冷蔵庫の余り物で、ピザを作った。
じゃじゃ〜〜ん
アメリカのピザの味がした。
ディズニーランドのピザポートで提供されているのもアメリカ味のピザで、あれがやけに美味しい。
アメリカのピザの味は、人を陽気にさせる。
素朴な幸福がある。
サイズもビッグだし、
ジャンクなお茶目さがあるのだ。
隣の人と肩を組み、ビールを片手に歌い出したってかまわない。
みんなでアメリカ味のピザを分け合って、
イッツアスモールワールドの大合唱をするのだ。
世界はせまい ! 世界はおなじ !
そんな妄想をしながら、アメリカ味のピザをたいらげた。
おなかいっぱい。
食べすぎて後悔する。
そしてわたしがほんとうに好きなのは、
イタリアのピザの味なのだ。
オーマイガッ
◉◉◉
小山田浩子の『穴』を読みおわった。
【あらすじ】
仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ夏。見たことのない黒い獣の後を追ううちに、私は得体の知れない穴に落ちる。夫の家族や隣人たちも、何かがおかしい。平凡な日常の中にときおり顔を覗かせる異界。
不条理だった。
むっと匂い立つような文章で、
解説もなく、解決もなく(そもそも問題提起がない)。
読んでたら突然終わった。
わたしはとても好きだったけど、
何が書かれているのかを説明するのは難しい小説だったかな。
読み終わって思ったのは、
たとえば常識とか、
多数が肯定している価値観とかについて、
それをするする受け入れられる人間は、
受け入れられずに反発する人間よりもきっと楽に生きていけるということ。
仕事とは、嫁とは、家族とは、男とは女とは、の中にある不条理さにだって、
水にとけこむみたいに馴染んでしまって、
やがてその不条理の一部になるのだ。
楽なのはわかっているが、
わたしは
自分が考える前にすでに世の中で決まっていて、
しかも自分にとってあまり好ましくならないであろう体制や価値観に溶けこんで生きていくのは嫌だなあって思っていて、
わたしが日本でお嫁さんやお母さんになりたいって思えないのはそういう理由もある。
何せしょうもないことが多そうなのだ。
迎合できないことは、しないか変えていくかしかない。
我慢などはマゾヒストのすることであって、
わたしはサドでもマゾでもない。
イタリアのピザが好きな一般的な女なのである。
それにしても、
女の人が書く小説はグロテスクで不気味で面白い。
もちろん男の人が書くグロテスクも面白いけど、
グロテスクの種類が違うというか。
女はフィクションを書く上でさえも、
自身の性に基づいた生々しさを隠すことができないという点でひじょうに魅力的なのだ。
賢くてだめでどうしようもない女っていい !
おもろいよ !