恋は二度目のアネモネ -59ページ目

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三月。

雨が降るたびに
春が近づいてくるんだよって
顔も忘れた誰かが言ってた。
あれは誰のせりふだっただろう。


室内と車内にいるときの雨はだいすき。
水槽の中にいるみたいで安心するんだ。




図書館のことを、「としょ」ってよんでる。
ときどきふざけて、ずしょ、って言ったりもする。
お休みの日は、平日に読んだ本の返却と、次に読む本の確保のために必ずとしょに行くんだ。

読んだ本が増えてきたから
携帯で読書アプリをダウンロードして記録することにした。
読了が増えるたび、楽しく誇らしい気持ちになるんだ。
最近読んだ北村薫の空飛ぶ馬っていう本がすごくよかったので星みっつで記録したよ。


読みたい本をたくさん予約しているけど、
としょの本は、人気の本なら順番待ちが多い。
こないだ予約した本も、三百人から待っていたから
一年くらい待たなきゃかしてもらえないんじゃないかしら。
ぬーん。
けど、好きな本がたくさん、しかも無料で読めてほんとに幸せ。
本を開かない日はないから
としょの近くに引っ越してよかった !


三月。

雨がやんであたたかくなったら、
外に出てお花見をするんだ。

春はあけぼのというけれど、
春は四六時中もやがかかっていて、
夢のように浮かれてしまっても仕方がないのだ










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先日、ジャズバーだなんてお洒落っぽい場所に行った。
真夜中になる少し前に、ひとりで。
知らないお店にひとりで入るとき、
いつもならドキドキするんだけれど、
その夜のわたしは何故だか根性が座っていたので、
とてもすんなりお店のドアーを開けて、
カウンターの椅子にするりとすべりこんだのだった。

お客はわたしの他に一組いたけれど、
すぐに帰ってしまった。

温野菜をつまみにウイスキーを二杯呑んで、
優しい奥様とお茶目なマスターと3人で
真夜中を少し過ぎるまでおしゃべりをしたんだ。
黒いオルフェが流れてた
すてきないい夜だった。



昨日はとてもアグレッシブに活動したので
今朝になっても、歩きすぎた足が痛い
いろんな声をゆるゆるよけながら、
妄想の世界を散歩しているんだ。
妄想は疲れないけど、現実の地面はかたくて、歩くのはとても疲れるから、
足を武装するために新しいくつを買った。
兜よりもつけまつげで、
鎧よりも初めて履くスカートで女は強くなるのだ
新しい靴で歩いたら、マリオがキノコを取ったときの音が聞こえるんだ
パワーアップ !


今日は可愛い女の子たちに鍋パーティーに誘われてる。
わくわくわく
ワインを買わなきゃ。
お鍋でもシチューでもロールキャベツでも、おいしいものはただ美味しく食べるのがいい
だけどアミルスタン羊に舌鼓を打つには、
アミルスタン羊をまず深く愛さなければいけないんだよ。










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雪が、たくさん降った。
窓越しに眺めるそれよりも、
しんしん降り積もっていく生身の雪が美しくて、
白に感化されたわたしは、
ちいさな雪だるまと
真っ白なシチューを作ったのだった。


もう雪だるまはとけたし、
シチューのお鍋はからっぽになった。
春はまだかな。

こんなに寒くて、雪が降ったり不便でも、
季節がある国に生まれたということはとても幸福なことだって思う。
季節には足音があるんだ。
心待ちにしていたその微かな音が聞こえたとき、
何ともいえない幸せが満ちてゆくんだよ。

この世で生きていくこつは、
どんなに小さくても、
楽しみや幸せをたくさん見つけていくことなんだ。

春の風は、とてもいい馨がするから
起きていたって夢のようで、
春の夜に窓を開けてただじっとしているだけで、
心のなかに桃源郷をみつけられるんだよ。

常夏も常冬も、美しい常春だって
四季のある幸福には敵うまい。




泣かない女だったわたしは、
最近、泣く大人になってきた。
根拠はないがこれはとてもよい傾向だと思う。
地球の大部分も、人体の大部分も水で構成されてるんだから、
大地の汚れも心の汚れもやっぱり水で流れていくんだと思う。
泣くことは流すことなんだ。


