11月8日、愛知県教育委員会が県立高等学校の「再編将来構想」を公表しました。
「再編将来構想」の背景
県立高校欠員の急増
愛知県では、昨年県立高校に入学した生徒が、予定より約2600人少なく過去最多の欠員。
中学校卒業者数の減少
中学校卒業者数は、2022年度入学者と比べて、2035年度までに1万3,000人程度減少。
現在の7万人から5万7,000人程度にまで減少する見込み(県教委)
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愛知県の児童・生徒数の推移グラフです(愛知県HPより)。小・中・高ともに、今後も減少が続くと予想されています。
2021年度、私立高校の生徒数は、学費無償化の拡大策やコロナ禍での公立学校に対する不安を背景に増加しています。
一方、2021年度の公立高校生徒数は、過去最多の入学者欠員もあり生徒数減少。ただし、上位校、人気校では競争激化しているので、単純に易化した、入学しやすくなったわけではありません。
(このあたり、欠員や再編の騒ぎの中で見誤らないようにご注意ください)
以上のような状況を踏まえて、2030年代半ばまでの将来を見据え、愛知県の全域的な県立高校の魅力化・特色化、再編の取組みをまとめたのが「再編将来構想」なのです。
構想検討案
稲沢市の稲沢高校と稲沢東高校、一宮市の尾西高校の3校を、2023年度に稲沢高校へ統合・再編し、農業科(4クラス)と普通科(3クラス)の生徒が相互に学べる新校を目指す。
津島市の津島北高校と弥富市の海翔(かいしょう)高校の2校を、2025年度に津島北高校に統合・再編し、普通科(2クラス)・商業科(3クラス)・福祉科(1クラス)を併置した新校を目指す。
犬山南高校は「DX人材育成」と「起業家マインド育成」を柱に新たなタイプの学校を目指す。
*DX…デジタルトランスフォーメーション(=デジタルやデータに強い)の略
御津(みと)高校は多様な生徒を受け入れ可能なインクルーシブな学校を目指す。
*インクルーシブ…「包括的な、包み込むような」という意味
県教委は横文字がお好きなようで(笑)
犬山南高校と御津高校は2023年度に校名変更・学科再改編予定。
愛知県は11月8日から12月7日まで県民から意見を募集し、12月下旬の教育委員会の会議で「再編将来構想」を決定予定。
特色入試や公立高校入試制度改革といった仕組みの変更と、何よりも指導要領改訂により教科書内容が難化し、小学校、中学校、高校の学習内容が質、量とも以前より大変になっているという状況の中で2年間にも渡るコロナ禍の混乱があり、子供たちの学習を取り巻く環境は嵐の中にあります。
嵐が去るのを待っていては学生生活も過ぎ去ってしまいますので、心と頭に常に羅針盤をもって、雨や風にも決してひるまず、人生という大海原の航路を前へと進んでいきましょう!