生き生き働いたり、自分らしく生きるためには、働く人全てが、「自分を尊重すること」が大切だとこのブログでは伝えています。
しかし、「自分を尊重すること」と「自分勝手になること」との違いがわからないという質問がありました。
実は、私もこのことがずっとわからなくて、長年悩んでいました。
相当悩んで、いろいろな書籍を読んだり、たくさんの人に質問したりして、ようやく理解ができたのです。
自分を尊重すること、というのは、自分自身が何を思っていて、どうしたいと思っているのかちゃんと理解することです。
そのうえで、自分が行動を選択する意思をもつということです。
「自分が選択する」のがポイント。
他人に言われたから、とか、他人はこう思っているから、という理由で選択することとは異なります。
他人の目や評価を気にして、それだけを理由に行動を選ぶことは他者尊重です。
私たちが受けてきた教育は、「他人を尊重すること」が中心でした。
「自分を尊重する」という概念を学ぶ機会があまりなかったのです。
他人を尊重することばかりがいいことだという思考を植え付けられているように思います。
しかし大切なのは、「自分も、他人も、どちらも大切にできること」なのです。
自分の気持ちを理解できるようになり、選択できるようになること。
自分の気持ちをきちんと理解するには、思い込みを外して思考に惑わされなくなる必要があります。
それができるようになると、自然と他人のことも尊重できるようになっていきます。
自分を尊重した分、他人の気持ちが理解できるようになっていきます。
他人の評価を気にして動くのではなく、相手のことを思って必要な行動ができるようになる。
つまり、他人を尊重できるようになるためには、自分の気持ちをちゃんと理解し、そのうえで行動を選ぶということが先決なのです。
自分の本当の気持ちを理解できず、思い込みがある場合。
自分に鎧をかぶせている、「自分勝手な人」になります。
自分を守らないと危険だと、無意識に思っているのですね。
「自分勝手な人」は、自分を尊重しているようで、本当は自分の心を理解しておらず、本当の自分を尊重できていないのです。
しかし、自分と他人で意見が合わずにトラブルになることもあるでしょう。
それぞれが自分の主張を通そうすることもあると思います。
しかし、自分の気持ちをちゃんと理解し、他人のことも考えられるようになると、妥協点を探れるようになります。
自分の主張も通しつつ、また、相手のことを尊重しながら説得ができるようになる。
だから、まず、自分の本当の気持ちを理解しよう。
余計な思い込みをそぎ落として、思考に惑わされずに、自分の心を見る。
今まで軽視されてきたそういう訓練が、これからは必要だと思っています。
子どもの頃の環境によって身につけた、それぞれの人の思考回路。
本人の意思とは関係なく身につけてしまった思考。
そうしたくてそうなったわけではない。
だから、今までの自分を責めることなく、これから新たな思考を身につけていけばいいのです。