最近では音楽とか、人間の悩みとか、葡萄の品種とかで泣いた。
すべての根底には結局愛があるんだ。

泣けないわたしは
泣く人になりたかったから、
泣きながら、
しめしめ、わたしは泣く大人になってきているぞ、と思ったりもする。
悲しいときに悲しいことだけ考えて泣かなきゃいけないなんて決まりはないからそれでいいのだ。
心なんて多面体でぐるぐる回ってるんだから、わたしのそれが普通なのだ。


嬉しくて泣くのも、悲しくて泣くのも、
何で泣いてるかわからず泣くこともあるけど、
泣くと、心がふやけてやわらかくなるようなんだ。


些細なことで泣いて、
深刻なことを気楽な言葉に変換できるような人になっていきたい。

賢い人は、いつだって優しい。
賢い人にはなかなかなれないから、
せめて優しい人になりたいなって思うんだよ。













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家から徒歩五分くらいのところに図書館があって、
引っ越してきてからよく利用してる。
その図書館には置いていない本も、
ネットで予約したら他の図書館から取り寄せてくれるっていうシステムを最近知って、
自分の読みたい本をどんどん予約するようになってからは、さらに足繁く通うようになったのだ。
読みたい本を何冊でも取り寄せできるなんて夢のように素晴らしい !
これが全部無料だなんて太っ腹だとしか言いようがないよ。


最近は、有名だけど今まで読んだことなかったミステリー小説をよく読んでる。

とても面白かったのは宮部みゆきの模倣犯で、少しでも時間があればずっと読んでた。
読み終わってからも、夜道の陰にヒロミとピースが潜んでいるかもしれないとか思えてこわかったし、登場人物のおじいさんを何度も抱きしめたくなった。これはすごいことだよね。

歌野晶午の、葉桜の季節に君を想うということは面白かったけど文体があんまり好きになれなかった。男の寒い感じっていうのかな。
出てくる女たちもことごとく寒かった。

今日は綾辻行人の十角館の殺人を読み終わったんだけど、
ページをめくって書かれていた、たった一行にやられてしまった。
あーー面白い。
ページをめくったらそれしか書かれてないっていう演出も面白い。
衝撃度が増すよね。
やっぱりミステリーは映画より漫画より
小説の形が断然面白いって思う。
これはもう誰が何と言おうと絶対そうなのだ。


面白い本を読んでる間は、
読む楽しみがあるから毎日わくわく幸せな気持ちで暮らせる。
映画とか舞台と違って、空いてる時間に少しずつ楽しめて、読み終わるまでわくわくが続くんだ。もちろん一気に読んだっていい。予約したい本はまだまだたくさんある。

面白い本との出逢いは、すてきな男の子との出逢いみたいなもんだ。
人生の最高の暇つぶしなんだ。

わたしは電子書籍が大嫌いで、
そんなもんで小説を読むなんて無粋な真似はしないと決めてる。
漫画とか雑誌は電子書籍でもいいんだけど
小説だけはいやなんだ。
とにかく無粋だ。
ぜんぜんお洒落じゃない。
美しい書物たちが、実体のないデータに侵食されて、やがてこの世からなくなるなんて嘆かわしいことが起こらないことを祈るばかりだ。

次はロートレック荘事件と重力ピエロを読むのだ。
もちろんもう予約済みです。








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くらげは、海の月って書くのよ
すてきね

ゆらゆら、かたちを変えて生きてる。
月みたいに。
暗い水の中で、ぼんやり光っているんだ。
海月。

変えるのと、変わるのは違う。
最初から誰もいないのと、いるのにいないのも、違う。
言葉をつくるのと、言葉を話すのも全然違う行為だ。

ゆらゆら
常にゆらゆらしてる。
わたし。
彼女には、わたしが揺るぎなく見えるらしい。
ゆらゆら
とんだ勘違いだよ。

あのとき、何としてでも取り返したかった言葉があったけど、
今となっては取り返せなくてよかったって思う。
そもそも、一度放った言葉などはどうしたって取り返せやしないのだけれど。
あのときどうしても取り返したかった言葉は、
糸が切れた風船みたいにどこかへ飛んでいってしまって、
もうひとかけらの文字も思いだせない。

あのとき取り返せなかった言葉のおかげで、
今ここにいるんだ。
そしてずっとゆらゆらしてる。
熱を出したり、ないたりもしながら。
ゆらゆらは幸せなのだ。

ゆらゆら
くらげも夢をみたりするのかなあ

ゆらり。