ブックレビュー「なんちゃってホットサンド」 小川糸 | ネコのひとり言

なんちゃってホットサンド

 

初めて読む作家さんです。
1973年、山形市生まれの今年51歳。

 

デビュー作「食堂かたつむり」が映画化、「つるかめ助産院」「ツバキ文具店」「ライオンのおやつ」がNHKでドラマ化されています。

本書は、そんな小川さんのゆる~い日常を書き綴った日記エッセイ。

 

2021年1月6日~12月31日までの1年分が収録されています。
 

 

2021年といえば東京オリンピックが延期開催され、一方ではコロナの非常事態宣言が出されたり、GOTOキャンペーンが延期になったりした年。

 

 

小川さんも外出を控えたり、日課の銭湯通いも行けなくった期間があったとのこと。
でも、友だちを自宅に招く回数が増えたり、新しいことに挑戦するキッカケになったり、ピンチをチャンスに変える工夫もされているようです。

 

もちろん旅にだって出かけています。

 


コロナ禍では元に戻るのを期待するのではなく、この状況に合わせて自分の生活スタイルを変える方が効率的、と考えています。

 

■コロナ禍での生活

 

(1)家で手作り
舞茸ペースト、きな粉を使ったアイスクリーム、蜜柑のゼリー、小梅の梅干し、山椒の実の醤油漬け、かぼちゃプリン、大阪屋さんの生麹を使った味噌、カルダモン入りドーナツ、ナメコのショートパスタ、おせちなど。

 

新しいチャレンジとして石鹸作りも始めています。

 

なんちゃってホットサンド


(2)お出かけ
・瀬戸内海、鎌倉・箱根、石垣島(黒島観光)、出羽三山、伊豆大島など。
・7月28日の日記に、鶴岡の「スイデンテラス」に泊まったときの様子が書かれています(ホテル名は明記されていませんが、たぶんスイデンテラスのことでしょう)。

 

なんちゃってホットサンド

 

機会があれば私もぜひ行きたいと思っているホテル。

 

(3)山小屋建設
八ヶ岳のふもと標高1600mに山小屋を建てる計画が進行(9/22に地鎮祭)。

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それぞれの日付の日記にはタイトルがつけられ、7月6日が「なんちゃってホットサンド」。

 

新聞に載っていたホットサンドが、手軽にできて美味しいのが分かってから、パン食が増えたという内容です。

■ある日の日常
・AM6前に起きてお湯を沸かしお茶を飲む(3年番茶)
・愛犬(ゆりね)の散歩
・家に戻って新聞を読む
・AM8から仕事スタート
・AM11仕事終了
・朝昼ご飯(今日はチャーハン)、食後のコーヒー
・午後は4個目の石鹸作り(蜂蜜石鹸)
・連載中のエッセイを担当編集者へ引き渡し
・PM4頃から夕飯準備

 → ゴーヤのひじき炒め作り
・PM4:45お風呂へGO
・PM6頃自転車で帰路
・家に帰ってビール → 

 東京石川酒造TOKYOBLUES
 おかずはブリの西京漬け、

 ゴーヤのひじき炒め、そば
・「あ~、幸せ」

 

なんちゃってホットサンド


■おすすめグルメ
(1)大三島
・みんなのワイナリーのワイン(今まで飲んだ国産ワインで一番、とのこと)

(2)生口島
・蛸天卵とじ丼、生わかめの味噌汁
(3)今治
・ジャコカツ、白楽天の焼豚玉子飯
(4)伊豆大島
・HavCafe

 (味も雰囲気も女性店主も最高)
・港鮨(地魚のにぎりが1950円)
・鵜飼商店

 (揚げたての美味しいコロッケ、メンチカツ)
・高林商店

 (お店でお酒が飲める、新鮮な明日葉やおいしそうなコッペパンも買える)
など。

■おすすめエンタメ
・TVドラマ 「バビロン・ベルリン」
・映画 「ひめゆり」
・映画 「アメリカン・ユートピア」
・本 「今日でなくてもいい」(佐野洋子)
・本 「なんで僕に聞くんだろう」(幡野広志)

「友だちと、動物と、自然があれば、幸せに生きていける」というのが小川さんの信条。

 

時間をうまく使って、日々楽しいと思う生き方ができれば、こんな素敵なことはないでしょうね ★4

 

なんちゃってホットサンド