ブックレビュー「白輪~小説・伊能忠敬」  龍道真一 | ネコのひとり言
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伊能忠敬の生涯を描いた小説。
 
全体の2/3は忠敬が隠居するまでの佐原時代、残りは高橋至時に弟子入りし、日本全図を作成するまでの時代が描かれています。
 
白輪とは満ち欠けを繰り返しながら闇夜を照らす月の輪のこと。
それはまるで人の命と同じようにやがては消滅し、また新たに生まれいつまでもつながり続ける。
 
イメージ 2人はいつか自らの人生をふり返り、その軌跡が光り輝けばと思うようになる。
そのようになるためにはどうすればいいんだろうか?
 
その答えが忠敬にとって、きっと日本地図を作ることだったのでしょう。
 
いつも思うことですが、昔の人は若くして知性・行動力・指導力・教養などを身につけていたのには驚かされます。
人生50年と言われるように、寿命が短かったこともあるでしょうが、でもきっとそれだけではなかったでしょう。
 
イメージ 3忠敬は17歳で伊能家に婿入りし、才覚を生かし傾きかけた家業を持ち替えしたのは見事。
 
また、飢饉の時には農民に米などの施しを行ったり、水害を防ぐための治水工事を行ったり、村の自治を守るために江戸の代官所まで出向いて陳情を行ったりもしています。
 
36歳で名主、名字帯刀も許されています。
すごいなぁ・・。このバイタリティ!
 
人生、いくつになっても勉強だ。
★4