金八先生の魔法

「他人と過去は変えられない」という言葉を耳にすることがあります。

私も、他人を変えることはできないと思っています。

学校でも塾でも、教師が子供を変えることなどできない。

変えてみせる！変えたことがある！といった意見もあるでしょう。

素晴らしい教師との出会いで私の人生は変わったという人もいるでしょう。

しかし、一見そう見えたとしても、変わるのはやはりその人自身の力でしかないはず。

教師にできるのは、そのきっかけや環境づくり。（これも大変なパワーを要しますが）

あの金八先生を思い浮かべてみてください。

ご承知の通り、金八先生との出会いで多くの生徒たちは変わりました。

腐ったミカンと言われた子も他のたくさんの問題児も変わりました。

けれど、それは金八先生が生徒たちを変えたのではないはずです。

金八先生の言葉や行動によって、生徒たちの心が動いた。

その結果、生徒たちは自らで自らを変えることを選択し変わっていった。

もちろん、生徒たちに変わるきっかけを与えた金八先生は偉大です。

そのきっかけを活かして変わった生徒たちも素晴らしい。

ではなぜ、金八先生の教え子たちは自ら変われたか？

それは、金八先生の教え子たちはセルフエスティームがとても高いから。

これこそが、金八先生の魔法だと私は勝手に思ってます（笑）

セルフエスティームの定義は諸説ありますが、「自分は他の誰かから大事に思われている存在なのだと、自分で自分のことを思えること」と、私たちはそれを定義しています。自己重要感という言葉とほぼ同義です。

このセルフエスティームが高まることで子供たちの行動や意識は変わります。

逆にセルフエスティームが低い場合、行動や意識にマイナスの影響を及ぼします。

例えば次のような変化がみられます。

セルフエスティームが高い場合

・失敗やミスを恐れないようになる
・自分の可能性を信じられるようになる
・新しい挑戦をしようと思える
・人を頼るのではなく人を助けるようになる
・ストレス耐性が強くなる

セルフエスティームが低い場合

・自分の才能や可能性に否定的になる
・他の人の失敗やミスを責めるようになる
・他の人の行動や言動に影響を受けやすくなる
・常に不安が先立ち消極的になる
・物事に対して投げやりになりやすい

セルフエスティームの高低が子供に及ぼす影響力はとても大きい。