まだ呼吸が荒かったのですが、
諦めの悪い飼い主は、迎車&猫さんを素早くAちゃんに降ろしてもらうという、
猫さんにとって負担が最小限になるようにして、病院へ連れて行きました。
タクシーの中では、一層、呼吸が荒くなっていましたので、
「頑張れ」「もうすぐだよ」と、ひたすら声をかけ続けました。
病院へ到着した瞬間、張りつめていた気持ちがフッと緩み、飼い主ボロ泣き。
とにかく、猫さんをすぐに酸素室へ入れてもらい、I先生と話をしました。
今日の輸血――
できるかできないかは、五分五分。
できたとしても、猫さんの状態を鑑みると、
呼吸が止まってしまうことも考えられる、ということ。
「その場合、僕たちは人工呼吸器で蘇生を試みますが、中には望まれない飼い主さんもいます。
助かる可能性があると判断したときは、返事に関わらず行いますが、
そうではなく延命措置としての処置になった場合……どうされますか?」
I先生が言葉を選びながら、訊きました。
「先生におまかせします。体力はないかもしれませんが、それを上回る気力のある子です」
と、答えると、先生は強く頷いて、酸素室の猫さんのほうを見ました。
「僕もそう思います。こんなに頑張る子はめったにいないですよ」――
その後は、輸血になったときの、やり方について。
最初は慎重に、一時間に1mlだけ入れて、
体への負担がなるべく少ないように、徐々に量をあげていくということでした。
説明を聞き終えたあと、
先生のご厚意で酸素室の猫さんとしばらく話をさせてもらうことになりました。
もし「帰りたい」という目をしたら、すべて中止にして連れて帰るつもりでした。
「ここで頑張る」という目でした。
なにもしないで帰ろうなどという気持ちは微塵も感じられなかったです。
病院でもしものことがあっても、それは猫さんの運命です。
それは先生にも伝えました。
先生、ちょっと涙ぐんでたな……。
これが最後かもしれないという気持ちで、猫さんにいろいろ話をしてきました。
「みんな応援してくれているよ」
「頑張れるからね」
「パワーを送るから、こっち見てね」
そんなことを言う飼い主を、猫さんはしっかりとしたまなざしで見つめてくれました。
何があっても、私に後悔はないし、猫さんにもないはず――
そう思えました。
まず輸血ができるかどうか、わかりません。
もうすぐ連絡があるはずです。
輸血をすると判断されたなら、神様に私の寿命を削ってもらって構わないので、
うまくいってくれることを祈ります。
どうかたくさんの力が猫さんに宿りますように。
神様、力を貸してください。
だって、あの子は虫一匹、殺めたことがないんですよ(ビビリで鈍臭かったから、ですが)。
なのにどうしてこんなに早く、空に召されてしまうんですか?
もう少し、時間をくれてもいいじゃないですか。
とてもとても頑張る一日。
どうかあの子に、また光をください。
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*12時45分・追記*
輸血することになりました。
頑張れ! ものすごく頑張れ!!