桜木紫乃さんの「緋の河」。

 

随分前に買い求めていたけれど

後回しになっていた一冊。

後回しになっていた理由のひとつは

分厚さw

私が持っている文庫本の中では

かなり厚いほう。

 

あとがき、解説を含め

638頁。

 

 

だけど、読み始めると退屈することはなく

早く続きを読みたいと、読み進めていきました。

 

昭和の時代に、

釧路の小さな町に次男坊として生まれた「秀男」

秀でた男。

 

家庭は厳しく、特に父は秀男に手を上げる。兄も父に真似て

厳しい。

 

秀男は、背も低く、色白で女の子のようであり、

また本人も男であることに違和感を感じ、

姉のショウコがいつも面倒をみてくれて

自分のことを「アチシ」と呼ぶ。

母は優しかったけど、生まれたばかりの弟の世話で

あまり秀男の相手はしてくれなかった。

 

学校に行っても

「女になりかけ」と意地悪をされるけど

秀男は自分のなりたいように進んでいく。

 

 

高校の時、ゲイボーイになりたくて

家出して東京へ向かうも、家出がばれそうになり札幌で下車。

そこで素質を見込まれ、諸先輩に色々教えてもらうも

家出がばれ、家に連れ戻される。

 

 

が、秀男の思いは変わらないので

今度はきちんと家を出た。

 

男でも女でもなく、自分自身になる、という強い思い。

ほかの誰でもなく、本当の自分になる。

札幌、東京、大阪と脱皮するようになりたい自分へなっていく。

 

 

 

現代のように理解がまったくない時代に

自分の進むべき道を切り開いていく強さ。

秀でた才能。

 

 

 

この物語にはだれかモデルがいらっしゃるのだろうか、と

本編後の解説を読んでわかった。

 

 

キレイな方です。

 

 

秀男が暮らしていた釧路の風景。

海に流れ出る河口付近の

靄のかかった感じ、、、

思い浮かべながら読み進めました。

 

 

超大作でした。

 

 

 

あとがき、で紹介されていた作品も

ぜひ読んでみたいです。