最近は山の本をよく読むので、Amazonから不定期に配信されるおすすめ本にも山関係の本が多くなってきました。
本書はそんな中から見つけた1冊。
著者は東京在勤のOL。
「山と温泉のきろく」というブログを開設されていて、3年間で1000万アクセスもある人気ブロガーさんのようです。
ひとりでお酒を飲みに行ったり、旅をしたり、山に登ったりするのが好きな方で、本書はその記録をエッセイ風にまとめたものです。
でも、書籍化に当たりこれまでブログで公開した内容ではなく、新たに書き下ろしたそうですから情報の引き出しの多さに驚きます。
一般的に男性はひとりでも、大衆食堂や町中華、チェーンの飲食店など初めて訪れるお店も普通に入れると思いますが、女性にはなかなか敷居が高いと思います。
旅も同じ。
女性一人で旅館に泊まるのもためらいがあるでしょう。
著者も最初はそうだったようで、食事が部屋食や食事処の個室の場合はいいのですが、大広間や食堂などでほかのお客さんと一緒に食べるのが苦手だったとのことです。
特に隣の席が家族連れだったりすると、小さい子どもから「あのお姉ちゃん、どうして一人なの?」と指摘されるのではないかとびくびくしていたそうです。
でもそんなときは、何か思われたり言われたとしても、「どうせもう二度と会わない人たちなんだからどうでもいいやー」と思うことにしているのだとか・・。
著者は観光しないで、グルメだけに特化して旅をするのがスタイル。
それも事前にリサーチを済ませ、なるべく時間の無駄がないように計画を立て、行きたいお店をハシゴする徹底ぶり。
かといって、いいと思ったお店や旅館には何度も訪れるこだわりもあるようです。
ひとり酒、ひとり旅、ひとり山を極めたいと思っている人やそれらに興味ある人には、ハウツー本として大いに役立つことでしょう。
「ワカコ酒」、「孤独のグルメ」、「居酒屋新幹線」などの酒・グルメ番組ファンにもおすすめです。
★3.5
本書を読んで行きたくなったお店や旅館。
(1)鶴岡 珈琲店「コフィア」 著者が一人で行きたいと思った最初のお店。
(2)鶴岡 「フェリナモーレ」 奥田政行シェフのお店。カウンタ席が多い。
庄内産食材のイタリアン。
(3)酒田 フレンチ「ル・ポットフー」 老舗のフランス風郷土料理の名店。
(4)品川駅エキ中 「ぬる燗佐藤・御殿山茶寮」 日本酒の種類が多い。
燗酒も5℃~55℃まで細かく温度を指定できる。カウンタ席、立ち飲み席もあり。
(5)甲府駅前 鰻屋「川長」 鰻の串焼きと利き酒がセットになった夜だけメニューの
「晩酌セット」が筆者のお気に入り。
※著者のブログ掲載の写真を借用して合成しました。
(6)湯河原温泉 「オーベルジュ湯楽」 一人で目一杯美味しい料理とお酒を楽しめる。
20種類のワインがグラスでオーダーできる。
(7)嬉野温泉 「旅館一休」 全7室の小旅館。建物は新しくないが清潔、リーズナブル、
ゆっくりくつろげる、持ち込み可。
我が家でも行ったことがありお気に入りの鳴子温泉「東多賀の湯」が、著者の「絶対再訪したい宿」に選ばれていたのが、ちょっとうれしい(^o^)。
著者のブログはこちら↓