ウリエちゃんのウリウリな気持ち(小説・ツクヨミ夜話) -4ページ目

ウリエちゃんのウリウリな気持ち(小説・ツクヨミ夜話)

実験的妄想科学純愛物語「ウリエちゃんのウリウリな気持ち」へのご訪問ありがとうございます。ユルユルUPしてまいりますのでヨロシクお願いしますです。尚、この物語に登場する人物団体等は実在のものとは一切関係ありませんです〜。

ウリエちゃんのウリウリな気持ち
ーウリウリの4ー
「ネズミさんは苦手ですぅ~」


最近ウリエは、A君のことを頻繁に思い出す様になっています。ココロがチクタクしています。

「相変わらずアホですか。心はチクチクとかドキドキとかするもので、チクタクなんかしません。あなたの心臓は時限爆弾かい…」
「えーっ、チクタクしてますよ~」。
出ちゃいました~っ。5年ぶりくらいです。
「何のご用ですか?ウリエのことはもうほっといてください」
「ほっとけないから出て来たんじゃない」。
ツキエちゃんは、ウリエの頭ん中に住んでる人です。何かあるたんびに出て来てはウリエにお説教をします。はっきり言ってウザイです。なんなんですか。ウリエって多重人格なんでしょうか。
「アホか、多重人格なんかじゃありません。ツキエは、あなたと同じ人物です。あなたが面倒なことを全て放棄して行くので、しかたなしに別のあなたが、つまり私が放ったらかしにされた物事を整理しているのではないですか。まるで五番目のサリーみたいな扱いは辞めてください」
「訳が分かりませんよ~。五番目のサリーってなんなん?」
「あーあ、昔、ダニエル・キイスの本読みましたよね」
「???」
「ほら、今、アルジャーノンに花束を、ってドラマ観てるじゃない。あの原作者がダニエル・キイス」
「あ、ネズミさんのやつだー!」
「正解!五番目のサリーは、彼の作品よ」
「で、ネズミさんとツキエちゃんと何の関係があるんでしょう?お友達ですかねぇ。ウリエはどっちかと言うとウサギさんがいいのだけど…あ、絶対カラスさんはやめにしてください」
「あーそのウサギさんとか、カラスさんとか、ブリブリ天然ぶってるの辞めて欲しいし」
「ウザイ…」。

「で、なんなんですか?今のウリエは平穏無事に生活を営んでいるのですから、ツキエちゃんの出番はありませんよ」
「A君を好きになろうとしている」
「べ、別にいいじゃないですかウリエが誰を好きになったって」
「好きなタイプじゃないしー。たまたま、呑み屋でちょっと楽しかっただけでしょ」
「ツキエちゃんがタイプじゃないだけで、ウリエはイイ感じなんだからほっといてください」
「だからー、私とあなたは同一人物だって言ってるじゃない」
「知りませんよ。も、いいですから、どっか行っちゃってください」。

ツキエちゃんみたく、一方的に言われた日にはウリエだって腹が立ちますよ。だから今日は、タマちゃんには誘われてないですが、一人で、こないだ行ったキッチンバー「黒豚」に行くことにしました。
お店は空いてました。テーブル席に一人女子さんがビールを飲んでいるだけでした。ウリエはこないだと同じカウンターの一番奥に座りました。タマちゃんと付き合うようになってから、奥や端っこばかりなので、カラダに習性がみに着いちゃったみたいです。
思い出しました~、テーブル席の女子さんはこないだもテーブル席でビール飲んでた人です。タブン…。確かあの時もキツネさんのお面を被ってましたねぇ。
静かな空気が漂ってます~。と、マスターが話しかけてくれました。
「こないだタマちゃんと一緒だった…」
「はい、ウリエです」
「タマちゃんとカンちゃん、よく来てくれますよ」。
ウリエはあれ以来お誘いはありませんよー。また、仲間はずれですね。

しばらくすると、パラパラとお客さんが入って来ました。この前も会ったスーツのおじさん、カラダの大きいお兄さん、仮面にマントの無口な人とかです。いろいろお話しが盛り上がって、ウリエはフンフンと聞き役ですが、案外楽しく過ごしました。
この日、分かったコトはスーツのおじさんが鶴田さん、だと云うことです。頭が禿げてるから鶴田さんかなぁ…そんなわけないですねぇ、へへ。と一人で考えていると、ウリエの横にあのキツネさんが亡霊のように立っていました。ちょっとビックリしましたが、レジでお勘定のようです。キツネさんはボソッと小声で言いました。
「鶴田輝彦さんです」
「???」
「それと、頭に何か乗ってます」。
そういえば、さっきから頭がモゾモゾしますねぇ…。
「ギェェェェェェッ!ネズミさんですぅ~っ!」


ネズミさんが頭に乗っかっていたのには、ウリエもチョービックリでした。ネズミさんは苦手ですねぇ。もうドラマの「アルジャーノンに花束を」は観ないことにしました。

A君には会えなかったけど、なかなか楽しい一日でした。また一人でも、このお店には来れるような気がします。
帰り道、まんまるいお月様を眺めていると、鶴田輝彦さんと云う言葉がクルクル頭ん中を巡りました。禿げで、ツルタで、テルヒコなんて、出来過ぎです。思わずププッーって笑っちゃいました。

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ツクヨミ研究所の一夜 アナザーストーリー「ウリエちゃんのウリウリな気持ち」より
ーウリウリの4ー
ツキエちゃんと鶴田輝彦さんとネズミさんは苦手です