私立中高一貫校に幻想は抱かぬ | 教育・受験のミカタ

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NEホールディングス(栄光学園・西塾・進学塾サンライズ・名古屋個別指導学院・コンパス)社長ブログ

長く公立王国と謳われてきたここ愛知県でも、私立中高一貫校の人気が高まってきています。

 

コロナ禍での学校運営で、全てではないにせよ、公立中学・高校への不満・不安・不信などが増大したこともその流れに拍車をかけています。

 

私立中高一貫校には、学校独自の理念や校風、人間教育、伝統、設備など確かに魅力的な面は多くあります。

 

東海・滝・南女などトップ進学校や、それに次ぐ愛知淑徳や名古屋・南男などでも、難関大学への進学実績が毎年注目されます。

 

私立人気の高まりの中で、いわゆるトップ私立中高一貫校へ入学することで、難関大学へのパスポートを手にしたように感じる人がいるかもしれません。

 

しかし、私などが言うまでもなく、現実はそんな甘いわけがなく、どこに入学しようともその環境で自分がどれだけ努力できるかということに尽きるわけです。

 

もちろん「朱に交われば」というように、そもそも人間は環境に大きく左右される生き物ですから、努力し研鑽できる環境が自分の学校、クラスにあるかというのはとても重要ではありますが、そうは言っても最後は自分次第です。

 

公立中学という、学力もバラバラな生徒が集う環境で広く人間関係を学びながら、図太くたくましく自身の学力形成に努め、高校へ進学していく生徒も、数で言えば中高一貫校の生徒より多いのです。

 

さらに言えば、言葉は適切でないかもしれませんが「雑草魂」で、図太くタフに学んできた公立組の中には、大学受験でパワーを炸裂させる生徒は数多く存在します。

 

名古屋地区なら、旭丘や向陽の生徒なんて受験に向かう気持ちが強い子が多いように思います。

他の公立高校でも、本当にたくましい生徒たちを私もこれまでにたくさん見てきました。

 

それに対して、私立中高一貫の生徒は「温室育ち」では勝負になりません。

 

設備や受験指導ノウハウ、6年一貫教育など受験態勢のメリットがあるならば、それらを存分に生かし、自らで深く根を張り葉を拡げ上へ上へと伸びていかねば勿体ないことです。

ビニールで囲まれた安全な温室で栽培されているだけなら、もやしのようになってしまう。

 

そんな温室があるならば突き破ってしまえばいい。

 

学校が何かをしてくれるというのは幻想です。

 

東大、京大に合格者を多数輩出している進学校でも、合格するのは学校ではなくそこに通い努力を重ねてきた子供たちです。

 

そういう心構えで、素晴らしい環境を徹底的に活用して、自らの進路を切り拓いていく私立中高一貫生が増えることを願っています。

 

公立組も、勢いよく天を突くように伸びる植物が如く人間力と学力を伸ばしに伸ばしてほしい。

幻想は抱かず、与えられた環境の中で、日々の現実の中でベストを尽くしていきましょう。

 

It's up to you!

 

花火夏は天の川や周辺の星雲星団などを観測できます。夏の夜に夏の大三角(デネブ・ベガ・アルタイル)なんかを探すのもいいものです。