視覚を失って、
聴覚を失って、
大切な恋人や友人や子どもを失って、
そんな、
多くを失った人同士が、
古代ギリシャ語を通して、
また繋がる。
即物的な、意味や理解を超えたものの中で。
もう死に絶えた言語の中で。
適切な意味や五感が、
しんどくて、悲しいときがあること。
よくわかる。
そういうとき、
もう死んでしまったものの中で、
穏やかに息ができることがあるよね。
そんなふうに、
人を救うのは人ではないかもしれないけれど、
でもやっぱり、
人は人と生きていこうとするのだと思った。
問題が何ひとつ解決されていないとしても、
希望がないわけじゃない。
物事は側面だけではなく、
捉え方で形が変わっていく。
心の中だって、そういうものだから。
仕事からの帰り道。
空が黄昏ているのを見て、
とても、とても幸福な気持ちになる。