ用ないからどいて」

由依「ちょ、あタバコだめだって」
「理佐!」

はぁ。毎日こんな感じで疲れちゃうのよ。
先生も生徒会のみんなも手に負えなくて諦め状態。
不良の相手は想像していた以上に大変だ。








放課後、私たち生徒会は来月の学園祭に向けての話し合いを進めていた。その為帰るのが少し遅くなってしまった。
外は暗くて少し怖い。





しばらく歩いていると前方から二人のヤンキーっぽい人が来た。

  『これが櫻学園の生徒会長か』

  [案外可愛いな]

  『今から楽しいことしようよ』

由依「え...」

私は恐怖心から声が出なくなってしまった。


しかし後ろから声がかかった。


  「何してる」

  『うわ、理佐じゃん』

  [早く逃げるぞ]


理佐「何もされてない?」

由依「うん...」

理佐「気をつけて帰りな」

由依「やだ、怖い」

私は無意識に理佐の袖を掴んでいた。

理佐「学校での威厳な感じはどこにいった」
「可愛いね」

可愛いと言われて少しドキッとしてしまった。

由依「今はいいから」

理佐「誘ってんの?」

由依「違う」

理佐「意味わかるんだ笑」
「真面目だと思ってたんだけどな」

由依「真面目だもん」
「外でもちゃんと制服着て」

理佐「なに?ここにきても生徒会長アピール?」
「ホテル行こうよ」

由依「は、行くわけないでしょ」
「そうやっていつも色んな人を誘惑してるんだ」
「捨てられたって生徒会室に色んな子が相談しに来るんですけど?」

理佐「捨てられたって何を?」

由依「どうせそういうことしてるんでしょ」

理佐「そりゃするでしょ」

由依「意味分かんない。本当に何考えてるのかすらも」

理佐「じゃあバイバイ」

由依「何でよ」

理佐「だって話しても理解出来ないんでしょ」
「帰る」

由依「怖いから一人で帰れないの!」

理佐「家まで送れと」

由依「別に家までじゃなくてもいいけど」

理佐「ツンデレ?笑」

由依「もういい。早く行くよ」

理佐「ホテルに?」

由依「はあ?家だよ」

理佐「はい」



由依「うん。タバコやめて?」
「未成年」

理佐「吸ってみる?」

由依「吸わない」

理佐「真面目だ」

由依「真面目じゃなくて当たり前のことね」

理佐「やっぱ釣れないな」

由依「悪かったね」




歩き始めて5分くらい経った後、不運なことに雷が鳴り出し、雨がポツポツと降ってきた。


由依「傘忘れちゃった」

制服濡れちゃうしやだな。

理佐「これ着ていいよ」

理佐は制服の上に着ていたジャケットを脱いで私に掛けてくれた。
ちょっと大きい...恋人みたい。

由依「でも理佐のが濡れちゃう」

理佐「自分はいいから、少し早く歩こ」
「雷怖いんでしょ。ほら、くっついていいから」

由依「ありがと...」

急に優しくなるのなんなの。ドキドキしちゃうじゃん。

理佐「あぁ、車道側歩くから」

そう言って場所を変わってくれた。やっぱ女の子慣れしてる。

由依「慣れてるのね」

理佐「何が?」

なんでこの人察する能力というか会話の雰囲気が読めないの?

由依「服貸してくれたり、車道側歩いてくれたり」

理佐「いや可愛い子雨で濡らしたくないじゃん」

由依「もう、なに」

理佐「思ったことを言ってるだけだよ」

由依「バカ...」


ドキドキが止まらなくなってしまった。
さっきまでそんなことなかったのに、何でこんな不良な人のこと意識しちゃってるの。







由依「ここで大丈夫だよ」

理佐「分かった」

由依「あの、」

理佐「ん?」

由依「送ってくれてありがと」

理佐「全然」
「じゃね」


家に入って気付いた。

服、返し忘れた。







翌日

私は理佐に服を返しに行った。

由依「これ、返し忘れちゃって」
「貸してくれてありがとう」

顔をじっと見られてる気がする。

由依「何よ」

理佐「可愛いな」

由依「えっ」

理佐「ほら」

理佐は少し遠くの方を指差した。

由依「はあ?」

勘違いしちゃったじゃん...どうしてモヤモヤするの。

理佐「何怒ってんの」

由依「別に怒ってないし」

理佐「じゃ声掛けてくる」

由依「ねぇちょっと!」


理佐のことが少し気になってしまった私の心はもっと騒がしくなった。
この気持ちを伝えたとしても、色んな女の子に手を出してる理佐にはどうせ分かってもらえないんだろうな。

fin

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