標高700mを越える険しい傾斜もあるこの地で、山地酪農を営んでいるのは花坂薫さん。
日本での山地酪農の先駆けとなるなかほら牧場で4年半働いたのち、
地元神奈川山北町の大野山で2016年に就業しました。
ここではジャージー牛が10頭、牛舎のない環境で過ごしています。
(訪問後、現在はさらに2頭の赤ちゃん牛が生まれています)
山地酪農とは、山で牛を飼い、山林の管理と乳生産を両立する取り組みです。
日本の山林は土地の7割と言われていますが、
その大部分が利用されずに放置されているのが現状です。
ここで暮らす牛達は山に生えるススキなどの背の高い草を食べてくれます。
すると今まで日の当たらなかった背の低い野草が育ちます。
中でも日本に原生するノシバが育つことにより、
丈夫で根が強いノシバの絨毯が形成され、山崩れを防ぎます。
そのノシバを食べた牛の排泄物は再び土に還り、草木の栄養となるという循環を繰り返しています。
富士山麓を見渡すことができるこの土地は火山灰の影響を受けているため、
地盤の弱さをリスクとして抱えていますが、
牛を放牧することで強い土壌づくりと人の労力の軽減を実現します。
牛の力を借りて、土砂崩れなどの災害に強い山づくりを花坂さんは目指しています。
訪問時はあられちゃんが産んだばかりのみそらちゃんにも会うことができました。
親子が寄り添って、愛情を交わしている姿は無条件にほほえましい!
この牧場には搾乳場を除いて牛舎はありません。
「放牧」というと、一聞自由気ままで良いことばかりのようですが
どんな天候であっても、牛達は365日24時間、この土地で自然と共に生きていかなければいけないという厳しい面もあります。
薫る野牧場の牛乳は、餌である草の色素の影響を受けて、ほんのりクリーム色。
とても優しい味がしました。
自然と牛と人
みんなに優しい酪農スタイル
この山地酪農は少しずつ日本でも広がりを見せています。
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