生徒・教員の英語力の現状は? | 教育・受験のミカタ

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国が進める英語改革について切り込む「英語改革待ったなし」。今回は、生徒・教員の英語力の現状についてご紹介いたします。ご紹介する調査結果は、すべて、平成24年度「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」に係る状況調査より引用しています。

まずは教員の皆さんによる生徒の英語力の分析です。

その際、文科省であらかじめ提示している達成目標というものがあり、その目標に対する達成度を調査しています。この達成目標というものを以下にご紹介しておきます。

【中学校卒業段階】
初歩的な英語を聞いたり読んだりして話し手や書き手の意向などを理解したり、初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話したり書いたりすることができる。(英検であれば3級程度以上。)

【高等学校卒業段階】
英語を通じて、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりすることができる。(英検であれば準2級から2級程度以上)

さて、そうした前提のもとに、生徒の英語力について、目標としている英語力を達成している生徒はという調査結果はというと・・・。

公立中学校3年生 約31%

公立高校3年生 約31%

色々な角度から考察できる結果です。3人に2人が目標に届いていないということ。中学での成績が高校にも直結していること。そして、なぜ3割しか目標に届いていないとのかという指導の質や量のこと。

他にも多くの課題が考えられますが、今後、文科省が目指していく目標として掲げているのは、「アジアでトップクラスの英語力育成」です。設定する目標というものも変わるのでしょうが、今定めている目標のレベルであれば、今の倍以上の達成状況になるくらいの公教育での大改革を望みたいと思います。

ところでこの「31%」という数字。内容うんぬんとは別にとても驚きました。31%という数字は、5段階相対評価でいうところの5と4の割合の合計なんです。相対評価の考え方はというのは、教師が成績資料を精査した後、生徒を成績順に並べ、5…7%、4…24%、3…38%、2…24%、1…7%を目安とした割合で評定をつけるもので、今の絶対評価が用いられる前のものさしなんですね。ですから、及第点以上だよという4と、よくできているという5のぴったりの総数になっていたので、肯定するものではありませんがびっくりしました。

話が逸れてしまいました。次に英語教員の英語力分析についてです。
同じく掲げられている目標は以下のようになっています。

生徒の英語によるコミュニケーション能力を育成するため、生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とすることができる。(英検準1級以上、TOEFLのPBT550点以上、CBT213点以上、iBT80点以上またはTOEIC730点)

この目標に対し、目標を達成している教員は公立中・高それぞれ、約28%および約52%となっています。教員の英語力を含めた指導力が、国の目指す「アジアトップクラスの英語力育成」という目標達成には大きく影響してきます。文科省では、教員に対する指導力向上の仕組み化を進めていますが、何も学校の教員だけではなく、我々塾人にとっても突きつけられた課題だと感じています。自社でも先を見ながら環境整備を考えていこうと思います。

次回は、英語の授業に対する子どもたちや保護者の意識調査をご紹介しながら、英語改革について考えていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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