牛たちのかくれ家を訪ねた翌日、
同じく北海道で放牧養豚を行っている農場を訪ねました。
🐖遊牧舎(北海道幕別町)
豚が豚らしく生きるということ
十勝の自然に囲まれた幕別町にある養豚場「遊牧舎」
ここでは、放牧スタイルで豚たちが育てられています
農場の名前にちなんで
彼らは「遊ぶた」と呼ばれています
その名のとおり
よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ——
まさに、豚としての本来の行動を
発揮しながら暮らしていました
豚はとても知性の高い動物で
犬以上の認知能力を持つとも言われています
鏡を見て自分の姿を認知でき
仲間の顔を見分け、声を聞き分け
数十種類の鳴き声を使い分けて“会話”をします
感情に共感したり
お母さん豚は授乳中に“子守歌”のような声を出して
子豚を安心させることも知られています
しかし、こうした本来の感性が
発揮される環境は
日本の養豚業界ではごくわずかです
日本の養豚場のうち
放牧を行っているのはわずか約3%
特に繁殖豚(母豚)の多くは
「妊娠ストール」と呼ばれる
身動きもままならない檻の中で
そのほとんどの一生を過ごします
横を向くこともできず
社会的交流も奪われたまま
出産と妊娠を繰り返す日々——
それが現実です
この妊娠ストールは
欧州では2013年に全面禁止
アメリカや中国、ブラジルなどでも
「ストールフリー」の方向に
法整備や企業の方針転換が進んでいます
日本ではようやく一部の大手企業が
見直しを宣言した段階
全体としては大きく遅れをとっています
遊牧舎の豚たちは
仲間同士でじゃれ合いながら泥にまみれ
気に入った場所でうたた寝をするという
何でもないようでいて
贅沢な日常を生きていました
そこには、「生きることの質」に
目を向ける遊牧舎さんの姿勢が反映されていました
〜気づき、選び、変えていく〜
私たちは日々、知らず知らずのうちに
多くの命に支えられて生きています
その命の背景にどんな現実があるのか
どんな選択があるのか
知らなければ
選ぶことも、変えることもできません
すべての命を守ることは難しくても
「どう育てられたか」
「どんな風に扱われてきたか」を知り
少しでも配慮された選択肢を選ぶことは
私たちにもできる行動です
アニマルウェルフェアとは
「動物たちの心と体の健やかさを大切にする」という考え方
それは動物のためだけでなく
私たち人間の在り方を
問い直すものでもあるのだと思います
アニマルウェルフェア班
瀬川綾子
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