10月8日夜には、東北大学名誉教授 佐藤衆介先生の
講義を受けました。  





佐藤先生は日本のAW研究の第一人者で
現在、八ヶ岳中央農業実践大学校畜産部長をされています。

NDNがAWを最初に学んだ恩師で、
令和3年9月には客観的な評価基準を各畜種で作り、
今年8月には体験学習
「アニマルウェルフェア・ワークショップ」を新設!

また帝京大学にいらっしゃった頃は、オープンバッジで
AWをより広く多くの方が知る機会を作られたり、

東日本大震災では、福島原発警戒区域に取り残された
家畜たちの福祉を守ろうと農家に寄り添い、国に働きかけをされました
*「今を生きる」東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言
5 自然と科学 吉野博 日野正輝 編 東北大学出版会

日本では今はペットは家族の一員として認知されていますが、
畜産動物はどうでしょうか。

日々の食卓と、生きている動物の繋がりが希薄化して、
まるで生産する道具になっていませんか?

今回の農場見学会では、本来であれば当たり前の風景を
見ることができました。
佐藤先生からは、大きな宿題と財産をいただいた気持ちです

NDNから先生への質問
1,佐藤先生の人生観
2,アニマルウェルフェアに対する想い
3,将来の夢
4,展望
5,消費者や愛護団体への要望

以下、AW班チーフ 佐藤由希子さんのリポートです

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黒富士農場見学のあと、
8日の夜は、宿泊のコテージで衆介先生の御講義でした。
先生は当日朝も、ご自身の管理している大学校の家畜たちの
お世話をしてからいらっしゃったそうです。

事前に議題について希望をお伝えしていたところ
じつは失礼な無茶ぶりだったようです(それすらもわからず)汗

ただ、講義の内容はいつにもまして素晴らしいものでした。
気さくな先生のお人柄がさく裂していて
幼少期からどうして動物に、研究に興味を持ったのか
(=根本に、動物・自然好き)から、
「動物の(畜産でいえば工場化していく中で)切り捨てられた
行動に光を当てたい」と思う理由、







疑問をもつことの大切さ、でも原点からズレないことの大切さ、
亜流(時に変わり者と呼ばれる)でいることの価値、
などを知ることができたので
難しいお話の部分もすんなり理解できた気がします。












これから重要だと思う(すでに実施している)ことは、
やはり子供たちへの教育だと。ただ実践大学校でさえも、
AWに注目して学んでいる生徒は多くないのだそうです。





また、畜産物について消費者への意識調査では
「AWに配慮されていたほうがいい」という意見は多いものの、
「では価格が上がってもいいか」との問いには「いい」とはならないそうです。

そのままでは生産者側にだけコストや負担がかかり、
AWの向上を場を目指したくても踏み切れない、
という状況が続いてしまいます。

NDNなど愛護団体に望むことは、そのようなギャップを埋める
懸け橋になってほしい、というものでした。




NDNでは昨年1月にアニマルウェルフェア班を新設して、
フェスや学校訪問、パネル・リーフレット、見学会や勉強会など、
おこなってきました
活動の結果が少しずつでも見えるようになってくるとよいです。

今回お邪魔した2農場のように、
動物たちとの距離が近くて自然なものだったら、
自分事としてとらえやすくなると思いましたので、
このような農場の存在は貴重だなと感じます。
先生は農場でも様々な質問をされていたので、
本当に動物がお好きなんだなと思いました。


講義の後は、食の勉強を兼ねて参加者全員で食卓をかこみました。
地元のイタリア料理店に、AWに配慮した食材(肉)でなければNO!
というオーダーで、地元有機野菜、地鶏などをつかったコースでした。
飲食店や販売店に、このようにオーダーをすることも、
大切な普及活動になると思います。
いきつけのお店がある方は、ぜひシェフに依頼してみてください^^

さらに、スタッフの1人がコテージのキッチンで大豆ミート唐揚げを作ってくれました!
食べても大豆ミートと気づかない人も?!
外部参加者の皆さんも、それぞれの立場から気さくにお話されていて、
とてもよい交流の場になったと思います。

素晴らしい経験をさせていただきました。
本当にありがとうございました。