泡風呂でささやく愛なんて、
適当な賞賛くらい軽薄だ。
ぶくぶくぶく。
ドーナツみたいな穴があいてる。
わたし自身が、
ドーナツのようだというのにさ。
二の腕にへばりついた泡の粒々が、
何かの卵みたいに、キラキラ光ってる。
わたしはまだ、
人生の恥ずかしさから全然抜け出せないでいる。
赤い、という理由だけで
真っ赤な雨傘を買った。
赤いだけの雨傘は、
ほんとはあまり気に入っていない。
二の腕を舐めてみる。
潮の味がする。
いつまでたっても、
入念だ。
それに比べて
さらりと自然にうつくしいなんて、
本当にあなたはどうかしている。
ふやけた指先と、
ふざけた歯を、
そっと隠したい。
隠したいのに、
泡がとけて、
どうしようもなくすべてあらわになるよ。
ああ。
