「 窓辺にて 」


過去に一作だけ小説を書き
辞めてしまった
フリーライターの市川茂巳は
編集者の妻、沙衣が売れっ子作家と
浮気をしてるのを知りながら
それを言えずにいた
そして
怒りの感情が湧かないことに
ショックを受けていた

ある日
授賞式で知り合った高校生作家
久保留亜の小説に惹かれ
モデルを紹介してほしいと頼むのだが

  ☕️☕️☕️


妻の浮気に悩みながらも
激しい言い争いも
とんでもない展開もなく
市川の飄々とした個性のように
物語はすすみます


市川の取材対象で友人でもある
スポーツ選手夫婦
選手はタレントと浮気をしていて
妻は市川夫婦に相談したりする
市川は妻が
選手は夫が浮気と逆の立場だし

市川に興味を持つ
高校生作家久保留亜は
彼氏のことで悩み
泣いたり笑ったり感情豊か
など
本筋の登場人物と
市川との対比が面白いが

それ以上に
メインで絡む人々より

小説のモデルとなった
世捨て人のような留亜の伯父

乗ったタクシーの運転手

パチンコで玉を譲った女性

など 
何気なく出会った人々が面白い

タクシーの運転手さんの
「パチンコは時間とお金をいっぺんに
使える最高の贅沢」
は上手いこと言うなぁ


感情の起伏がない市川は
見ようによれば鉄仮面だけど
(後に留亜の彼氏にサイコパスと言われていた)
けっこう素直な人で影響を受け
最高の贅沢パチンコをさっそくやったりする

忙しい妻に代わり義母の様子を見に
行ったりもする

不倫時にとれたボタンなのに
妻のブラウスのボタン付けは
やりすぎかなぁ


様々な人々と新しい体験をとうして
窓辺から俯瞰して見ていたような市川は
ようやく妻と向き合っていきます

市川の個性とクールなイメージの稲垣吾郎が
上手く重なり敵役でした



劇中に
喫茶店やカフェ
日の当たる公園が登場します
窓辺にて
お茶をする姿は居心地が良さそうで
カフェや喫茶店て過ごす時間を
思い起こさせてくれます

不倫の話だけど
なぜかさわやかで
癒される映画でした