今回も下越動物保護管理センターとの協働案件です。
2022年6月、会に相談がありました。「村上市のとある集落で猫が沢山いる家がある。手術もせず子猫がたくさん生まれ糞尿被害などで近所がみんな困っているのでどうにかしてほしい。その家は変人夫婦で有名であり、周りが苦情を言っても聞く耳を持たない。知り合いなので自分が相談したことは秘密にして欲しい。」
会には、このような情報提供がしばしばあります。しかし、私達はあくまでボランティアであり、このような相談に「はい分かりました」と動くわけではありません。まずは不適切飼育ということで行政から指導してもらうよう、下越動物保護管理センターを案内しました。後日、現地訪問してきたセンターより会に協力要請があり、そこで私達も当事者に会いに行きました。
場所は山深い小さな集落。生活保護の世帯。変人ではなく、きちんと話ができるご夫婦でした。現在いるのは、出入自由の飼い猫と野良猫約16匹、春生まれの子猫4匹。昔ねずみ被害がひどく、役場に相談したら猫を飼うことを薦められメス猫1匹をもらってきたことが始まり。それでも減らないので追加でもらって5匹にしたら被害は収まったが、今度は猫が増えたという顛末。保健所に相談したこともあるが解決策がなく、あきらめていたようです。これ以上増えないよう手術したいが生活保護で費用の工面が難しいとのこと。
最初に手術せず多頭崩壊を引き起こした本人達に一番の責任はありますが、全頭に名前を付け可愛がっている様子も伺え、どうにかしたいという思いも伝わってきました。そこで、成猫は猫の手を使わせてもらい手術することにしました。7月後半、捕獲機を使って一斉捕獲し15匹(メス9、オス6)を手術。残念なことに残りメス1匹が数日前からいなくなり手術できなかったので現れたら再開します。子猫達は風邪で目が酷い子もいたので訪問時に緊急保護し、3匹はセンター引取で里親探し、1匹は個人譲渡で無事もらわれていきました。
皆様の支援のおかげで、この多頭崩壊のお宅にも解決の道が見えてきました。ありがとうございます。猫も人も幸せに共生できますよう、引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。