京都慕情 | 恋は二度目のアネモネ


泣きそうになったのは、
なつかしい河原町の風景を思い出して、
その中に、
若かったあなたとわたしの思い出が、
いくつもいくつも貼りついていたから。

あんなに楽しいことしかなかったのに、
思い出になるとどうして切ないの。
あなたは今もここにいるというのに、
なぜだかあなたを思い出す。
そしてふいに、泣きそうになるのだ。

慕情は、ふっと
心にしのんで、
あたたかく、
やわらかく、
撫でていく。
そしていつだって少しの後悔が、
消えない痕になって残るのだ。


遠い日の愛の残り火が
燃えてる嵐山

胸がじんとなる歌を聴いて、
昔を思い出す。

悲しいことは、もう忘れてしまった。

涙が出るのは、
あの頃の若いふたりが、
とてもとても愛おしいからだ。