メガネコ食堂弐号店 -233ページ目

ブログ小説「Gを狩る者」第2話~包囲網~。

この物語は多少の誇張表現はあるものの、限りなく現実に近い、いや実際に起きた悪夢の記録である。


第2話~包囲網~。


カタタタ カタタタタ

まるで安価なキーボードをさっと撫でたかのような音が確かに現実の世界で鳴っている。ふと視界の隅を何かの影が横切っていった。

「G」だ。

雑然とした部屋に積んである空き缶の袋の中だろうか。さらにもう一つの影が玄関ドアの近くからこちらに接近中だ。

この程度なら日常でも起こり得る事象で、放っておけば見えないところに潜り込み気配すら遠くなる事が多いのでさして気にもしないのだが、今回は何かが違う。

様子を伺っていると、玄関近くの一匹が身震いした瞬間、恐ろしいスピードで中空に踊り出し、そのまま部屋中央の電灯の笠に着地した。

「うわっ!飛びやがった!」

戦慄が走り、俺の全身を鳥肌が覆う。今感じているのは紛れもない、高純度の恐怖だった。


「G」は飛行能力を有している。しかし滅多な事では飛ばない、というか個人的には都市伝説レベルの話だと思っていた。

しかし目の前で確かに空を舞ったのだ。そんな衝撃的な光景から落ち着きを取り戻しかけた瞬間、俺の目はまたしても想像外の光景を捉えた。

新たな「G」の個体がカーペットを這いながら接近してきている、それだけではない、今自分がいるベッドのすぐそばの天井にも一体。さらに背後にもう一体の気配。最低でも5匹の「G」に囲まれている事になる。

落ち着け。心の声が響く。

今にも表面化してきそうな恐怖心を
必死に抑えていたその時、天井の個体が身震いを始めた。

やばい!それが飛ぶ前の予備動作だと気付いた瞬間、先程まで天井にいた「G」は俺の顔のすぐ横を通り、ベッドに着地し、俺はワンテンポ遅れて横に身を捻る形となった。

それが合図だったかのように他の個体も次々と部屋の中を飛び回り出した。今まで都市伝説だと思っていた飛び回る「G」。それが視認し得る限り、同時に4体もだ。

今だかつて経験した事のない恐怖に、身体中の毛が逆立つ様がスローモーションでわかる。

しかし身体を捻って体を替えた際、横にあるノートパソコンに頭を強打したのが幸いしたのか、パニックになる寸前で、俺の頭は不思議なほど冷静さを取り戻していた。

そして一つの感情が俺の心をどす黒く染め上げていった。



第2話、了。


次回「Gを狩る者」第三話~宣戦布告~。へ続く。



ブログ小説「Gを狩る者」第1話~兆し~。

この物語は多少の誇張表現はあるものの、限りなく現実に近い、いや実際に起きた悪夢の記録である。


第1話~兆し~。


俺は夢を見ていた。粘着質な雰囲気がやけに真に迫る、奇妙な空気を孕んでいた。
 上京して10年以上経つが場面は田舎の生家、突然何かのシグナルを察知したかの如く、弾かれたように二階へと続く階段を駈け上る自分、
そこにあるのは両親の寝室。と次の瞬間階下から妹の悲痛な叫びが響いてきた。

「Gが!Gがたくさん!普通じゃない!このままじゃ、、」


『G』とはもちろん水回りを好み、黒く光る不気味な体躯とその内部に強靭な翅を隠した、我々人類に仇なす驚異の生命体の事だ。その姿は醜悪にして人間の忌避本能を強引に引きずり出すほどの禍々しさを備えている。


階下の異常事態に俺の本能は「逃げろ」という指令を早鐘の様に全身に打ち続けている。張り詰めた緊張感が狭い空間を支配しきるその刹那、俺は弾き出されるように窓の一つから屋根に踊り出た、、


とここで夢の世界のスイッチは切られ、現実の世界に火が灯る。
 目を開けるといつもの部屋のいつもの光景。雑然としてるが不思議と落ち着く自分だけの場所。
 知らず知らずに溜まった疲れのせいだろうか、うたた寝をしていたようだ。

カタタタ

徐々に覚醒しつつあった聴覚器官が少しずつ、部屋に流れる微細な空気の変化を伝え始めていた。

カタタタ

そして自分がすでに恐怖の夜に足を踏み入れていた事を、この時の俺にはまだ知る由もなかった。

カタタタ カタタタタ




第1話、了。


次回、「Gを狩る者」第2話~包囲網~。へ続く。





快青の話。

梅雨入りしてから、妙に天気がいい日が続いてますね。

というかもう完全に夏の日差しじゃないかこれは。まだ夏を迎える準備は出来てないのでもうちょっとだけ待ってほしいですね。


それより何よりやりましたな!ザックジャパン!また楽しみが増えましたよ。


快晴の空に勝るサムライブルーはまさに快青。闘う男たちはカッコいいですな。