恋は二度目のアネモネ -33ページ目


勿体無いから、
もっと言葉がつきるまで、
文学的にきみと触れ合いたい。
産めるだけ産んで、育てたいの。
もっと孕ませてくれなきゃだめなのよ。
野心なのか欲望なのか、
自分にだって判別がつかない。
それにしたって、
視線が熱くて困っちゃうわ。

どんどん若返る。
馬鹿になる。
変わらないものなんて、
この世にはないの。


小説の登場人物なのは、今だけだよ。
きみもわたしも、
文字の中でしか動けない、
架空の恋をしているだけなの。







嫌なとこも悪いとこも、
あなただから許してあげてたんだと、
気づく。
気づくね、まだまだ。
同じことをきみがわたしにしたら、
何の迷いもなくさよならだ。

細胞を一瞬さわがせたくせに
何だ、そういうことなの?
我々の不動の愛を強固にする、
きみは噛ませ犬ではないか。
噛ませ犬にしてはずいぶん知的で可愛いけど。

そう。
わたしって、そういうやつなの。
自分勝手で自由でずるい。
でも嫌いじゃないわ。
最高だもん。


ままならないほうがきっと楽しいんだけど、
そうじゃなくなってもいい。
いろんな遊びかたを覚えたから、
きっとどんなふうにしたって楽しいの。

いま夢中になれることに、
全力で夢中になればそれでいい。
死ぬとき誰とどうしたいかも、もちろん大切だと思うけど
クリスマスのきれいな世界を誰と見たいかっていうのも
おんなじくらい大事なことじゃないか。


さて今日も、
あたたかくて美味しい料理を
愛しいあなたに食べさせよう。













この世の誰にもばれないように呼吸をしようなんて、
虫が良すぎるのよ。
今日が今日で終わってしまったって、
わたしかまわないもん。
いつだってそんなふうにしか生きてないわ。
明日を信じるなんて、
意気地なしだよ。



秘密をいくつ始めたって、
どれだけ重ねたって、
そんなのアクセサリーをつけるようなものじゃないか。
わたしが、なにでわたしを飾ろうと、
あなたにもきみにも関係のないことだよ。

わたしは打ち明けない。
秘密は秘密。
わたしだけのものだ。









麒麟で人待ち。
1人でビールをのんで、
音楽を聴いてる。
わたしが口説いたの。
いいでしょ自分勝手にしてたって。
毎日別の可愛い人と、
まるっきり健全なお付き合いをして、
どんどん真面目になっちゃうじゃない。
わたしの猫はアネモネなのに。
真面目な女の子は可愛くないから、
わたしは真面目になんてならないわ。


可愛い子から可愛さを受け取って、
わたしは貪欲に満足を得る。
きみが好きなんじゃないの。
わたし、
わたしが好きなのよ。








雨の中、
誰もいない朝を歩くのは、
とても心地がよかった。

冬に聴く夏の歌は、
ちぐはぐな憂鬱にはぴったりだ。

ちょっと肌寒いくらいが好き。
ちょっと痛いくらいが好き。


視線をわざと避けるクセを、
ときどき解除してみる。
挑発。
勝負だ。
予定調和は、嫌いじゃない。
わかりやすい素直さも。

お腹がすいたから、
誰にも見られないようにして
こっそりワッフルを頬張ろう。

サボタージュおしまい。