コミックレビュー「まんが道」文庫版全14巻 藤子不二雄A | ネコのひとり言
イメージ 1
藤子不二雄Aこと安孫子素雄さんが描く、藤子不二雄誕生物語。
 
ただし、藤子不二雄はストーリーでは足塚茂道(のち満才茂道)となっています。
 
イメージ 2
かつて銀河テレビ小説でドラマ化され、満賀道雄役は竹本孝之さん、才野茂役は長江健次さんが演じていました。
 
中でも長江健次さんが話す「・・がや」が語尾につく富山弁?がとても印象に残っています。
 
イメージ 3

二人の出会い、手塚マンガに魅せられた事、「漫画少年」への投稿時代、才野に対する満賀の嫉妬、友情、淡い恋心、就職、仕事の失敗、仲間の励まし、雑誌社編集部への原稿持ち込み、漫画誌への初掲載、手塚治虫氏へのあこがれ、上京、連載、徹夜の連続、締め切りすっぽかし、再起、ライバルの登場・・など波瀾万丈のストーリー展開です。
 
イメージ 4

作者曰く「実話7割、フィクション3割」とのことですが、各所にヤマ場があって、夢中で一気読みしました。
★4.5!
最後が尻切れトンボで消化不良だったのが残念。
 
イメージ 5
ストーリー展開がみごとです。
少年誌に掲載されていたこともあり、読者層にうまくマッチした構成でした。
 
何と言っても手塚治虫さんの絶大な影響力と、伝説的なその仕事ぶりも見事に再現されていました。
 
手塚さんの住んでいた部屋に二人が入ったことは知っていましたが、敷金や愛用していた机までも譲り受けたことを今回初めて知りました。
 
イメージ 6
また、寺田ヒロオさんにずいぶんお世話になったことや、彼のマンガに対する熱い想いなども初めて知りました。
 
イメージ 7
愛すべき素晴らしい人です。
(映画「トキワ荘の青春」は寺田ヒロオさんが主人公です)
イメージ 8

マンガ家志望必読の書!
素晴らしい!
 
イメージ 10続編の「愛・・しりそめし頃」もぜひ読みたいのですが、残念ながら近隣のどこの図書館にも置いていません。
中古本でもプレミアがついているらしく高そうです。
 
いつかはきっと・・。
イメージ 9
ところで、作中にたびたび登場する「松葉」へも、ぜひ行ってみたいなぁ。
 
【訃報】
(NHKニュースより)
藤子不二雄Aさんは、2022年4月7日午前8時40分ごろ、川崎市の自宅で亡くなっているのが見つかったということです。
88歳でした。
 
ご冥福をお祈りいたします。